【台北・庄司哲也】台湾の馬英九・次期総統は17日、台北市中心部の総統府を将来的に移転させる構想を明らかにした。総統府庁舎は日本統治時代に台湾総督府だった建物で、民主化が進んだ今の台湾にふさわしくないとの考えがあるようだ。
台湾の中央通信によると、馬氏は台湾の学者と対談した際、「日本統治時代の歴史問題を処理すべきだ」という指摘を受けて明らかにした。総統府をほかの行政機関とともに、台北県との境界付近の台北市関渡地区に移す構想という。ただ、具体的な日程などは決まっていない。
総統府庁舎は1919年に総督府として建築され、庁舎を上空から見ると漢字の「日」の形をしている。
台北市内の行政機関の建物は、日本統治時代から使用されているものも多く、行政院(内閣)は日本統治時代の台北市役所、迎賓館に当たる台北賓館は台湾総督官邸だった。
毎日新聞 2008年4月17日 19時19分