いざ日本海の“秘島”へ
いざ日本海の“秘島”へ 04/17 19:27

きょうは久しぶりに離島の春をお届けします。

きょうは山口県萩市沖の見島。

九州では馴染みが薄いかもしれませんが、子供たちに案内されて島をめぐってみましょう。

萩市の沖合い45キロの日本海に浮かぶ見島。

見島のシンボルがこの見島牛です。

「和牛の原型」と言われる見島牛は、国の天然記念物に指定されています。

足や蹄が短く、力が強い見島牛はかつて、農耕用として島外にも売られていました。

しかし、島の中だけで、交配を繰り返した結果、次第に生殖能力が低下し、現在は、保存会などの手によって、80頭が飼育されるだけに減っています。

港を撮影していると、島の子供たちが寄ってきました。

大ちゃん、マーくん、展空ちゃんの仲良し3人組です。

取材に来たことを告げると、島の案内図を持ってきてくれました。

大ちゃんが言うように、人口1,000人あまりの見島は、ほとんどの人たちが沿岸漁業と農業で生計を立てています。

島では、時がゆっくりと流れていきます。

さて、大ちゃんおすすめのスポットに到着しました。

ここは「ジーコンボ古墳群」という国指定の史跡です。

奈良時代から平安時代にかけてのおよそ180基の古墳が並んでいます。

「ジーコンボ」とは、台湾語で共同墓地を意味する「地公墓」か、おじいさんのことを「ジーコー」と呼ぶ名残から来ているのではないかと言われています。

大ちゃんたちと別れると、島のあちらこちらに立つ何やら、不思議な石の像に気づきました。

しかし、単なるきのこ型の石でもなさそうです。

このナバ石は、原始宗教の遺物とみられていて、いつしか人々は小石を上に乗せて、子宝を祈るようになりました。

島の北部、海にせせり出た断崖にある宇津観音寺。

丁寧に積み上げられた仏石は、島で亡くなったひとりひとりの霊を弔っています。

参道に並ぶ木製の鳥居は、島民らが代々寄進したもので、まるで鳥居のトンネルのようです。

観音さまの近く、赤褐色の溶岩崖の上にあるのは、見島八十八ヶ所巡りの札所です。

見ているだけでも厳かな気分になる穴場かもしれません。

周囲わずか17キロという小さな見島ですが、島を愛する島民たちによって、あふれる歴史情緒と豊かな自然が守られています。