Diary



もともとは研究用ソフトウェアの開発履歴に関するページだったのですが、開発関連よりも雑談の方が多くなったので、2001年分から別のページを用意することにしました(過去のページ一覧はこちら)。リンクは勝手にしてください(でもリンクしたい人なんているのでしょうか)。それから海外出張の写真一覧はこちらにのせてあります。筆者のプロフィール

2008年4月16日

昨夜は貫徹状態。午前中の用事は10時からの会議だけでしたが、早朝6時に出勤。さて続いてしまっていますが、Cloud Computingの続きです。Cloud Computingが普及した場合、要求される人材もかわってきますよね。例えばOSですが、Cloud Computingのインフラ側はスケラビリティを重視したOSが使われるでしょうが、クライアント側、つまりユーザはダム端末のようなコンピュータを使うわけですから、ネットワークにつながって、Webブラウザが動けばいいので、たいしたOSはいらなくなります。そうなるとユーザやプログラマーはOSの知識は不要になるでしょう。また、ネットワークに関する知識についても、Webブラウザをつなぐだけですから(Cloud Computingインフラ側の管理者を除くと)いまほどネットワークに関するスキルはいらないでしょう。また、各種サーバやデータベースもCloud Computingインフラに任せてしまうのですから、サーバやデータベースの維持や管理などのミドルウェアのスキルは一切いらなくなります。つまり技術者や開発者に必要とされるプロフェッショナルスキルは一変してしまいますね。逆にプログラマーやSEに必要な知識は、Cloud Computingインフラ上のAPIやサービスに関する知識。そしてそられを組み合わせて所望のサービスを作ることなります。そうなるとアルゴリズム的なプログラミング能力よりも、使い勝手がよくて、利用料が安いAPIやサービスをたくさん知っているか否かが重要になりそうです。ただ、先日も書いたようにCloud Computingの世界は、サービス開始までの速さが命の世界ですから、手っ取り早く開発できるプログラマーが重宝される時代になりそうです。また、SEさんに関しても設計の自由度はCloud Computingのインフラで相当制約されますし、サービスの提供インフラはすべてCloud Computingのインフラに任せればいいので、仕事は相当経るのではないでしょうか。一方、Cloud Computingのインフラ企業側の管理や開発は、現在のIT技術者に近いでしょうが、かなり特殊なスキルになると思いますし、昨日書いたようにCloudComputingインフラの提供会社が数社の巨大企業に集約されていくと、ごく少数のIT技術者だけの世界になってしまうでしょうね。おそらく自前で、コンピュータにWebサーバを立ち上げたり、データベースをインストールするというのは、今の時代に自動車や家を自分で作って住むのと同じぐらい、危なっかしいし、コスト的にも見合わない行為になるのではないでしょうか。

2008年4月15日

またまたCloud Computingの話題ですが、なんで拘るかというと個人的にはGoogle App EngineやAmazonのElastic Computing Cloudなどが先兵をつけたCloud Computingは、情報サービスやそしてコンピューティングを根本的に変えてしまう大きな変化だと思っているからです。Cloud Computingが普及してしまうと、いまのPCで使われているビジネスアプリケーションやコンシューマーが使うアプリケーションに必要な処理やデータは、Cloud Computing上にある各種サービスを使えばよくなってしまうのではないでしょうか。PCは常時接続とWebブラウザが使えるだけのコンピューティングがあれば十分という時代になって、昔のダム端末に近い存在かもしれません。また各種のネットサービスを提供する企業もCloud Computingによって提供されたインフラを使えばよく、自前でサーバを立ち上げたり、データベースを構築することはなくなるでしょう。むしろCloud Computingインフラの利用者側の企業間でデータベースを共有する、つまりビジネス上の最重要情報を共有することが前提とするビジネスモデルも出てくるでしょう。さてCloud Computingのインフラ提供企業ですが、当初は小中規模のインフラ提供企業もあるでしょうが、ある程度の規模が必要なことを考えると、長期的におそらく現在のネットビジネスの列強、Google、Amazon、Microsoft (+Yahoo)、eBay, Salesforcesあたりが核になって、吸収・合併を繰り返して、最終的には少数だけになるのではないでしょうか(おそらく3つぐらい)。もちろん、10年以上の時間がかかるでしょうが、現在PC上でのほとんどの処理はCloud Computingに飲み込まれていくことになるでしょうし、またそのときにはコンピュータは少数の巨大インフラ提供企業のなかだけで使われる特殊な機械という存在になってしまうかもしれません(もちろん組込系コンピュータはたくさん使われるとは思います)。IBMの初代経営者であるThomas J. Watsonは1940年代後半に「コンピュータにはせいぜい5台分の市場しかない」という発言をしているのですが(この発言は捏造らしいですが)、これは実は正しかったといえる時代がくるかもしれません。

2008年4月14日

昨日の続きです。商業Cloud Computingサービスは、コンピュータサイエンスの研究にどのような影響を与えるのでしょうかね。個人的にはCloud Computing以前、つまりWebサービスはアカデミア研究になりえないという認識でおります。アカデミアでもWebサービスの研究をされている方はたくさんおられるので、袋たたき似合いそうですがね。その理由ですが、例えば研究として新しいWebサービスを思いついたとしても、それを論文に書いて公知になるまでには時間(国際会議なら半年、論文誌だと1年)がかかります。一方、Webサービスの場合は小規模のものであれば比較的短時間で実装ができますし、それを公開して、実ユーザに使ってもらうということもできてしまいます。そうなったら論文を書いているよりは、提案したサービスを公開して、実ユーザに使ってもらった方がいい。サービスを使って好評か否かを調べた方が確実に研究の善し悪しを評価できますし、その方が時間的にも早い。さてCloud Computingサービスは、Webサービスでは必須だったサーバを自前で用意するというステップを省きますから、サービス開始までの時間は短くて済みますし、機材もお金もなくてもサービスを開始できることになるので、研究予算がないのでサーバを買えなとかといういいわけはもう使えない。その意味では個人レベルでも大企業と並ぶようなサービスを提供するケースが出てくるでしょうし、腕のいいプログラマーさえいれば、アイデアを思いついてから、サービス提供まで1ヶ月もかからずに実運用までもっていけるはず。いずれにしても論文という評価基準を規範とするアカデミア研究は、Webサービス以上にCloud Computingの時間の速さについていけないことになります。さらに商用Cloud Computingサービスが普及すると、サービスを実現する基盤システム、つまり研究のコアになる部分は、GoogleやAmazonなどのCloud Computingサービスの提供企業に握られることになりますから、何を研究すればいいの?という自体になってしまうかも。

