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オグシオの素顔 <上>小椋の帰郷楽しむこと思い出せた「ただいま」。2006年夏のある日。小椋久美子(24)が、前触れもなく三重の実家に帰ってきた。高校から大阪で寮生活する娘の突然の帰郷に、父浩吉さん(51)、母光江さん(48)は驚いた。 その1か月前、東京での世界国別対抗戦ユーバー杯。潮田玲子(24)とのペア、オグシオを見ようと1万人を超す観客が詰めかけた。だが、期待された二人の敗戦が響き、日本代表は8強に終わる。責任を感じた小椋は思い詰めた。コートに立つとめまいを起こし、ラケットを握れなくなった。 「人の思いに愚直に応えようとする。不器用なんです」と母は言う。競技への姿勢はストイックそのもので、母に「練習で手を抜いている人がいた。相手に失礼や」とこぼすことがある。だから、常に全身全霊で競技と向き合う。痛みがあっても全力で練習するから故障も多く、「小椋の大丈夫は、大丈夫じゃない」と語るチーム関係者もいる。 幼いころから年下の面倒を見るのが好きで、保母になりたかった小椋。姉や兄をまねて競技を始めたのは小学校の時だ。弟を含めきょうだい4人、放課後に自転車で近くの体育館へ通った。「4人で夕方に出て行って、夜に笑いながら帰ってくる。楽しそうだった」と父。きょうだいの絆(きずな)を深めたバドミントンは、競技を超えた存在だった。 ユーバー杯の後、実家に帰った小椋は自転車に乗り、かつて通った道を一人たどった。大阪へ戻ったのは1週間後だった。「私たちが盛り上げる」と責任を背負い込んでいた小椋は、潮田と話し合った。「これからは、自分たちが楽しむためにやろう」と決めた。 より大きな期待を背負ういま、小椋は大勢の報道陣に囲まれても、肩の力を抜いて、笑って言う。「あの時は重圧に負けちゃった。だから、今は注目されることも楽しみたい」 (佐藤謙治)
バドミントン女子ダブルスで北京五輪出場を決め、メダル獲得を目指す「オグシオ」。スポーツの枠を超えて人気を集めるペアの素顔に迫る。 (2008年4月15日 読売新聞)
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