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橋下府知事 涙の訴えも“総スカン”

 大阪府の橋下徹知事(38)は17日、大阪市の府庁別館で、財政再建を柱としたPT(プロジェクトチーム)試案を市町村長に説明した。しかし反発が相次ぎ、知事が落涙しながら理解を訴える場面もあった。また同日、移転が検討されている上方演芸資料館(ワッハ上方)の存続を求め、作家の藤本義一氏(75)らが府庁を訪問。知事が「議論しましょう」と言いながらも直接対応しなかった“言行不一致”ぶりを非難するなど、各所で「橋下改革」に不満が噴出した。

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 スピードと大胆さが目を引く「橋下改革」だが、各方面の反発は避けようがなかった。

 2008年度で1100億円規模の財政再建を柱としたPT試案を示し、市町村への補助金を大幅減額することに理解を求めたが、ほぼ“総スカン”の状態だった。

 大阪市の平松邦夫市長(59)は「まず削減ありきで、市民に負担増を強いている」と反論。摂津市の森山一正市長(63)には「白紙に戻せ」と迫られた。橋下知事は紅潮した顔で、言葉に詰まりながら「皆さん方で一度、一緒に考えてもらって…、ぜひ大阪を立ち直らせたいと思いますので、ご協力のほどお願いします」と涙ながらに訴えた。

 それでも、池田市の倉田薫市長は「泣きたいのはこちらも一緒」と冷静。さらに他の出席者からは「かなりの役者と思うよ」という声もあがり、せっかくの涙も橋下流パフォーマンスという見方が大勢だった。

 また、20000通以上に上るワッハ上方存続希望の署名を携え、府庁を訪問した藤本氏は、提出時に知事が公務中で不在だったことに対し、その後に開いた会見で「出てくるべきでしょうね。逃げたと言われても仕方がない」と厳しく非難。「普段から『どんどん議論しましょう』というのに、肝心なところで出てこないのでは、矛盾している」、「大阪の文化も分かってない」とメッタ斬りだった。

 ワッハ上方の伊東雄三館長も「移転となれば、資料を預けて下さっている方々にも説明しなければいけない。その辺の責任も知事は考えているのか」と苦い表情を浮かべた。今後も移転および縮小案が出ている施設からの抗議や反発が相次ぐことが予想され、知事の手腕に注目が集まる。

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