医師・看護師不足による多忙などを理由に、県内の医療機関で働く看護師や事務員の5割が「職場を辞めたい」と考えていることが、県医療労働組合連合会(県医労連、寺田泉委員長)が組合員に実施したアンケートで明らかになった。県医労連は医師・看護師増員や待遇改善に向け、国への働き掛け強化などを求める要請書を県に提出した。
アンケートは、県内の医療従事者らでつくる県医労連が昨秋から今年にかけ、県内12病院5診療所に勤める看護師など約2300人に対し実施。742人から回答を得た。
職場を辞めたいと思うかとの問いに、18.6%が「いつも思う」、31.2%が「時々思う」で計約5割に達した。また、32.3%も「たまに思う」と回答。「ほとんどない」「全くない」は合わせて2割以下だった。
複数回答で聞いた看護師の退職率が高い理由では、「仕事全般が忙しすぎる」が80.3%、「時間外の半強制的な院内研究が多い」が65%と続いた。「賃金・手当が低い」「休暇が少ない」も5割を超えた。事務職や検査技師、調理師らでも「賃金・手当が低い」「仕事全般が忙しすぎる」が上位だった。
県医労連の岩井吉博書記次長は「辞めたいと思う最大の要因は、慢性的な医師・看護師不足にある。このままでは長寿・高齢社会に対応できず、医療の崩壊が進む」として、行政や医療機関に環境改善を求めている。
=2008/04/18付 西日本新聞朝刊=