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第4部 驚きの「防波堤」 高知赤十字病院
 近森病院
2008年04月16日付・夕刊

 (5)医師に雑用させぬ

たたき上げの「高知のミスター救急」、近森病院の近森院長(高知市大川筋1丁目) 「これを見てください。百床当たりの医療スタッフの数です」

 県内最大の民間救急病院、近森病院(高知市大川筋一丁目、三百三十八床)の近森正幸院長(60)と川添昇管理部長(60)は資料を出した。

 高知医療センターと近森の、医師と「コメディカル」(看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリスタッフら)を比較した十八年度の数字だ。

 高知医療センターが医師十七人、コメディカル九十二人に対して、近森は二十一人と百四十四人。コメディカルの数は近森が五十二人も多かった。その差は医師を大切にしている「証拠」なのだという。

 「医師には医師しかできない仕事だけやっていただくんです。ほかはコメディカルが補助する。つまり、チーム医療で労働生産性を上げているんですよ。高知医療センターは、医師が雑用までやってるから大変なんです」

 院長の指摘は、思い当たる点もあった。

 高知医療センターの患者が転院する際、病院の救急車で運ぶことがあるが、これに医師が付き添うのだ。看護師で事足りるのだが、看護師に余裕がないから医師が乗るという。昼間の大事な時間に、遠い場合は往復五、六時間かかることもある。転送用の看護師さえ配置すれば済むのに、もったいない話だった。

 医療ソーシャルワーカー(MSW)も高知医療センターには三人しかいない(本年度から一人増)。患者の相談に乗り、退院が近づけば転院先も探す。それを高知医療センターでは、多くの科の医師が自ら行っている。これも大きな負担だ。近森には八人いる。

 そして院長は続けた。

 「なぜこれほどコメディカルが必要か、分かります? 救急はね、人を大量に投入する必要があるからなんですよ」

 近森病院は本県の救急病院の草分け。昭和三十九年、救急病院の法制化とともに県内で真っ先に認定を受け、県民の命を救ってきた。また、医療体制の充実度を調べる「日本医療機能評価機構」の認定も国内でいち早く受けるなど、取り組みは先進的だ。

 近森院長もまた、たたき上げの「ミスター救急」だけに思いが強い。

 「救急医療では、医者は夜中も呼び出されて手術もしないといけない。人手が倍以上要るわけです。ところが、今の高知医療センターの人員体制は高度医療専門型。がんや小児、周産期、移植などの専門医集団が一次と二次の救急をさせられているところに、脳外科の先生に代表されるような悲劇が起きているんです」

 では、近森はどうしているのか。

 「極端な話ね、うちは救急医は救急の仕事だけです。整形外科の医師は手術に徹する。循環器科は血管内治療に力を傾注する。そうすれば医師の専門性も高まるし質も上がりますよね」

 ただし、それが過度になると、一本の高く細い棒になって倒れかねない。その防止のために、周囲を質の高いコメディカルが支え、束になってレベルの高い医療を築いているのだという。

 「高知医療センターの先生方の超勤が二百時間だなんて。医者が何もかもやってたら燃え尽きますよ。医師は貴重な『医療資源』。大切にしないと。残業代で医師がもう一人、雇えます。このまま行くと、高知医療センターは人も経営も破たんしかねないんじゃないですかねえ」

 【写真】たたき上げの「高知のミスター救急」、近森病院の近森院長(高知市大川筋1丁目)

 
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