2008年4月13日

Google App Engineのベータ版ですが、先着アカウント取得に失敗したのですが、近日中に追加アカウントがあるようですね。App Engine SDKでスタンドアローンで遊び始めているのですが、開発用のプログラミン言語のPythonはすっかり忘れている始末。まずはPythonのお勉強のし直しが必要だったりします。それにしてもスクリプティング言語は、お手軽な反面、すぐ忘れますよね。Google App Engineですが、キーテクノロジーはデータベースだと思いますが、Webのように通信コストが大きい状況では関係データベースはいいとはいえず、新しいデータモデルが必要となるかもしれませんね。ところでGoogle App Engineはお値段的にはどうなるのでしょうね。ちなみに同じCloud ComputingサービスであるAmazonのElastic Computing Cloud (EC2)は、最小構成ではメモリ1.7GB、ディスク160GBの場合、時間あたり$0.10、データ転送は1GBあたり$0.10だったりします。個人的には破格にやすいと思うのですがね。それにしてもこうした安価なデータ&アプリケーション実行サービスのインフラが出てくると、便利になった反面、研究としてはやりにくくなるのも事実。クライアントまわりだでなく、サーバまわりも研究テーマもなかなか難しくなってきます。それでもクライアントまわりよりは研究テーマが残っているでしょうが。いずれにしても、これからのコンピュータサイエンスはは、純粋にコンピュータサイエンスを突き詰めるのではなく、自然科学や実社会の特定分野にコンピュータサイエンスの手法を使って、効率化したり、付加価値をあげることになるのかもしれません。

2008年4月12日

Windows Vistaはサービスパック1(SP1)のリリースにあわせて、大幅値下げだそうですね。MicrosoftによるとVistaは売れているということになっていますが、やはりいろいろ問題があるのでしょうね。個人的にはVistaのGUIには馴染めないのですが、そのGUIは別にすると.Net Frameworkベースの高水準APIなどみるべき点は多いと思いますが(使いたいかとは別ですけど)、もちろんそうした高水準APIが性能を悪化させている元凶ではありますが、コンピュータサイエンスの研究者としては何が性能を下げているかを知るのも仕事なので、構造を知ると同時に、実際にいろいろ試してみることは大切だと思います。いずれにしてもコンピュータサイエンスの研究者としては、いい悪いとか、好き嫌いとかは常に最新のOSを使っていないといけないので、Vistaも使うことになります。コンピュータサイエンスの研究者にとってはコンピュータは研究の対象なので、古いハードウェアや古いOSを使っているようでは時代にあった研究ができるわけがないのです。また、特定のOSやハードウェアに依存しないことも大切なのですが、Windowsしか使わないとか、Macintoshしか使わないとかだと、そのOSの世界しかしらないわけで、OS共通の機能とOS独自の機能が区別できないのです。コンピュータサイエンスの研究している以上は、複数の最新OSを使い続けないのですよね。人間ですから、慣れたOSの方がいいので、複数を使うのは結構たいへん。でも仕事ですからね。

2008年4月11日

科研費萌芽の採択結果の通知。以下は大学業界でないとわからない内容です。すみません。当方の勤務先は科研費の全国採択率ベスト5内を毎年度キープしているそうで、不採択はランキングに悪影響を与えるのでなかなか許されない雰囲気だったりするので、ほっとしますよね。ただ、予算はいただいてからがたいへんなのですよね。当たり前ですが予算に見合った、またはそれ以上のアウトプットを出さないといけませんから。この萌芽以外に基盤(B)もあるので(どちらも研究代表者)、二つを同時に研究するには相当心してのぞまないといけません。ところで、毎年この時期に閉口するのは、予算額や件数を自慢するメールを送ってこられる方々。早速、そうしたメールをいただいたのですが、まぁ御本人は悪気がないのでしょうが、片手では数えられないほどの科研費(分担者を含む)をとって全部きっちり研究できるのでしょうかね。他人事ながら心配になったり。ただ、研究ではなく研究予算を獲得することが目的化しているとしか思えない方もおられますがね。いずれにしても研究者ならば予算額を自慢するのではなく、自慢でできるような研究成果を出さないといけないですね。ところで「萌芽」って、一般ではあまり使わない用語だと思いますが、意味はわかるようでわからないですよね。まさか昨今流行った「萌え」と関係があるわけはないですよね。

2008年4月10日

新国立劇場でWeberのオペラ「魔弾の射手(Der Freischutz)」を鑑賞。先月、同じ新国立劇場で出来がすごくよかった「アイーダ」を観たばかりなので(それも2回も)、アイーダと比較してしまうとちょっとがっかりなのですが、国内オペラとしてはよい出来ではないでしょうか。特にヒロイン役(Agate)は若い歌手(Edith Haller)だったのですが、これがすごくいい出来。主役(Max) のAlfons Eberzはいい歌手のようですが、初日ということもあってまだ調子がでていないのか。隠者役の歌手(妻屋秀和)はよかったですね。舞台装置や衣装、演出もいろいろ新しい挑戦をしているのは好感なのですが、なんか消化して切れていない感じ。演奏は冒頭のホルン重奏がウリなのですが、音があっていないなど演奏は?でした。ただ、やはり「魔弾の射手」という演目そのものに、観客を引き込む迫力がないのです。同じドイツオペラでもワグナーのつもりで観に行くとがっかりするかも。さて今晩で今シーズン(2007-2008)でみたオペラは9つ。今シーズンも10本は見られますでしょうか。

2008年4月9日

次期Windowsの噂がちらほら聞こえはじめしたが、カーネルよりもWinFSを乗せてほしいですよね。ご存じのようにWinFSはWindows Vistaに搭載予定だったけど、結局、搭載されなかった機能。たまたまWinFSのデモビデオをみつけたのですが、確かにこのデモビデオのことができれば、Windows Vistaは時代を変えたOSとして名を残したかもしれません。OSの最も基本機能の一つであるファイルシステムは、データの保存やアプリケーション間でのデータの共有です。こうした機能に立ち返ってほしいところです。WinFSは関係データベースをもとにしていますが、XMLベースのデータが増えている状況では、ファイルシステムの代わりにXMLデータベースにしてしまってもいいかも。それはそれで問題山積なのですが、PCが閉塞状態になっている以上は、次期Windowsには互換性よりも斬新な機能を期待したいところです。

2008年4月8日

PCはダウングレードの時代ですよね。IntelのAtomプロセッサ搭載のPC(NettopやNetBook)の価格レンジはディスプレー込み4万円以下。Atomは非力とはいえ、x86プロセッサ。Windows XPが発売された頃のスペックと考えれば、メールやWeb ブラウジング、簡単な文書作成や表計算であれば十分につかえるはずで、現在のPCのような高性能マシンを一般コンシューマーがわざわざ使う必要はなく、安価PCで済ますことが多くなるでしょうし、それにともなって光ディスクも大容量ハードディスクもいらないということになりそう。そうなると高価格PCで利益を稼いでいる国内PCメーカはつらいことになるのですが、ただ日本の場合、すでにPCの普及率が高いことですから、セカンドマシンとしてAtomプロセッサ搭載のPCの需要がそれなりにあると思いますが。いずれにしてもPCは性能ではなく価格重視になるでしょうし、その性能も初期のWindows XPマシン程度で落ち着いてしまうかもしれません。研究者としてはPCの性能はあがることを前提に、研究している時点のPCでは遅いアルゴリズムも過負荷なシステムも、将来のPCはサクサク動くというと仮定して研究してきたわけですが、これから現時点で遅いアルゴリズムや過負荷なシステムは、将来も遅く、過負荷のままかかもしれません。いずれにしてもPC用のプロセッサは価格が重視されるでしょうし、サーバ用のプロセッサは電力あたりの計算性能が重視されることになるのでしょう。

