Ryerson Showcase

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4月7日の月曜日、トロントのライアソン大学にて行われたRyerson Showcase: The Anne of Green Gables Centenaryに参加。

これは4年生の学生たちが企画運営を行った手作りシンポジウム。モンゴメリ研究で著名な先生方をはじめ、学生たちも講演をしたわけで、それはそれは幅広い角度から「赤毛のアン」を語ったわけです。

新鮮味がありおもしろかったのは、アンの性格や行動にはFetal Alcohol Spectrum Disorder (FASD/胎児性アルコール症候群)の特徴がみられることを発表したGuelph大学のDr. Helen Hoy. 

盲目的なアンのファンなら「それじゃあ、アンの母親バーサが妊娠中にアルコールを飲んでたってわけ〜?」「そんなの根拠ないでしょっ!」と激怒するだろうが、あくまでも「赤毛のアン」のテキストを分析して論を展開されたHoy教授。(ちなみに昔の薬にはアルコール度数の高いものがあり、妊婦が知らずに服用していた。)

なるほど、そういう読みも有り?とワクワクしてしまうのでありました。(以前、モンゴメリのレズビアン説やウォルターのゲイ説を説いた論文が話題になったものだ。)

落ち着きのなさ、多動、他人の話を聞けない、など一般に障害をもつお子さんにありがちな言動こそ、作品の中ではアンの特殊な魅力となって現れている。だからこそ、(凡庸な)ダイアナみたいな子はアンに憧れるのではないだろうか。Hoy教授のお話を伺って、アンのような子を受け入れる環境の大切さ、ひいては障害を持つと判断されたお子さんたちを受け止める社会の重要性を感じたのである。

それにしても規模は小さいながらも大変充実した内容の濃いシンポジウムであった。

今年6月のUPEIでのモンゴメリ学会に参加できないのは残念ではあるけれど、10月のGuelh大学のモンゴメリ学会には参加したいなあと思っている。

4 Comments »

  1. 吉祥 said,

    April 11, 2008 @ 1:14 pm

      「胎児性アルコール症候群」…今はいろいろな病気が解明されていますが昔は「落ち着きのない子」で一括りですね。
     息子も子供の頃は多動で落ち着きのない子でした。
    空想癖はありませんでしたが…。
    あったほうが面白かったかも??

     アンのイラストがかわいらしいです。

  2. yuka said,

    April 11, 2008 @ 6:46 pm

    吉祥さん

    落ち着きのない子って実は一般的ですよね。胎児性アルコール症候群をいろいろ調べていたら、そういう子の中には、愛情深く、フレンドリーで、芸術性に富み、動物や植物と相性がよく、忠実であり、意志がたいへん固く人生において成功する要素をもっている、ということです。

    未熟児で生まれたり、あごがとがっているのも特徴のひとつだそうで、アンにあてはまる点が結構あるんですよ〜。

    ご子息は今どんな本を読まれてますか。どんなジャンルがお好みなのでしょう。ファンタジーやSFかな。或はマンガやアニメかな。

  3. 吉祥 said,

    April 13, 2008 @ 9:20 am

     息子に聞いてみたところライトノベルズといって若者向けの読みやすい小説を読んでいるようです。
    ジャンルは恋愛物・ファンタジー・オカルトなど…。
    ちょっぴりエッチ要素もあるものも…。
     他には心理学に興味があってそちらの本も読んでいるようです。
    堅いのからフニャフニャのものまでバラエティーに富んでいます。

     最近はゲームをとくやっているようですが…(;´Д`)w

  4. yuka said,

    April 14, 2008 @ 7:39 am

    吉祥さん

    すごい!ご子息はいろんなジャンルの本を読まれているのですね。読書もお好きでゲームも、って頭の運動になっていいことです。日本には読みごたえあるマンガもありますよね。

    最近物忘れが激しくなってきた私、SUDOKUにはまってます。ちょっと頭も運動しなければ…

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