旅先で朝市を見掛けると心が弾んでくる。新鮮な旬の野菜や魚介類、特産品などを品定めする楽しさや、売り手と買い手の掛け合いが旅の情趣を高めてくれる。
岡山県内に点在する朝市が連携し、観光客を呼び込めるよう「岡山の朝市」を売り出す試みが動きだした。岡山市の備前岡山京橋朝市、津山市の作州津山宮川朝市など六つの朝市で結成した「岡山の朝市ネットワーク協議会」である。
朝市といえば、石川県の輪島や岐阜県の高山などが有名だ。伝統にはぐくまれ、観光資源としての存在感を誇る。岡山県内でも地域活性化策として朝市は盛んだが、歴史が浅く開催日も少ないため県外への知名度はいまひとつだ。
協議会では全国への情報発信に力を入れるほか、相互出店による盛り上げなどに取り組む。五月四日の京橋朝市では、初めて岡山市内のホテルなどにバスを回して観光客を誘致するとともに特典も検討中という。
数ある全国の朝市の中で、注目を集めるのは容易なことではない。関係者は「多彩な品ぞろえや楽しい企画など岡山ならではの売りを考えたい」とし、参加する朝市を増やしていく。
県内各地の個性的で多様な朝市の魅力を生かして全国区への道を切り開いてほしい。観光客が「朝市があるから岡山へ」という日が待たれる。