2008年4月7日

Sun MicrosystemsがJava SE for Businessというサービスを始めるようですね。まだざっと概要をみただけですが、通常のJava SEはサポート期間は3年間ですが、それを最長15年間までのサポートを約束するものだそうです。いまだにJava SE ver.1.4を使っているシステムは多いですから、結構、需要があるかもしれませんね。料金は従業員数で換算するそうですが、グレードによりますが、従業員一人あたり年10〜12.5ドル。古いバージョンを使っている企業は小規模なところがおおいですから、結構リーズナブルかもしれませんね。Javaは"Write once, run anywhere"という理念を掲げていますが、現実にはバージョンに依存している部分も多い。その一方でJavaで書かれたソフトウェア資産が増えてしまった状況では、これからは下位互換性を重視しないといけないということなのでしょうね。

2008年4月6日

IntelのAtomの続きです。4月3日のこのページでMicrosoftのAtomへのサポートがないに等しい、と書いたのですが、その日にMicrosoftはAtomなどを搭載した小型PCを想定してWindows XP Homeの販売延長を発表していたのですね。4月3日にも書きましたが、Atomへのサポートを怠ると、Atom搭載マシンはLinuxばかりになってしまいそうですから、Microsoftとしても静観できなかったのでしょうね。Windows Mobileを除くと、Microsoftにしてみるとマシンスペックが下がるというのは初めて経験だったのではないでしょうか。誤解している人が多いのですが、Microsoftにとってもお客さんは、エンドユーザではなく、WindowsのプレインストールしてPCを製造・販売するPCメーカ。そのお客さんであるPCメーカに儲けさせるためには、PCへの要求マシンスペックが常に高くして、PCの価格が下がることを防ぐことです。その意味ではWindows Vistaのような高スペックを要求するOSはお客さんの想いのすぐれたOSといえます。今回のWindows XP Homeの販売延長は、Windows XPとWindows Vistaという二つのOSの併売ということ以上に、Windowsのビジネスモデルの大きな転換になりますし、PCメーカにとってもPC価格の低下という事態になりかねない大きな変化ですね。次期Windowsでは、低スペックマシンから高スペックマシンまで対応できるようなOSを作らない限りは、Windows XPをまだまだ販売を続けることになってしまいます。この場合、Windows XPが長期にわたって標準的なOSとなって、結果としてOSの進化は遅くなりそう。逆にMicrosoftが低スペックマシンから高スペックマシンまで対応できるOSが提供できたとしても、OSがGUIと一体化された現状では、エンドユーザが低スペックマシン用の使い方になれてしまうと、高スペックマシンの高度なGUIはユーザから求められることが少なくなり、結果として高スペックマシンでも低スペックマシン用GUIを提供することになりかねません。もちろん、ユーザがそれでいいと考えるのならば仕方ないのですが、今後コンピュータの技術トレンドは保守的なものになっていくのでしょうね。IntelのAtomは、通常x86プロセッサの売り上げに影響するでしょうから、Intelにとっては諸刃の剣になるでしょうし、MicrosoftにとってはOSの機能的な進化が難しくなり、Windows XPまたは相当のOSを長く売り続けることになり、(新規開発が減るので)利益は上がるかもしれませんが、売り上げは減少をもたらしかねない。そしてコンピュータ技術にとっては低スペックのコンピュータが市場にあふれることになって、長い停滞の時代を作ってしまうかもしれません。

2008年4月5日

三菱東京UFJ銀行は旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行の統合作業のため、4月の週末からシステムを止めるそうですが、おおがかりですよね。実際、システム統合に伴う費用は3300億円だそうですが、みずほ銀行のような事態をさけるために慎重にやるつもりなのでしょうが、この費用は尋常ではないです。両銀行のシステムは大きく違っていますし、旧東京三菱はIBM製、一方、旧UFJは日立製。特に旧UFJ は基幹システム系はメインフレームですが、それ以外はLinuxを多用する斬新なシステムだったのですが、旧東京三菱のシステムを拡張することで統合することになったようですね。今の時代、銀行はシステム産業ですから、システムの出来不出来が銀行の善し悪しを決めることになりますし、行員の人事評価もシステムが使いこなせるか否かは大きな要素になりますから、銀行統合ではシステム的に主導権をとれなかった銀行(つまり吸収された銀行)の行員は、(不慣れな)吸収した側のシステムを使うことになり、システムが使いこなせない=能力不足のレッテルを貼られて早々に辞めていくことになります(というか辞めさせられていくというのが正しい表現かもしれませんが)。実際、過去の銀行統合では、吸収さえた銀行の行員さんは統合後5年もたつと1割以下になっているそうですね。もちろん例外はあって、三菱銀行と東京銀行の統合の時は勘定系システムは三菱銀行をベースになりましたが、情報系システムや外為系システムは東京銀行のシステムをベースにしたようで、どっちが吸収したのかわからないような感じでしたがね。ただ、三菱東京UFJ銀行では今回の統合で、旧UFJ銀行のシステムは一掃されることになりますから、今後は旧UFJ銀行出身者はたいへんだと思います。こうかくと冷たい表現と思われますが、これが企業吸収合併の現実ですからね。さて今回のシステム統合を仕切るのはIBMですが、IBMとしては三菱東京UFJ銀行のシステムをとれるのは大きいですが、今回の統合作業は必要な人員が多いですから、人員的にはたいへんではないでしょうかね。ちなみに旧UFJ銀行のシステム(日立)ですが、ゆうちょ銀行が引き継ぐことになりました。正しくいうとゆうちょ銀行のシステムを請け負ったNTTデータが日立からUFJ用開発したシステムを流用することになりました。開発費を押さえるという点では正しい判断のですが、すでにシステムの設計は新しいとはいえず、今後の金融商品の拡大に対応できそうもありませんね。

2008年4月4日

AppleのiTunes Storeは今年の1月と2月に楽曲販売数でWal-Martの販売数を抜いたそうですね。ということは全米では音楽販売でトップになったということになります。Appleはコンピュータメーカとしてではなく、コンテンツ販売業者として扱わないといけないのでしょうね。当面、音楽小売ビジネスはAppleを中心にまわっていくことになりそうです。

