北米局長「合意反せず」/米少年連れ帰り
【東京】外務省の西宮伸一北米局長は十八日の衆院外務委員会で、北谷町内の衣料品店で万引したとして店員に取り押さえられた在沖米海兵隊員の息子二人を、県警より先に現場に到着した米憲兵隊が拘束し、基地内に連れ帰った問題について、日米合同委員会合意に反しないとの見解を示した。照屋寛徳氏(社民)への答弁。
西宮局長は「米側は(身柄は連行したが)逮捕していないし、逮捕したという認識もないので、これは共同逮捕の問題ではない」と説明。米軍関係被疑者の逮捕権が日米で競合する場合、米側の逮捕を原則とし、被疑者の身柄は最寄りの警察署に連行されると規定した同合意との関係で問題にならないとの考えを示したものだ。ただ外務省は、米軍が基地外で憲兵を使用する際には「日本国の当局と連絡して使用される」と規定する日米地位協定との関係で、今回の行動には「問題があり得る」との立場で、十八日までに在日米国大使館に遺憾の意を伝え、関連取り決めの順守を求めた。
「合意に反する」
知事は米軍を批判
仲井真弘多知事は十八日午前の定例会見で、万引で店員に捕まった米兵の息子二人を、米憲兵隊が基地内に連れ帰った問題について「日米合同委員会の合意事項に反していると思う。家族の犯罪についてきちっと日本側の警察で身柄を拘束し、取り調べする合意になっている」と述べ、米軍の対応を批判した。
今後の対応には「外務省でも検討しており、その結果を待ちたい」と述べた。
沖縄市で憲兵がタクシー強盗に関与したとして書類送検されたことについては「どうしてこういうことが起こっているのか。腰を据えて再発防止策を考える必要がある。県の対応もさらにきつく、米側も家族に対して徹底した教育訓練が必要ではないか」と綱紀粛正の徹底を求めた。