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医師不足:町立山北診療所、続く医師の不在 再開要望も採算性の壁 /神奈川

 山北町谷ケの町立山北診療所で昨年4月から、医師不在の状態が続いている。原憲司副町長らは17日、東海大病院(伊勢原市)を訪ね、医師の派遣を依頼。原副町長は「住民の要望が高く、常駐が無理なら週2回の出張診療をお願いするなど、粘り強く医師不在を解消したい」と話すが、実現は難しそうだ。

 三保、清水地区のJR御殿場線谷峨駅に隣接する診療所が開設されたのは96年6月。それまでの約10年間は医師不在だったため、町が住宅併設で医療器具を備えた施設を建設し、独立採算で経営する「公設民営」方式を取り入れた。

 ところが、昨年3月末に診療所長の医師が辞職。翌4月に後任の医師が来ることになっていたが最終的に「家庭の都合」で断られてしまったという。

 診療所としての経営が成り立つには対象人口が3000人以上必要とされる。だが、両地区の人口は今年3月末現在で計約1800人。「後任の医師は地域医療をしたいという人だったが、採算性の問題で二の足を踏んだのかもしれない」と原副町長は漏らす。

 診療所の再開を巡っては、特に高齢者から「山北の中心部へのバスは少ないので、診療所に夜も医者がいてくれたら、何かあった時に安心」との声が強いという。しかし、原副町長は「東海大からの返事は『前向きに検討するので、5月の連休明けまで待ってほしい』というものだった。採算性を考えずに済むよう、議会とも協議しながら給料制も含めて検討しなければいけないかもしれない」と話している。【澤晴夫】

毎日新聞 2008年4月18日 地方版

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