2008年4月3日

IntelがAtomを発表しましたね。問題はMicrosoftがWindows Vista系もWindows Mobile(Windows CE)系でも低消費電力用パッケージを用意するつもりがないようです。x86系プロセッサ向けOSのノウハウを一番持っているのはMicrosoftでしょうから、Microsoftにとって大きなビジネスチャンスだと思うのですが、いったいどうしたのでしょうかね。特にWindows Mobile系はここ数年は進化がとまっていますよね(もちろん組み込み系市場は保守的なのはわかりますがね)。そうなるとIntelとしてはLinuxをベースにしたAtom用のOSをIntel自身がサポートしないといけないことになりますね。もしかしてMicorsoftはLinuxを側面しているのではないかとまで思ってしまいます。ところで近々Appleが次期iPhoneの発表するという噂ですが、次期iPhoneにIntelの新型x86系小型プロセッサのAtomを搭載してくるでしょうかね。現行iPhoneのプロセッサはARM11のバリエーションの一つだそうですが(ちなみにクロックは620MHzらしい)、問題は消費電力ですよね。AtomはARM11に対して同クロックならば2倍程度ありますが、商品電力はARM11系の場合、製品によりますが、0.50mW/MHz以下。Atomの場合は800MHzの製品の場合でTDPが650mWだそうですから、消費電力は悪くなる可能性が高いので、Atomを搭載する場合はアプリケーションに応じてクロックをきめ細かく制御することが前提になりそう。その意味ではハードウェアもOSも作れるAppleならばAtomを使いこなせる可能性がありますが、消費電力制御はそのノウハウやパラメータを蓄積するのには時間がかかります。仮にIntelが事前に情報を出しているにしても、すぐにAtom版を出荷するのは難しいのではないでしょうかね。もちろんバッテリ持ちよりもプロセッサ性能を重視するのであれば話は別ですがね。それからARM11で思い出したのですが、ご存知のようにiPhoneはJavaを搭載していないのですが、ARM11系プロセッサならばJava用アクセレーターであるJazelleを搭載している可能性は高く、プロセッサ的にはそれなりの速度で動かせるはずなのです。Jobsのいうようにメモリ量的につらいというのはただしい見解でしょう。もちろんビジネス戦略的にJavaをサポートしたくないというのはあり得ますがね。

2008年4月2日

33種のメモリカードに対応したUSBカードリーダだそうです。この製品のメーカの仕様をみると無理してメモリカードの種類を増やしている部分もありますが、それにしても種類が多いですよね。

2008年4月1日

今日から新年度。その前に前年度の宿題を終わらせないと。

2008年3月31日

2007年度は今日までですね。さて今年度の論文ですが、論文誌の論文が3本、査読付き国際会議の論文が10本。論文誌が少なかったですね。大学の研究者の場合、教育が忙しかったというエクスキューズができますが、研究所の研究員の場合はそうしたエクスキューズは許されないのがつらいところ。実際、当方も学生指導もあるし、授業もあるのですがね。

2008年3月30日

明日(3月31日)からNTTはNGNの商用サービス「フレッツ 光ネクスト」をごく一部の地域で始めるそうですね。これでいちおう2007年度中にサービス開始ができたことになりますね(実態は別にして)。それにしてもNTTのNGNはよくて第二のISDN、下手をするとキャプテンシステムになりますよね。もっとも既存のネットワーク(FLET'S)と機能的な優位性がないので、変な期待をする方もいないでしょうが。ちなみにNTTの方に伺うと、交換機を続けたくても、交換機の開発どころかメンテナンスをする人材もいないので、IPを使った交換機(つまりNGN)を導入しただけで、本来のNGNの理念を期待されても困るということのようですが。まぁNTTはいいのでしょうが、NTTのNGN向け通信機器をつくる国内メーカは哀れですよね。NTTのNGNは世界標準のNGNGとはズレた独自規格。もちろん短期的には国内通信機器メーカはNTT需要があって儲かるでしょうが、所詮は世界の標準とはずれた通信機器。海外市場では売れるわけではなく、長期的には国内通信機器メーカの競争力を弱めて淘汰を早めるだけですね。

2008年3月29日

某省の方からデペンダブルシステムの研究動向の問い合わせのメール。いちおう研究動向を説明する返答をしておきましたが、現実的にいえばIBMなどのメインフレームを使うのが一番の早道ですよね。いくら高信頼システムソフトウェアといってもLinuxなどをベースにしている限りは限界がありますし、仮に高信頼システムソフトウェアが実現できても、現状のPCサーバでは信頼性はたかがしれています。その意味ではメインフレーム系はハードウェアもシステムソフトウェアの出来が違います。メインフレームは時代遅れといわれますが、高負荷時の性能に関して、PCサーバはメインフレームの足下にもよれません。20年先を考えると、Microsoftはなくなっているかもしれませんが、IBMはメインフレームがある限りは残っているように思います。いずれにしも現状のデペンダブルシステムの研究は、過去のメインフレーム向けの技術の焼き直しというのは多いですし、実際、新しそうな技術でも過去のメインフレーム向け技術の特許が切れたので、PCサーバでも使われ始めたというのは多いようですね。昨今のデペンダブルシステムの研究をメインフレーム向けの技術を超えるのは結構先になるのではないでしょうか。

2008年3月28日

日立のHDD事業が平成21年3月期(つまり平成20年度)で黒字化だそうですね。2003年にIBMから買収した事業ですが、6年目でやっと黒字化ということになります。さてこのHDD事業は再売却話があがっていますが、赤字事業は買い叩かれますが、黒字化すればそこそこで売れますからね。ただ、それよりは日立そのものが700億円の赤字ということで2期連続赤字。結局、巨大コングロマリットのメリットがなくなってきていますよね。赤字が続く事業、たとえばHDDや薄型ディスプレー事業などは捨てて黒字事業や黒字子会社だけでグループ化するなどの対策をしないと5年後は?という感じになりますよね。

2008年3月27日

先日、蛇型ロボットを紹介しましたが、今度は4足歩行ロボットのビデオ。米国防省の部局(DARPA)のロゴがみえるので、軍事用でしょうが、その動きはすごいというよりも怖いです。背中に銃器を乗せたら、そのまま兵器になりそうです。結局、ロボットのキラーアプリケーションは軍事なのかもしれません。それはユビキタスコンピューティングにもいえることですがね。こちらは先のロボットのパロディ版ビデオ。こちらは平和的というか、おバカ系です。

2008年3月26日

今日からドイツ人学生が転がり込んでくる。さてGoogleのトップページのロゴのパラメトロン計算機になっていますね。ooの文字が基本回路がコイルになっているようです。ただ、このロゴをみてパラメトロン計算機とわかる人は少ないですよね。性能的にはリレー以上、真空管以下、価格的にはリレーより高価、真空管より安価だったようですが、トランジスター方式が主流となるとともに消えてしまうのは仕方ないですね。パラメトロン計算機は懐古的な趣味をお持ちの方にはきっと魅力あるのでしょうね。コイルとコンデンサにあとは発振機があれば作れそうですが。ただ、当方は研究対象に懐古的な趣味はないですし、研究者である以上は未来を向いて研究したいですね。

