おしえて657 投稿者 くろぅさん | |
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乱気流さん 卍(まんじ=万字)は、仏書に用いられる万の字で、仏・菩薩の胸・手・足等に現れた吉祥万徳(幸福と功徳)を示すとされ、日本では仏教や寺院の標識・記号に用いますが、元は中国の仏典訳者が万の字の代わりに用いたことに由来します。 一説には字形卍(左旋回の左万字)は誤りで右旋回の右万字が正しいとも言われ、ヒンドゥー教等では両方に異なった意義付けを与えていますが、中国や日本ではその区別はなく、現今の日本ではもっぱら左万字卍が用いられています。 万字の歴史は古く、前三千年紀古代文明の栄えた各地域で出土例があるようで、太陽が光を放つ状態を象形化したのが起源であるとされるようですが、運動のシンボルでもあったようです。他にアショーカ王碑文中の吉祥の意の(svasti)という文字を図案化したものが起源とする説など異説も多く一定しないようです。 ヒンドゥー教では、ビシュヌ神の胸の旋毛を象徴するものとされ、仏教では釈迦の胸や足裏にある瑞相とされ、ジャイナ教でも吉祥の印として用いられています。 初期には回転の方向による明確な意味付けはなかったようですが、「太陽・天体の運行である右回りに同調。インドにおいて樹霊が宿る菩提樹を中心に右回りしながら男児の誕生を祈る。仏教発祥以後聖地を右回りに拝するのが良いとされた。」等の理由によって右万字が正常で聖なるもの、左万字は逆に死を表すものとして区別されることもあるようです。 普通の熟語では、入り乱れる様を表す「卍巴(まんじともえ)」と、他では明らかに漢籍とは言えませんがプロレス技の「卍固め」が有ります。卍は仏書で万の字の代わり並びに標識・記号として受け継がれて残ったと考えられますが、国字を除き日本で漢字と言う場合には、18世紀初頭の中国・清の康煕帝の命令によって編集され約4万7千語が収録された漢字字典「康煕字典」を規範して漢語・漢和辞典等が編纂されるのが一般的ですから、収録されていれば漢字って事にはなるようです。 卍の書き順(筆順)の一例としては、 0━1 6 ┃ ┃ 1画目(0→1)、2画目(2→3)、3画目(1→4)、 2━╋━3 4画目(2→5)、5画目(6→3)、6画目(4→7)、 ┃ ┃ <漢和中辞典・旺文社>が有りますが、 5 4 ━7 書き順に基準・規則性はあってもルールは有りません。 情報源:『世界大百科事典(平凡社)』 のんきさん 卍は、文字ではなく、ボン教のシンボルマークです。ですから、熟語は存在しません。 中華人民共和国、チベット(西蔵)自治区の西のはて、自治区の首都であるラサ(拉薩)から1,200 km西方、中国・インド・ネパールの国境が入りくんだところにある聖山カイラスには、チベット仏教徒、ボン教、ヒンドゥー教徒の3教徒が東西南北、ありとあらゆる地域から集まります。ボン教とは、仏教が伝わる(7〜8世紀ごろ)以前からチベットにあった民間信仰の集大成のようなもので、日本の神道のようなものだとよく言われています。 シンボルマーク(ユンドウン)は、仏教が「右まんじ()」、ボン教は「左まんじ(卍)」です。 【日本大学豊山中学校高等学校HPより、チベット仏教の聖地カイラス探訪記】 http://www.buzan.hs.nihon-u.ac.jp/kyoinshitsu/kokaikoza/2kai/akaogi/akaogi.htm 卍を用いた古代の書物には、室町時代の『湯山聯句抄』に、「聚-散蚊-胸ノ卍」という詩句があり、これには「蚊ノ胸ニハ、卍字ガ有ト云ソ。ソレハ如々居士カ録ニ有ソ。聚散トハ、蚊ハ一処ヘヨツ、又チリツスルモノソ。」とあります。「蚊胸の卍」とは、蚊をとらえてじっくりと観察した眼です。禪籍密参『快庵的伝大中寺禅室内秘書』に、「○嶺云、兼中円ニ手ヲ入レテ見サシ、挙ス、在ルトキ独(ヒトリ)トコス。心ワ、独(ドク)ガ円ダ。空ハ卍ノ字ナリトキ、独(ドク)ダ程ニ、末后ノコトデヲリヤル。」と用いられています。 【駒澤大学・駒澤短期大学国文学科 情報言語学研究室のホームページより、言葉の溜め池】http://user.komazawa.com/hagi/ko_tame23.html 学研『国語大辞典』によれば、 (1)〔仏教〕仏の胸・手足・頭髪などに表れた瑞相(ズイソウ)。仏心のしるしとして用い、また、寺院や仏教の記号・紋章としても使われる。 (2)卍をかたどった模様・紋章。《参考》「万」を意味する記号で、字形はインドのビシュヌ神の胸のつむじ毛に由来する。と示される。これをもっと判り易く示せば、現在「卍」は、地図標示に宗派を問わず「仏教寺院」のマークとして見受けられるものであり、漢字の文字がマーク化することは実に異例である、とあります。 また、お寺のマークに使われる卍は中国では子孫万代を意味しヒョウタンのつるからデザイン化されたものである、とする方もいらっしゃいます。 【石山中学校花だより】http://www.otsu-edunet.ed.jp/~isiyam1j/syokai/hanadayori/hana4.htm シンボルマークである卍がこんにちまで残っているのは、現在に至るまで仏教が廃れていないこと・・・かな。 