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国内初、カマキリ入り琥珀発見 岩手・久慈市

2008年04月18日01時09分

 世界有数の琥珀(こはく)の産地・岩手県久慈市で、琥珀の中に入ったカマキリの化石が発見された、と久慈琥珀博物館が17日、発表した。久慈産の琥珀からはこれまでも蚊やアリなど様々な昆虫が見つかっているが、カマキリが見つかったのは国内初。世界でも8例目という。

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琥珀の中に入った太古のカマキリ。中央には頭、左には前脚と、頭から伸びた触角が見える=岩手県久慈市の久慈琥珀博物館

 カマキリは体長約1.4センチ。3センチ大の琥珀の破片の中に埋まり、前脚や頭、触角部分が鮮明に確認できる。

 琥珀は主にスギ科の針葉樹から出た樹脂が地中に堆積(たいせき)し、長い時間をかけて固化してできる。同館によると、今回の琥珀は約8700万年前の白亜紀後期の地層から採掘した。北九州市の農学博士を介して、ニューヨーク市の自然史博物館の専門家に鑑定を依頼、琥珀に閉じこめられた世界で8番目のカマキリと認定された。前脚にあるトゲの未発達な形状から、原始的なカマキリと現在のカマキリをつなぐ中間的な存在で、新種の可能性が高いという。

 発見した久慈琥珀博物館の佐々木和久館長は「恐竜時代を生きた太古のカマキリが、琥珀というタイムカプセルに包まれて現代まで保存された。琥珀をさらに磨き、不透明な胴体下部や羽を調査することで、新種であることを確認したい」と話している。

 カマキリの入った琥珀は18日から6月22日まで、久慈市の同館で公開される。

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