2008年3月25日

立場上、携帯電話に関しては書けることと書けないことがあるのですが、書ける範囲でちょっとだけ。この記事によると某省は第4世代携帯電話も日本案を世界標準にねらうつもりなのでしょうか。いい加減学習してほしいです。第2世代ではドコモ&某省は日本案のPDCに拘ったために世界標準から孤立。第3世代では世界標準にあわせたつもりだったものの、ドコモ&某省は世界に先駆けて第3世代携帯電話を始めることに拘ったために、世界標準とはズレてしまって孤立。この状況だと第4世代携帯電話も孤立するような予感がしますが、どうなるのでしょうか。個人的には、仮に標準化で日本提案が主導権をとれても、第4世代携帯電話になる頃には国内端末メーカも国内インフラメーカも海外市場に売るほどの体力は残っていないでしょうから、むしろ調達コストをさげる方がいいと思いますけどね。さてもうひとつ携帯電話ネタ。こちらの記事によるとドコモが2010年までにOSをGoogleの携帯電話用OS(Android)をベースに端末の基本設計を抜本的に変更する方針を明らかにしたそうです。どこまで本気かはわかりませんが、すくなくてもAndroidベースになると海外メーカは日本向け端末の参入はしやすくなります。もちろんドコモとしては海外メーカが日本向け端末に本腰を入れてくれれば端末調達コストがさがるというメリットがあるのですが、三菱電機やソニーエリクソンの動きをみてもわかるように、ドコモ向けの端末は儲からない。そうなるとドコモ向けの大手端末メーカのPとNあたりにも何らかの動きが予測されて、ドコモとしても焦っているのかもしれませんね。

2008年3月24日

出張明けでいろいろたくさん。ところで慶大が文系の授業料をあげて、入学金をさげるという記事がありました。慶大の場合は早大などと比べると授業料が安いので(当方が学生だった頃は文系の場合、早大と比較して20万円近く安かったはず)、授業料を負担を考えて早大よりも慶大に入学するということが多かったのですが(世間の印象とは逆で慶大生よりも早大生の親の方が平均年収は高い)、今回の値あげでその差は縮まりそう。慶大は経済的なインセンティブがなくても生徒が集められると踏んでいるのでしょうが、強気ですね。個人的に気になるのは入学金をさげるという話。中堅の私立大学の場合は入学金収入に頼っています。今後、入学金の引き下げまたは全廃の動きが他大学に広がると中堅の私立大学の経営は厳しくなりますよね。仮に入学金全廃というトレンドになれば、多くの私立大学経営破綻しかねませんよね。一方、博士課程などの大学院は、逆に授業料が下がる動きがでてきますね。東工大は博士課程の学生は授業料分の給与を支給を検討しているそうですから、今後は経済的なインセンティブで優秀な博士課程学生の奪いあいが始まるでしょうね。そうなると企業からの共同研究などで授業料以外の収入の多い大学は、授業料を下げて優秀な学生を集めて、ますます共同研究などが増えて授業外収入が増えますが、企業とのつながりが少なく、授業料に依存している地方の(旧帝大を含む)国立大学は大学院生を奪われて、ますます企業との共同研究が減ってしまって、授業料への依存比率があがって授業料が下げらず、博士課程の学生はいま以上に集められなくなるかもしれません。また一部国立大学が博士課程学生に対するインセンティブ競争になったら、私立大学は難関大学を含めて、遅かれ早かれ博士課程を維持できなるなる時代がくるかもしれません。そういえば東大は大学院ではなく学部ですが、来年度から家庭年収が400万円未満の学生は授業料が免除になるそうですが、地域的に近い一橋、東工大も対抗上、同様の免除策を導入するでしょう。気になるのは同様に地域が近い早大と慶大。両校はどうするでしょうか、私立大学ですから授業料収入の減少は経営基盤に影響を与えます。東大と同等の条件でこの動きに追随するのは難しいのではないでしょうか。いずれにしても大学も淘汰の時代になりますね。

2008年3月23日

新国立劇場でオペラ「アイーダ」を観る。実は初日にも観ているので、二回目。歌、演奏、演出、舞台、衣装ともにいいできですね。特にアイーダ役と演奏は初日よりもよくなっています。この演目は音楽祭向けの演目なので、こうしたレギュラーな公演で観られるのは一生に一回あるかないか。新国立劇場のオペラは海外オペラと比べて一つ下に扱われることがおおいですが、このアイーダに関しては海外有名オペラの現地公演とも比較できる水準ではないでしょうか。

2008年3月22日

ANA便で帰国です。図々しくも隣の席のブロックを頼んだですが、エコノミークラスは満員で隣席は空きませんでした(往路は隣席をブロックしてくれた)。まぁ3時間ちょっとなのでかまわないのですがね。さすがに疲れました。ところでシートテレビでは映画などは見ずに、航路や到着時間をしめすスカイマップを表示することが多いのですが、よく見るとネパール発の香港経由便として表示されています。ANAはネパール便はないので設定のし忘れではないはず。ネパールといえばチベット。チベットといえば最近は争乱騒動や人権問題がおきていますが、チベットに超目させるために現地の整備担当者などが故意に出発地をネパールに設定したのかもしれません。もちろん推測に過ぎませんがね。タイミングがタイミングだけに意図を感じますよね。やはり香港の方は中国政府への不信感はまだまだ強いのかもしれません。

2008年3月21日

国際会議は今日まで。今日はワークショップの日。この会議の場合、過去にはワークショップの採択率が25%を切ることもあって、下手な国際会議より難関なのですが、今年は低調でしょうか。それはともかく国際会議のco-General Chairに香港工科大学に連れて行かれる。co-General Chairが会議にいなくていいのかという気はしますがね。香港工科大学ですが、九龍の市内にあって、国際会議とは地下鉄一駅で移動。ちょっといくだけだと思っていたら、先方の学科長まで登場。そして先方の研究のレビュー。ところで学科の名前はDepartment of Computing。さすがにもと英国領ですね。英国大学のコンピュータサイエンス系の学科名みたいでいいですよね。

2008年3月20日

今日も国際会議です。学生さんがデモンストレーションをするはずでしたが、体調を崩したので、急遽、ポスターだけ貼って、当方が説明。いろんなことがおきますね。それから日本からのデモが何件かあったのですが、会議の関係者、複数から、(あるグループの)日本人のデモは何をプレゼンしたいのか、さっぱりわからないとクレームをつけられる。でも当方には関係ないので、当方にクレームを言われても困るのですが。いちおうそのデモをいくつか拝見すると確かにあきれるような内容。研究は何かを作って動かせばいいというものでもない。その作るものに何らかの新規性があるのか、動かした結果、何らか知見が得られるとかがないと研究とはいえない。かわいそうだけど研究としての深みがないのですよね。おそらく、何かをつくって、それを動かすデモをしていれば、それだけで褒めてもらえるような環境に育ったのでしょうね。ただ海外大学の授業課題のレベルの実装をわざわざ海外出張してまでしてデモされても失笑をかうだけ(実際、会議関係者の物笑いのネタになりましたが)。もちろん、ご本人たちがどこまで認識しているかは謎ですがね(というか認識していたら、恥ずかしくて出せないよね)。

2008年3月19日

国際会議の3日目。つまり本会議の2日目。論文発表は昨日よりはおもしろいのですが、キーノートスピーチは昨日以上におお外し。途中から内職モード。おかげで論文執筆がはかどります。今回の出張の重要な仕事は、プログラミングに加えて、投稿論文1本とカメラレディ論文1本を仕上げて送ること。夜は会議のバンケットがあったのですが、やっとホテル兼会場のビルから外に出られました。ホテル自体は町中にあるのですがね。ホテルに戻ってから投稿論文の執筆。ダブルカラムで10ページを書き上げる。

