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【石原都知事会見詳報】1 善光寺の聖火辞退「仏教徒として立派な姿」 (3/3ページ)
しかしね、遅きに失したけども、相変わらず無視が続くよりかは、良かったと思いますがね。やっぱり国内の問題だから、中国政府がどういう風に緩和して収縮、吸収していくのか、予測がつきませんな」
−−抗議活動自体が五輪とからめられているが
「こういうきっかけをとらえなかったら、チベットの問題は世界的な注目は浴びなかったんじゃないですか。そらね、こういう機会をあえてとらえてああいう運動を展開することの善しあしは別にして、しかし、やっと聖火リレーのおかげで、あの混乱のおかげでチベットの窮状がわかってきたわけでしょ。既存の事実として、鉄道が敷かれて、民族浄化かなんか知らんけど、とにかくチベット人そのものの血を希薄にするみたいな運動が実際に行われているわけだから」
−−抗議活動自体は致し方ない部分もある
「そう思いますね、私、チベット人の立場になってみれば」
「この問題、本当に誰も関心持たなかったね。アメリカ人なら俳優のリチャード・ギアだけでね。あの人も仏教徒だそうだけども。それに関心なしにね、宗教こえてもね、一つの独自の文化、長い伝統を持った文化、民族ってのが大きな政治の力でね、混交して淘汰(とうた)されていくってのは、本当に私にとってみたら、見るにしのびない話と思いますね」
−−チベット問題をめぐり、善光寺は同じ仏教者として聖火リレーのために施設を提供できないと判断したが、それについて
「そりゃ、善光寺さんとしては立派な姿勢ではないでしょうかね。つまり、仏教徒というある精神的なアイデンティティーを踏まえてですね、チベットに対する同情というか。しかもやっぱりそれは、一種の聖域ですからね。紛糾で壊されたりしたら困るでしょう。そんなものはむしろ、2次的な問題でね、一つの本山である善光寺が同じ仏教徒に対する哀れみというか共感というか、一種のプロテスト(抗議)としてこれを拒否したというのは、むべなるかなと私は感じますけれども」