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愛媛県、医師確保に総額1000万円の奨学金検討
全国の公立病院で深刻化している医師不足の解消のため、愛媛県は愛媛大医学部(東温市)の平成21年度以降の入学生に総額1人約1000万円の新奨学金制度を創設する方向で検討している。卒業後、県の指定する病院に勤務することが条件で、一定期間勤めれば返還を免除する方針。深刻な財政難のなか、県は「地域のために働いてくれる医学生を育てたい」としている。
在学中の6年間に必要な入学金や授業料、生活費などを貸与する新制度で、現行の「へき地医療医師確保奨学金」より大幅に多い1000万円程度になる見込みという。
18年度から導入した現行の奨学金制度は、3年次以降の4年間に月額10万円、その後の初期臨床研修期間の2年間は月額4万円、総額576万円を貸与。だが対象者は年に2人と少なく、制度の拡充が求められていた。
国が医学部をもつ大学を対象に都道府県あたり各5人の定員増を打ち出したのに合わせた措置。21年度から愛媛大医学部の入学定員も5人増の95人となる見通しで、県内の高校出身者の推薦入学枠「地域特別枠」の定員を5人から10人に増やし、その入学生に対して新奨学金を適用する。
卒業後、県が指定する医療機関に研修期間も含めて9年間勤務すれば、返還を全額免除。現行制度は新制度に移行するかたちで廃止することも検討している。ただ、今年度は現行制度への申し込みが1人しかなく、今月30日まで追加募集(1人)している。問い合わせは県医療対策課((電)089・912・2449)。