2008年3月18日

国際会議(PerCom'08)の2日目。ただし、本会議は今日から。発表はきっといい論文なのでしょうが、研究的にはつまらないものばかり。招待講演はCMUでAuraというプロジェクトをされていた方ですが、これがおおはずし。せめてAuraプロジェクトがなぜ失敗したのかを話してくれた方がよかったかも。さてこのPerComですが、会議の設立から関わっていますし、ChairやPC(プログラム委員)をずっとしている国際会議(今回はPCだけだけど)。2年前は論文採択率が8%となり、コンピュータサイエンスではもっとも採択率が低くなり、PerComは最難関国際会議となってしまいましたが(当方はそのときのPublicity Chairだったのですが、ちょっとがんばりすぎて論文を集めすぎました)、今回は12%。ちょっと通しやすくなりましたが。ただ、最近のPerComの会議マネージメントにはちょっとついていけない。そもそもPerComは、ユビキタス/パーベイシブコンピューティングという研究分野は新しい分野だし、たくさんのアイデアを集めた方がいいということで、PerComは採択率を30%程度をキープする予定でしたして、第一回は3パラレルセッションにして採択論文数を増やしたのです。でも第二回からワークショップも併設するようになり、萌芽的研究はワークショップに出させる方向に傾いて、本会議の採録数を減らすことなり、さらに今回は最近は採択率を低く抑えるためにシングルセッションになってしまいました。もちろん論文を厳選してクオリティを上げるというのもわかりますが、むしろ採択率を下げることが目的化してしまっていますね。その背景ですが、米国の場合、ここ3,4年のPerComのような難関会議に論文を通すと、DARPAやNSFからポスドク一人か二人を雇えるぐらいの予算がつくのです。このため米国人研究者によっては、予算を取るために採択率を上げたくない方々がおられます。ただ、難関会議の場合、複数査読者(PerComは論文1本につきPCを3人わりあてます)のうち誰か一人でもネガティブな評価をすると通りません。このため研究的な面白さや斬新さよりも、アラのない優等的な論文だけが採録されることになって、つまらない国際会議になってしまいます。個人的には国際会議は4〜5倍程度が一番おもしろいように思います(もちろん、いわゆるスパム論文の投稿が少ないことが前提ですが)。

2008年3月17日

PerCom'08という国際会議にきております。今日はワークショップ。4つあるワークショップをはしごをしながら、1日を過ごす。ホテルと会場が同じなので、結局、ビルから出ませんでした。

2008年3月16日

今日から香港出張です。18時40分発のANAの香港便は出発が遅れて香港に着いたは11時。あいかわらずパスポートコントロールは長い行列。結局、ホテルにたどり着いたのは次の日の午前1時でした。

2008年3月15日

そういえば最近、MicrosoftのYahoo!買収騒動関連のニュースを見聞きしませんが、情報が表に出ないということは両社で話が進んでいるのでしょうかね。それにしてもMicrosoftはいまでもYahoo!をほしいと思っているのでしょうか。少なくてもYahoo!は日々価値がへっているのなら、MicrosoftはYahoo!の買収額を下げた方がいいと思いますけど。

2008年3月14日

カーライルグループのひとつカーライルキャピタルがサブプライム問題から債務不履行になったようですね。カーライルグループ全体への影響は少ないといわれていますが、カーライル系企業の財務格付けが引き下げられるでしょうから、同グループのひとつであるWILLCOMも影響ナシとはいかないでしょう。WILLCOMは唯一のPHS事業者。PHSはNTTが開発した国産通信技術。中国などで一時はPHSは簡易携帯電話として人気を集めた時期があったものの今では一般の携帯電話の普及で市場を失いつつあります。今後、PHSは国内向けデータ通信技術&定額電話として使われていくので問題はないでしょうが、むしろ懸念なのは最近、総務省がWILLCOMに割り当てた2.5GHzの方ですよね。カーライル騒動のとばっちりを食らうと2.5GHz用の設備の資金が調達に不安が出てきます。もっとも、2.5GHzは割り当て方法に問題がありましたから、今回の騒動で再割り当て議論が起きると可能性もありますよね(個人的には再割り当てした方がいいと思います)。サブプライム問題がとんだところに飛び火した感じ。WILLCOMの動向は、当方もWILLCOMのデータ通信端末をもっているので(自腹です。念のため)、ちょっと心配。

2008年3月13日

勤務先の(形式上は)人事などの最終決定をする会議に出席。勤務先の規則なども審議対象なのですが、法律や規則とかはプログラミングに近いものがありますよね。特に例外処理が肝心というあたりはね。期限のない法律や規則は廃止をするときにも決議が必要なのですが、その辺が曖昧なのがプログラム。プログラムも有効期限を設けられると考え方が大きく変わるかもしれませんね。さて話は変わって、最近、感動したビデオ。蛇型ロボットの動画なのですが、あまりにも動きが生物的で気持ち悪い。親は機械系だったこともあり、小学生低学年の頃に、蛇型ロボットを研究していた東工大の研究室に連れて行ってもらったことがありますが、そのときは連結モジュールのアームが曲がるだけでも感動したのですが、このビデオのようになるむしろ怖いです。

2008年3月12日

週末にiPhone SDKをダウンロードして、いろいろ眺めているのですが、もうびっくりです。実は貧弱な開発キットだと思っていたのですが、おそらく携帯端末向けのソフトウェア開発キットとしては一番充実しているのではないでしょうか(何しろ2GBあります)。少なくてもiPodを改造して携帯電話(iPhone)を作ってしまったという水準ではないです。iPhoneの発売は去年だったので、Appleはいつこれだけの開発環境を整備したのでしょうかね。国内携帯電話業界もiPhoneの端末そのものの発売をねらうより、iPhone OSとその開発キットのライセンスを頼んだ方がいいのではないでしょうか。

2008年3月11日

ライターさんがいらして取材。なにができるのやら。さて昨日の続きですが、いまだに日本の携帯電話は優れていると考えている人がいるのですね。携帯電話の端末は開発費がかかりますから、数を売らないと商売になりません。いまのように端末機能の多くがハードウェアではなく、ソフトウェアによるものです。ご存じのようにソフトウェアはコピーは簡単ですから、ソフトウェアのコストはほとんどが開発コストであって、製造コストはゼロに近い。つまり数を売れば売るほど儲かりますが、数が売れないメーカは開発費負担が大きくなります。そうなると国内端末メーカはソニーエリクソンをのぞくと、世界規模で端末を売る、ノキアやモトローラ、サムソンに勝てるわけもなく消えるだけですよね。同じことは組み込みコンピュータにもいえて、家電メーカなどは家電製品などの組み込みコンピュータ向けソフトウェアの開発コスト負担が大きくなっていますが、個々の製品の開発コストを下げる努力も大切ですが、むしろ開発コスト比率を相対的に下げるために、数を売る努力した方がいいような気がします。まぁこれをいったら元も子もないのですが、例えば某自動車メーカさんは一車種あたりのソフトウェア開発費用の増大を嘆いておられますが、それを嘆く前に車種を数を絞り込んで、開発しないといけないソフトウェア数を減らす努力をなさった方がいいと思いますけどね。

