キャンベラ――今夏の北京五輪の聖火リレーを4月24日に首都キャンベラで予定する実行組織委員会は18日までに、中国が走行中の妨害工作を阻止するため派遣している警備員が抗議活動の参加者に「手を掛けた」場合、逮捕する事態も有り得るとの考えを示した。AP通信が報じた。
リレーの警備は、主権の問題から、あくまで豪州当局が全面的に仕切るとの判断に基づく。ラッド同国首相も先の訪中で、リレーでの中国人警備員の伴走を認めないとの考えを示している。温家宝首相との会談後の会見で表明していた。
首相は「彼らはリレーの間、バスで移動しなければならない」と述べ、リレーのための安全対策はすべて豪州治安当局が講じると強調していた。豪州の司法当局者も中国人警備員がリレーで担う役割は、「聖火が消えた時、再点火することだけ」と強調している。
国際聖火リレーではロンドン、パリでチベット自治区での暴動、武力鎮圧や人権侵害などを背景にした妨害行動が起きているが、中国警備員の粗暴な行動への批判も出ている。中国の国営メディアはこれら警備員は人民武装警察部隊から選ばれていると伝えているが、同国政府は否定している。