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老朽化で 本社工場建て替え着手 パロマ工業

品質教育も拡充へ

 パロマ工業が、名古屋市瑞穂区の本社工場の建て替えに着手した。パロマ製ガス給湯器による一酸化炭素(CO)中毒事故が2006年夏に発覚した影響で、建て替えは棚上げとなっていた。だが、工場の老朽化は深刻で、生産性の向上を確保するために建て替えは不可欠と判断した。事故の反省から、製品の機能や品質に関する教育を行うスペースも拡充する方針だ。


本社工場の完成予想図

 新たに建設する工場は、延べ床面積6680平方メートルの計画で、総工費は約8億円。窓を広くとるなどし、労働環境の改善も目指す。

 本社工場は、本社ビルの筋向かいにあり、約8000平方メートルの敷地に3〜4階建ての工場が3棟がある。従業員は約170人で、主に揚げ物器などの業務用機器の製造と、家庭用と業務用のコンロなどあらゆるガス機器の新機種の試作などを行っている。パロマグループが国内で稼働させている9工場のうち、基幹的な役割を果たしている。

 だが、完成から約40年が経過して老朽化が進み、耐震性にも不安が生じた。3棟のうち「比較的新しい」(同社)4階建ての1棟は残すが、残りの3階建て2棟は4月に入って、取り壊しに着手した。取り壊し後、7月から2階建ての新工場の建設にとりかかる。


4月初旬から取り壊しに着手したパロマ工業の本社工場

 旧工場の2棟を合体させる新工場は、1フロアの面積が旧工場よりも広くなるため、生産効率を25%向上できるという。また、新工場が稼働した後は、本社ビルにいる開発部門のスタッフと連携も強め、試作製品の完成度を高める考えだ。

 CO中毒事故の発覚後、パロマの国内販売・生産実績は、金額、台数ベースともに、約3割低下した。最近は事故発覚前の水準に戻りつつある。新工場の建設には、職場環境を改善することで販売を攻勢に転じるきっかけにする狙いもある。

 ただ、ガス機器は、製品の複雑・高度化が急速に進んでいる。このため、部品の外注比率を高めるなど、生産工程の効率化に向けた工夫を、国内の全工場でも検討する方針だ。

2008年4月17日  読売新聞)
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