2008年3月10日

三菱電機が携帯電話事業(つまりドコモ向け端末)から撤退を決めましたが、ソニーエリクソンもドコモ向け部門を縮小だそうですね。ソニーエリクソンは関係者に知り合いが多いですので(このページを読んでいる人も多いですが)、ドコモ向け端末の開発がかなり負担になっていることは伺っておりました。ドコモにしてみれば、90xや70xなどの各シリーズごとに各携帯電話端末メーカに似たようなスペックの端末を作らせて、価格的に競わせたいのはわかりますが、そのスペックにつきあわせられるメーカの開発負担は大きいです。いずれにしても携帯電話の端末は開発費がかかりますから、数を売らないと商売になりません。特に端末機能の多くがハードウェアではなく、ソフトウェアによるものになっていますが、ソフトウェアによる機能のコストはほとんどが開発コストであって、製造コストはゼロに近い。数を売れば売るほど儲かりますが、数が売れないメーカは開発費負担が大きくなります。しかし、ソニーエリクソンをのぞく国内端末メーカは国内市場でしか売るしかなく、世界規模で端末を売る、ノキアやモトローラ、サムソンに勝てません。立場上、ドコモが端末メーカに提示した端末の機能スペックをしめしたロードマップなどを拝見するのですが、逃げ出したくなる気持ちはわからないでもないです。というか運命共同体で共倒れにはなりたくないですよね。

2008年3月9日

先日、導入したAppleのTime Capsuleですが、MacBook Proは安定して接続できて、速度も出ていますが、MacBook Airとはなぜか不安定で、すぐに接続不能になってしまいます。ネットを調べると接続問題が報告されているので、やはり問題ありでしょうかね。使えない機材と格闘しているのは時間の無駄なので、以前の無線アクセスポイントに戻してしまいました。

2008年3月8日

HPは研究所を大幅に見直すそうで、CEOなど経営陣まで登場して記者発表をしたそうです。講演ビデオや資料が公開されたので、早速、みてみました。さて見直し内容は150件の数多くの小プロジェクトではなく、20〜30に大きなプロジェクトにフォーカスする、23研究所に600人の研究者がいるそうですが、それも5カ所に集約するそうです。さて問題の研究テーマですが、こちらも大きく変わるようで、"Everything as a Service" (SaaS)というキーワードをメインにあげるなど、(ソフトウェアやハードウェアそのものではなく)サービスの研究に重点を移すということで、基本路線はIBMと同じでしょうか(数年前のIBM?)。HPの新5重点テーマをみていくと、Information explosion、Dynamic cloud services、Content transformation、Intelligent infrastructure、Sustainabilityになるようですが、いずれもサービスインフラの方が研究の対象のようですね。それにしてもコンピュータサイエンスの研究テーマは大きく変化していますよね。10年前のテーマがいま必要とされているとは限らない。今後は、どんなサービスを提供するのか、サービスをどう提供するのか、に集約されるのでしょうが、前者は論文に発表して評価を受けるよりは、実際にサービスを提供して、利用者がいるかをみた方がいいわけで、学術研究になりにくい。そうなると後者になってしまうわけですが、サービスを実際に運用をしないと研究テーマは見いだせない可能性もありますし、サービスを提供する企業側は、新技術に対しては性能や機能だけでなく、運用実績を重視するでしょうから、新規の技術はなかなか受け入れられないでしょうね。ところでHPの研究所はいまひとつプレゼンスがないのですが、HPの研究所は、HPが買収したCompaq、そのCompaqが買収したDECの研究所を引き継いでいますから、歴史はあるのですよね。

2008年3月7日

3月末に今年度が終わることができそうです。わかる人にしかわからない表現でしょうか。これまでは3月は60日あると叫んだり、5月末まで引きずったなどいろいろあったのですが、今年度は締め切り日時の数分前にほぼ使い切り、今年度が無事終了。

2008年3月6日

AppleのTime Capsule (1TB)を導入。早速、無線LANアクセスポイント&ストレージに使っております。バックアップ用機材なので、これのありがたみがわかるような状況には遭遇したくないものですが、バックアップシステムとしては操作がすごく簡単ですね。ただ、バックアップ中に無線LANが認識できなくなるトラブル発生。原因はよくわかりませんが、筐体が相当熱くなっていたので、高温になりすぎて止まったのかもしれませんね。やはり3.5インチハードディスクが入っているそうですから、かなり熱くなります。空調のあるオフィスはいいでしょうが、夏場の運用はかなり不安になりますね。なお、ご家庭ではTime Capsuleを机の下などに設置し、足を乗せると簡易暖房機になると思われます。ところで実験用に使うMac miniのセットアップをしているのですが、こちらの記事によるMac miniをデコレーションしている方がおられるようですね。それにしてもこの記事にあるデコレーションされているディスプレーはなかなかすごい。

2008年3月5日

Wall Street Journalに東芝社長のインタビュー記事が出ていたのですが、10年前の東芝は全方位作戦というか、複数方式があるときは全方式に手を出して、儲けよりもリスク分散をする日本型経営の典型例でしたが、この記事のように最近の東芝はリスク承知で選択と集中方式で欧米的ですよね。実際、記者から「日本的ではないね」と指摘されていますし。また、現行DVDの市場は当面続くというのはその通りだと思います。HD DVDのかわりにビデオダウンロード市場をねらうというのも戦略として正しいでしょうね。たしかにHD DVDはBlu-rayには負けましたが、そのBlu-rayも現行DVDやビデオダウンロードには勝てるとは限りません。早々に次世代DVDから撤退ができた東芝は大きなビジネスチャンスをつかめるかもしれません。ところでそのインタービューで気になったのは同時に6〜7冊の本を読むというのですが、当方は2〜3冊程度ですが、同時に複数冊を読むという方は最近は多いですよね。

2008年3月4日

見本市で東京ビックサイト。見本市はICカード&ICタグ関連だったのですが、挨拶だけをすませてから、同じ会場で開催されているショップ関連の見本市を散策。こちらはお店の床材からPOSまで扱っている見本市ですがなかなかおもしろいですね。ICカード&ICタグの方は当該分野では国内2大見本市の一つで、以前は出展も多かったのですが、今回は数年前の1/3ぐらいでしょうか。減った理由はICタグに関してはいっこうに市場が大きくならないのにくわえて、ユーザに近い見本市に出展する企業も多く、今回もショップの見本市の方に出しているところが何社かありましたが。非接触ICカードの方は国内市場は、事実上、ソニーのFelica(SuicaやPASMOもFelicaの一種)に集約されてしまったこともあって、同業者の展示が少なくなったようです。Felicaは性能はいいのですが、カードのお値段が高く、発注枚数が100万枚単位でも一枚あたり500円近いし(400円前後という噂ですけど)、発注枚数が少ないと1000円近くになってしまいます。国内でも紙カードの安価ICカードというカテゴリーもあってもよかったのですが、これだけFelicaが普及するとなかなか難しいです。あまり知られていませんが、Felicaは通信プロトコルとしてはカード側とリーダ・ライター側は対称に近く(Felicaカード同士の通信も想定していた)、カード側回路+アルファで作れるので、リーダ・ライターは安く作れますけどね。

