日本の黒幕さん
まかり通る-電力の鬼・松永安左エ門 価格:¥ 2,625(税込) 発売日:2003-07-04 |
昨今では、各地に古くからある小規模な火葬場が集められ、大規模化が図られています。しかしながら、国内の火葬場で行われた火葬件数と現状稼動している火葬炉数との関係から火葬場の充足率をみると、行政サービスとしての火葬の供給能力はいずれも不足しているか、足りていても余裕の無い、綱渡り状況にあることが判りました。葬祭・火葬船「そうまる」というんだが、
私たち日本財団では、このような葬斎場や火葬場の絶対数の不足を打破するため、現状の関係法令や技術条件等の実施環境を調査し、新しい船の種類として葬斎場・火葬場の機能を備えた「葬斎・火葬船」を提言すべく、火葬場や造船、海洋汚染等の有識者による委員会を組織し、調査研究に取り組みました。
総トン数2600トン、全長80メートルの船に4基の火葬炉を設置するらしい。ついでにそのまま海に骨撒いちまえば楽でいいんだが、そこまでは考えてないそうで、単に火葬場不足で新しい火葬場の用地が得られないのを補完するためのプロジェクトだそうなんだが、さて。
ここで、もうひとつ、ロシアなんだが船を使ったプロジェクトがあるわけだ。
ロシアが新たな資源外交として、原子力潜水艦技術を応用した船舶型の7万キロワット級の小型原子力プラントを開発したと。そしてそれを電力を必要としているが初期投資がかさむ為、普通には発電所を建設することの出来ないアフリカ諸国へ“レンタル”する計画らしい。どれくらいのサイズの船なのかは不明だが、旧ソ連の原潜というと、アルファ級なんてのがあって、コレが
水中で時速80km、魚雷を振り切るという物凄いシロモノで、水中の迎撃戦闘機と呼ばれていたらしい。で、このアルファ級潜水艦の大きさというのが、
全長81.4メートル、水上排水量2300トンというのでアレレ?と驚いたんだが、火葬船とほぼ同一サイズw まぁ、原子炉なんてモノは、もっと小さくても作れるわけで、昔は「飛行機に搭載しよう」というプランさえあったわけだ。原子炉積んだ飛行機だったら、飛びっぱなしで降りなくてもいい。コレに原爆積んで相手国の近くを24時間、365日パトロールさせるというのが冷戦時代に企画されたんだが、幸い、実現しなかった。
で、考えてみると、地上で嫌われる火葬場を船に作るというのは合理的なようで、どっか破綻しているわけだ。船というのは「母港」というのが必要で、火葬船の母港になりたがる自治体があるとも思えないので、それだけ考えてもどっかオカシイ。で、一方でロシアの船舶型原発というのがあるわけだ。コレ、資源外交の武器として使えるわけなんだが、
顧客に対してロシアはまず相手国に有利な契約を結ぶと思われる。だが、契約更新時に資源権益をめぐる要求を相手国が飲まない場合、船舶型原発をロシアへ戻すと宣言すればどうなるか。天然資源の輸出が波に乗るほど当該国は電力を欲する。この弱みにつけ込めば、ロシアは労せずしてアフリカの天然資源権益を手に入れられるというわけだ。こうして考えてみると、火葬船というのは世を忍ぶ仮の姿であって、実は小型原子炉を積んだ船舶型原発なのではないか、という気もしないではない。コレを何十隻も作って、上海とか香港とかバンコクとかシンガポールとか、まぁ、どこでもいいんだが、海外に「貸し出す」わけだ。相手国のエネルギーを握れるので、外交上、極めて有効だな。ロシアが考える程度の事が、日本に出来ないわけがないし、といって、船舶型原発の研究では予算がつかないし、左巻きの連中がアレコレ言うので厄介なので、火葬船とか言ってるんじゃなかろうか。
で、小型原発といえば、J-CIAに記事が出ている。
東京近郊に極秘小型原発設置の噂というんだが、無料の記事なので読んでみて下さい。で、小型原発というと、ひと頃どこから出たのか知らないが、家庭用原発のパンフレットというのがネットに出たわけだ。画像を探したんだが出て来ない。公表されているモノとしては、東芝がアラスカに設置しようとしている出力1万キロワットの超小型原発というのがある。これ、実はナイショの国策でやってる仕事なので、東芝が勝手にやっているわけじゃない。で、民主党参院議員のサイトなんだが、
服部禎男 電力中央研究所元副社長から「究極の安全性を備えた小型原子炉技術(4S炉技術)」について話をお聞きしました。で、サイトにも書いてあるんだが、日本では規制があって作れないのだそうで、なので、アラスカらしい。で、心配なのが安全性なんだが、
小型化のポイントは、「セラミクス(焼き物)ではなく金属燃料」を使うこと、これにより「冷却などの制御が不要になること」にあります。