最後に、卍の書き順は、ムービーでご覧ください。 http://www.brise.org/gahoh/movie/jouyougai/gai_06kaku/ban5244.mov 浜ちゃん 卍巴 (まんじどもえ) 手足が複雑に絡まって組み付いている様を表す。混戦の状況を表す場合などにも使われる。 卍手裏剣 (まんじしゅりけん) 卍の字の形に似た横鉤が先端についた手裏剣ぐらいは熟語が頭に浮かびます。 らいこうさん 「まんじ」は、「マン」「バン」とも読むそうです。熟語として、「入り交わる様」を卍巴(マンジドモエ)と言うらしいです。他は知りません。 (以上、角川書店「新字源」より) 卍という文字は、仏教絡みの文字なんですが、基本的に「気の流れをいい方向に向かって回していく」という意味合いを持っています。ドイツ第3帝国のハーケンクロイツ(鍵十字)は卍の逆になっていますが、これはヒトラーの意図的な魔術記号です。 なお、書き順は左上から順に書きます。 そくらちゃん まんじは4画の漢字です。 書き順は上から下への自然体でOKではないでしょうか。 それから、まんじの意味は、仏教用語(梵語=ぼんご、と言います)で「万=よろず、すべて」です。まんじまんじ、すべてだべ、とでも。菩薩の胸に宿る紋章とでも。 熟語としては、「卍巴=まんじともえ と雪が降る」という表現があるそうで、上から下から左横から右横から、視界を遮るほど雪が降りしきる情景を表しているそうです。 梵語については、今も残っておりますし、手を不可思議な形に握って「アビラウンケンソワカ」と唱えるああしたもののひとつ(金剛密教などがはやらせたものではなかったか、と記憶します)と思ってください。 そうです、信じるものは、火の中だって涼しいのですよ。 プリケルマさん 漢字に詳しくないのですが、疑問を見て、「えっ! 卍 って漢字なの」と思って漢和辞典を引いてみました。(小学館の新選漢和辞典) 卍 の意味は (1)仏教関係で 「万」の字の代用文字 (2)雪などが縦横に入り乱れるさま となっています。 読み方は (1)ばん (2)まん (3)まんじ 熟語等は (1)卍巴(まんじともえ) (2)卍山下(まんざんか) 部首は 十 で4画です。 書き順は出ていません。 図書館などに有る漢和大辞典(A4版以上で二十数巻?)ならもっと詳しくでているはずです。 Tsuneさん 卍は、卍字とも書き、中国で仏書に「万」の字の代わりとして用いたことから、「万 の字」の意です。 用例は、 (1)(もとインドで、ビシュヌ神などの胸の旋毛を意味し吉祥の印という)仏の胸や 手足に表れた吉祥の相。(左まんじ)と(右まんじ)があるが、日本では左まんじが 用いられる。 (2)日本で、仏教や寺院を表す記号。 (3)(1)のような形。また、入り組んでいること。 (4)文様・家紋の一。(1) をかたどったもの。 参考文献:大辞林 ということで、熟語が作られない理由なのかもしれませんね。 また、現在までも残っているのは、寺院を表す「地図記号」として現在も利用され ているからであると思います。 書き順は、十を書いて、上の横、下の横、上の縦、下の縦の順です。 参考URL:曉に死すhttp://www.akatsukinishisu.net/log/19990420.html matsumotoさん 「卍」は漢字というよりも、「万」を表す梵字(サンスクリット文字)、あるいは仏教における吉祥の印です。したがっていわゆる熟語というのは存在しないと思います。 筆順についてはテキストでは説明しにくいので下記URLを開いて、「卍」の文字をクリックしてみてください。 「漢字・用語 漢字筆順字典」http://www.inv.co.jp/~yoshio/DW/Hitsujun/Hitsujun.htm 超な兄貴さん 宮下あきら原作「魁!男塾」では「卍丸」というキャラクターがいます。 |
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くろぅさんからの感想メールです。 今回の正答は甲乙つけがたいです。すべての正答に光るものがあります。 卍をバンと読む(発音する)ということは、真言・天台宗などで書かれる般若心経の最初のサンスクリット語・・たいてい大きく1文字が書かれていてバンと発音します・・はこの卍を意味していたのでしょうか。 そくらちゃんの「アビラウンケンソワカ」ですが、記憶違いじゃなければ子供の疳の虫切りにも使うマントラだったと思います。実際行うと細い繊維のようなものが出てくるのですが・・・。さすがにこの世界のものは疑問投稿には向かないかも。 |
漢字というのも生きているということなのでしょうか?何しろあの卍という文字?をみてると何か幻想的な気分にさせられますから、漢字と言うよりも象徴としてこれからも残っていくような気がします。 | |
正答者の方々です。本当にありがとうございました。 | |
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