福岡市の連続女性殺傷事件、逮捕された男は、きょう、送検される際、不敵な笑みを浮かべました。

男は調べに対し、「金目当てでやった」などと供述していますが、被害者を執拗に刺し、金も奪っていないなど不自然な点があることから、警察は簡易精神鑑定を行う方針を固めました。

きょう午前、福岡地検に身柄を送られた野地卓容疑者。

警察署を出る車の中で、詰めかけた報道陣のカメラに不敵な笑みを見せました。

今月14日、アパートで一人暮らしの田中久子さんを果物ナイフで刺して、殺害したとして逮捕され、先月25日に女性会社員が刺され重傷を負った事件についても犯行を認めています。

野地容疑者は、「金目当てにやった」などと供述していますが、いずれの事件でも被害者を執拗に何度も刺し、金を奪わずに逃走しています。

また、住んでいたアパートで深夜に叫び声をあげるなどしていることから、警察は捜査段階での簡易精神鑑定を行う方針を固めました。

ただ、警察は、これまでの取調べに対する受け答えから、「責任能力は十分にある」と判断しています。

また、これまでの調べで先月下旬、刺されて重傷を負った女性会社員が、犯人について、「自転車を停めて前から近づいてきた」と話していることが新たにわかりました。

警察は、野地容疑者がこの事件でも、自転車で狙いやすい場所や相手を物色して回り、犯行に及んだとみて捜査を進めています。