中国で「青淼(チンミャオ)」との表記とリンゴの図柄を組み合わせた商標が出願されていることについて、県は17日、リンゴ関係5団体と連名で同日までに中国商標局に異議を申し立てたことを明らかにした。県は表記が「青森」に酷似し「消費者の混乱を招く」と主張、中国商標法第10条の規定「公序良俗に反するもの」に該当するとしている。
県によると、出願したのは新疆(しんきょう)ウイグル自治区の個人果物業者。商標と組み合わされたリンゴの図柄には、「青淼」の中国語読み「Qing Miao(チン・ミャオ)」の頭文字「QM」と記されている。「淼」という字は中国でもほとんど使われず、「青淼」は造語とみられるという。
また商標は中国の商品分類で生鮮果物、植物、穀物、木材などを対象としており、申請日は2005年7月27日。中国当局が08年1月13日に公告した。
県が出願商標の監視を委託している特許法律事務所(東京都)から、3月11日に連絡が入った。
「青淼」が商標登録された場合、「青森」が類似商標とされ、中国へ輸出する県産リンゴに使用できなくなる恐れがあることに加え、中国産リンゴが県産リンゴと混同される可能性も出てくる。
このため県は、全農県本部、県りんご対策協議会、県りんご商業協同組合連合会、県りんご輸出協会、県りんご協会の5団体から同意を得て共同で異議申立書を提出した。
裁定まで4年以上を要するとみられるが、その間、出願者に商標権は発生しない。
県庁で記者会見した鳴海勇蔵県農林水産部長は「こういった非常に紛らわしい、想像もつかないような商標の出願があり誠に残念」と遺憾の意を表明、「中国当局には我々の主張を理解いただき、厳正な審査をお願いしたい」と語った。
県は今後、中国や台湾、香港における県内団体の商標出願を後押しする一方で、県独自で監視を続けることにしている。
【写真説明】リンゴの図形と青淼(チンミャオ)を組み合わせて出願された商標