制御がなくなることによりヒューマンエラーがなくなり安全性も増すというものです。
そして、30年間燃料交換が不要とのことです。
大きさも長さ2メートル・直径80センチ、出力は1万キロワット級です。
説明のとおりの安全性で、このサイズでできたらすごいですね。
放置すると大惨事になる大型原発と違って、放置すると安全な状態になるという原理だそうで、メンテナンスに不安のある後進国に向いているかも知れない。で、この小型原子炉を船に積んで、メンテナンス時期になったら船ごと入れ替えればいいじゃん、というわけなんだが。東京の「ミニクーパー専門の修理屋さん」という話を聞いた事があるんだが、エンジン降ろしてバラして直してまた積んで、その間、場所とられるのが採算に合わないので、予備のエンジンを用意しておいて、さっさと積み替えるのだそうで、コレで全行程7日間が2日間で済むわけだ。東京は場所代が高いのでそういう商売になるんだが、そんな発想だな。で、火葬船プロジェクトと、この超小型原発プロジェクトが合体すれば、ロシアの原発船と同じ発想が考えられる。つうか、日本財団と原発屋さんが裏で結託して火葬船に名を借りて研究してるんじゃないの? という気もしないでもないんだが、それはさておき。小型原子炉では温かい水が上に行き、冷たい水が下に行くという自然対流によって、自然冷却のみで炉心を冷やすことができます。これにより原子炉の機器の故障確立を従来の一万分の一から十万分の一に減少できると試算されています。人が手をつけずにほおっておいても勝手に安全な状態になることから「受動的安全性」と呼ばれます。
将来像のひとつとして、船で運べる原子炉が提案されています。この場合、定期検査のときは原子炉を工場に運び入れればよく、整備のための重機や人の輸送を必要としません。、その間は代車ならぬ代炉と交換するだけという原子炉のリース販売ができるというものです。
電力中央研究所というのがまた、アヤシイわけだ。なんせ、「総勢は約800名、その内の約700名が研究員、博士は約350名であり、残りの殆どの研究員も修士の学位を有している」という日本一のシンクタンクであり、Wikipediaによれば
戦後、高度成長期には、電源の火主水従化、火力発電用燃料の油主炭従化、火力発電における原油生焚き、原子力発電の商業化、佐久間周波数変換所の設置など、電気事業の根幹にかかわる重要事項について、独自の研究成果に基づきシンクタンクとして提言した。オイルショックから現在に至る間には、電源のベストミックスの概念、火力発電用燃料の海外炭の導入による石炭回帰、エコキュートの開発を基にしたオール電化による二酸化炭素排出削減などを提言している。コレを作ったマツナガという爺さんは物凄く偉い人で、どれくらい偉いのかというと、総理大臣より偉かったという。
電力中央研究所は松永安左エ門のブレインとして、電気事業の枠を超えて、脱税無き税制の整備、北海道の開発、東名高速道路・名神高速道路・東京湾アクアライン等の高速道路網の整備、日本国有鉄道の根本的整備(複線化)・国鉄分割民営化(現在のJR体制)・国鉄バスの兼業、多目的ダムによる水問題の解決、東京湾の大規模埋立て、減価償却制度の改善、日本専売公社の分割民営化、海運業の再構築、東京湾横断堤の建設、成田国際空港の開設、本州四国連絡橋の建設、新交通システム(東京モノレール)の建設などを提言し、その多くが現実となった。その結果、松永安左エ門は、主賓として内閣総理大臣より先に祝辞を述べるなど、日本の政財界に大きな影響力を持つに至った。凄いね。日本の黒幕そのものなんだが、この人、戦前は軍部とケンカして引退し、小田原でお茶点ててたわけだ。小田原三茶人の一人と呼ばれている。それが、戦後になって復活し、日本の高度成長を技術面で支えるシンクタンクを設立した。電力業界というのは、とてつもなくカネを持っているので、これだけの所帯を支えられるわけだな。つうか、いわゆる「日本の黒幕」というイメージは、この人がモデルになっているようだな。で、超小型原発というと東芝の名前がよく出てくるんだが、東芝が単独でそんな大それた研究を出来るわけがないんで、日本原子力研究所から資金が出て、電力中央研究所で開発やっているという話もあったりするわけだ。で、東京のど真ん中のオフィスビル地下に設置するとかしたとかで、日本は原発アレルギーが強いので、ナイショなんだが着実に次世代エネルギーへの対応は進んでいるようだ。
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