ITバブルの嵐が吹き荒れる中、当社は一途に「実業」ということに傾注してきました。今日、まさに金融的IT虚業が煉獄の炎で滅される時代に入り、時代の追い風を我が物としたいと考えています。「借り物レンタルサーバ事業者」が乱立する中で、我々はお客様のビジネスを支えることが可能なネットワークコンピューティングプラットフォームサービスを提供するため、あらゆる面での差別化を更に積み上げていきたいと考えています。

ファーストサーバはもともと、1994年にクボタの子会社の中で開始したISP事業が大手通信会社のインターネット事業参入を契機に事業戦略の見直しを行う中、1996年本格的にレンタルサーバの事業化を開始し、いくつかの過程を経て現在に至っています。

回線接続プロバイダーとしてのISP事業が設備集約の事業であったため、全国に設備をもつ大手通信会社の参入を契機に、違った角度の差別化を進めるため、「開発力集約型の事業への転換」を目指してレンタルサーバ事業への進出を決断したのも、もう随分昔になってしまいました。

2000年の6月にクボタグループから分社独立した後、2004年11月にはYahoo！グループと資本提携し現在に至っています。社内創業からすでに長い月日が流れましたが、創業の心は現在も当社の従業員の心の核となって生き続けています。巨大な資本のみが実現しうる設備型事業から、これに対抗して人間の精神活動がつくりだしたソフトウェア重視の事業へのシフトこそ、「人間が中心となる事業」を作り上げていきたいという我々の強い希望であり夢でもあります。

当社は他のレンタルサーバ事業者が「借り物」や「外注システム」でサービス提供することが多い中、性能と顧客満足度を最大化するため、多くの部分を自社で開発・運営しています。それは単にシステムだけでなくデータセンター、サーバハードウェアから顧客サポートにまで至っています。お客様の本当のニーズに応えたいというのが当社の理念です。

当社はレンタルサーバを「ネットワークコンピューティングプラットフォーム」と位置付け、その思想に立脚したサービスの提供に邁進したいと考えています。ネット上の住所と商標・商号や社名を兼ね備えた多面的標識であるドメインについては国内で8社（2006年2月14日現在）のみの「国際公認レジストラ」であり、また「ネット時代のセキュリティ対策サービス」として必要不可欠なデジタル証明書（SSL）においても国内でデジタル認証局を自営する唯一のレンタルサーバプロバイダーであると自負しています。

お客様がビジネスのためにコンピュータを利用するに際して、単なるレンタルサーバとしてだけでなく企業の情報化を支える基盤としてさまざまなソフトウェアを稼動させるに値する信頼できるサービスとして私たちはご提供したいと考えています。そのために、重要なエレメントをすべて自社でモニタリングしコミットできる体制を追求しています。単なるレンタルサーバプロバイダーを目指すのではなく、面倒でも手間がかかっても、愚直にこれらのサービスを構築し提供することにエネルギーを注いできました。

私たちは500億円のレンタルサーバ市場でトップとなることも必要だと考えていますがそれは10兆円のコンピューティングサービス市場での覇者となるためのひとつのステップと位置付け戦略的な行動をとるべきだと考えています。「ネットワークコンピューティングを通じてお客様のビジネスの成長に貢献すること」この考え方こそが当社の理念であり、数あるレンタルサーバ事業者の中で唯一のネットワークコンピューティングプラットフォームサービスを戦略的に追求し提供し続ける当社の礎となっています。