2008年4月17日 18時50分更新
津山市のグループホームに入所している高齢者の体重が大幅に減っていることがわかり、津山市は施設が適切な処置を怠った虐待にあたるとして、今月末で介護施設としてのこの事業所の指定を取り消す処分をしました。
厚生労働省によりますと、高齢者への虐待で介護施設の指定を取り消すのは全国で初めてということです。
処分を受けたのは、津山市のNPO法人「高齢者介護研究研修実践の会Ring」が運営するグループホームです。
津山市によりますと、このグループホームでは、ことし3月の時点で認知症の高齢者の女性5人が共同生活を送っていましたが、最も多い人で体重が1年4か月の間に45キロから28キロに減るなどいずれも体重が数キロから10数キロも減少したということです。
このうち3人は低栄養状態かそれに近い状態と医師に診断されたということで、津山市では、施設側がこうした実態を把握しながら放置し、十分な処置を怠った虐待にあたるとして17日、この施設の介護施設としての事業所の指定を今月末で取り消す処分をしました。
現在、入所している3人のうち、2人は受け入れ先が決まっているということです。
厚生労働省などによりますと、高齢者への虐待で介護施設の指定を取り消すのは全国で初めてということです。
施設を運営するNPO法人の藤井諭理事長は「食事を与えていないなど虐待の事実は全くなく、市の根拠に具体的に反論して処分の取り消しを求めていきたい」と話しています。