職員・議員の氏名“開示”命じる
職員・議員の氏名“開示”命じる 06/26 20:19

1996年に発覚した福岡県の公金不正支出問題の、いわゆる裏帳簿について、福岡県は職員の氏名などを黒塗りで情報開示していましたが、黒塗りは情報公開条例違反だとして、住民らが、これを取り消すよう求めていた裁判で、福岡地裁は県職員や県議会議員の氏名の開示を命じる判決を言い渡しました。

この裁判は、1996年に発覚した福岡県の不正公金支出を巡って、県が情報公開条例に基づいて部分開示した、いわゆる裏帳簿で、職員名などを個人情報として黒塗りにしたのは違法だとして、市民オンブズマン福岡が、非開示を取り消すよう求めていたものです。

裏帳簿は、197の部署で作られた預金通帳やメモ、飲食費の領収書などをまとめたもので、およそ58億円にのぼる公金が不正に支出された証拠です。

最高裁は、「裏帳簿も公文書である」として、開示を命じましたが、福岡県は懇談会などに出席した個人の名前を黒く塗りつぶした状態で開示していました。

きょうの裁判で福岡地裁は、「県職員などの公務員については、私事に関する情報が含まれる場合を除き、非開示情報には当たらず、条例違反である」として、懇談会や慶弔費、旅費などの支出に関する文書の県職員、県議会議員の氏名を公開するよう命じました。

また、公務員以外の民間人については、「法人またはそれに準ずる立場としての行為であれば、非開示とされる」としていて、最高裁判例を踏襲する形となりました。

原告は、市民の税金を不正に使った裏帳簿だからこそ、公務員の氏名を含む全てを公開する必要があると一貫して主張してきました。

きょうの判決については、当然の判断だとしています。