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小児科を守れ/6 つながる思い

 

 ◇ついに市を動かした

 兵庫県立柏原(かいばら)病院小児科に夜間・休日に訪れる患者は、月平均で04年度145人、05年度129人に上り、和久祥三(わくしょうぞう)(41)は「医師2人ではもたない」と判断。06年度、広域での輪番体制を始め、当番病院を増やした。その結果、月平均の患者は78人に減少した。

 さらに「県立柏原病院の小児科を守る会」が「コンビニ受診を控えよう」と呼びかけた07年度は34人にまで減った。「守る会の成果だと思う」。和久は言い切る。

 同病院に医師を派遣してきた神戸大学の大学院教授、松尾雅文(小児科)は「守る会の活動は革命的だ」と評する。「『コンビニ受診』という言葉は以前から言われてきたが、医師側からは発信しにくかった。丹波市は今、日本で最も小児科医が働きやすい地域だ」

 神戸大の小児科医の間で「応援に行きたい」との機運が生まれた。一方、丹波市も小児科医の人件費を負担する緊急事業(1500万円)をスタート。この結果、10月から、毎週土曜日の夜間当直と、専門外来の医師3人(月1回ずつ)の派遣が決まった。県立病院の人件費を市が負担するという、全国で極めてまれなケース。市の担当者も「守る会が市を動かした」と言う。

 守る会は1月、ホームページを開設した。4日後、自宅を会の「事務局」としている岩崎文香(34)は目を疑った。舛添要一厚生労働相からメールが届いていた。「これこそが地域医療の崩壊を食い止める住民からの大きな運動だと尊敬申し上げます」とあった。(敬称略)=つづく

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毎日新聞 2008年4月16日 大阪朝刊

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