2008年3月3日

三菱電機が携帯電話端末事業から撤退するそうですね。同社の携帯電話事業は風前の灯火だったわけですが、ここで注目すべきは事業売却ではなく事業撤退というところですよね。LGあたりが買い取ると予想していたのですがね。結局、買い手がいないということなのですね。もちろん三菱系は社風的に買収しにくいということもありますが、ドコモ向けの携帯電話事業には魅力がないということなのでしょう。次はどこが携帯電話端末事業を売却または撤退するのかに注目の焦点が移りますが、意外に大手かもしれませんね。それにしても事業撤退してもレイオフをしないというのは日本的ですが、それがいいのか悪いのか。さて話は変わって、この時期は、研究動向の調査・ヒアリング依頼がいろいろくるのですが、文科省、総務省、経産省に加えて、EUからもやってくる始末。というわけで日本とEU側の科学技術政策の違いがいろいろ見えてきてしまいました。EU側はアプリケーション指向というか、研究分野とは独立にアプリケーションを提示して、それに貢献しそうな研究テーマを集めるというアプローチなのに対して、国内はまず重点研究分野を決めて、その分野に含まれる研究テーマを集めてからアプリケーションを探すというアプローチ。どちらがいいとかはいえないのですが、海外でも研究が評価されるにはEU側のスタンスにもあわせるしかなく、当面は研究のアプリケーションとその研究によるメリットを明確にしないといけないようです。

2008年3月2日

住基カードこと、住民基本台帳ネットワークのカード普及率は1.5%という記事がでていました。さらにその多くは市町村職員という話もありますから、実質は1%を切るのでしょう。住民基本台帳ネットワークそのものにも問題がありますが、住民基本台帳ネットワークを使う用途にも問題がありますよね。電子確定申告でも住基カードが必要ですが、電子確定申告が使いにくいし、無理して住基カードを使わないといけない用途でもない。例えば住基カードを作ると住民票や印鑑証明の発行手続きが安くなるとか、住基カードを作りたくなるインセンティブが必要です。実際にプライバシー問題が起きるかはわかりませんが、リスクがあるのであればそれにみあったメリットがほしいですね。それにしても住基カードの運用費用は膨大なはず。さらに住基カードの場合、各市町村に発行手続きを任せたこともあり、市町村の機材・費用を考えるとおそらく何百億円という経費がかかっていると思われます(年間の運用費だけで100億円超だそうですが)。それにしても住基ネットにはどんな情報がはいっているのでしょうね。氏名や住所などをいれても一人あたり1KB以下のはずで、それを1億人分としてもハードウェアに余裕で入ります。もちろん国民一人あたりのデータ量によりますが、Blu-rayなどの次世代DVDならはいるのではないでしょうか。ネットワークの維持は膨大だそうですから、規格競争に敗れたHD DVDを使って、ネットワークではなくHD DVDメディアで各市町村に更新情報を配布してはいかがでしょうか。HD DVDはマイナーになっていますから、盗難になっても読まれるリスクは少ないかもしれません。市町村は約1800あるのですが、毎週書留で送っても住民基本台帳ネットワークの維持費と比べればたかがしれています。もっとも普及率1.5%ならば住民基本台帳ネットワークを廃止しても実害は少ないでしょうが。

2008年3月1日

機材トラブルということで表参道の展示会場に駆けつける。そのまえに解決したようですが。表参道・南青山は頻繁にいくのですが、いつも仕事でいくので、あまり街をみられないのですが、今日は土曜日ということもあり、ちょっとだけ探索。高校生の頃から出入りをしていたエリアなので実はちょっとは詳しかったりします。もっとも当時の面影はほとんど残っていないのですがね。

2008年2月29日

それにしても忙しい一日でした。だというのにMacBook Proのハーディスクを160GBから320GBに交換。実はMacBook Airを使うようになってから、MacBook Airに入りきらない(きっと不要な)データを置く場所が必要になってしまったのです。それにしてもMacBook Airを使うようになって一番よかったのは、ハードディスクの容量が小さいので、必要なデータと、古いコンピュータから引き継いでいる無駄なデータの選別するしかなく、結果としてずいぶん身軽になったことでしょうか。それにしても使いもしない古いデータが後生大事に残っていたものですね。ハードディスクの容量を小さいことを不満に思うよりは減らす努力をした方がいいですよね。ハードディスクの容量は増えているのでデータを消さないという考え方もありましたが、今後、データの管理方法が、ユーザがフォルダーなどでデータを明示的に整理する方法から、データ検索手法により必要なデータを見つけることにかわると、不必要なデータをもっていると検索コストが上がりますし、検索してもその検索結果が爆発することになります。ところでMacBook Proは分解するにしてもネジが多い。国内メーカでは少しでも軽量化するためにネジ一本でも少なくするのですが、そうした発想とは別の世界のようです。

2008年2月28日

明日から表参道で開催される多摩美大の卒業制作展に、昨年10月に博物館で実験したときの機材・ソフトウェアをメディアアート系作品に使うことになり、機材設営の様子を見に行く。案の定、ネットワークでトラブっていたので、それを直して動作を確認したところで退散。卒業制作展なのでいろいろな作品がならぶのですが、オープン前日ということも準備作業は修羅場でした。2日までですが、よろしければ見に行ってあげてください。ちなみに当方のシステムをつかった展示は、会場のど真ん中です。

2008年2月27日

普段は当日夜以降に更新するのですが、問い合わせが多いので早めに更新。問い合わせは新銀行東京がICタグ関連ベンチャー企業に3億円融資した2が月後にそのベンチャー企業が民事再生法をうけたという記事に関してです。まずこのベンチャー企業がどこかについては、新銀行東京の融資先は知らないので確実なことは申し上げられませんが、おそらくこちらの記事になったベンチャー企業だと思います。いちおうISOのRFID(ICタグ)の委員をしているため、ICタグつながりで当方に問い合わせがあるのですが、このベンチャー企業さんはICタグ業界では無名に近かったと思います。もう少し正しくいうと、自称「ICタグのパイオニア」とか「ICタグのリーディングカンパニー 」と勝手に名乗るので、業界的には困っていたというのが実情でした。さて今回の問い合わせで教えてもらったのですが、繊研新聞(アパレル関連の業界新聞)の記事(2004/05/19のところ)に「ICタグでは実は日本の先端情報工学研究所が商用化では世界で独走状態にある」と書いてあったそうですが、経産省などの補助金をつかってアパレル系の在庫管理の実証実験はいろいろされていたようですが、独走状態にあるということはなかったはずです。ちなみにこの記事は某有名大学教授へのインタビュー記事だったりします。御本人が本当にいったのかはどうかは知りませんがね。ただ、この方ですが経産省のセミナーでも、このベンチャー企業やISOのRFID規格動向についても語っておられるようですけどね。ちなみに審議中のISO規格情報は開示されないし、ISOのRFID規格委員会はほとんどタグメーカの方で、アカデミアに所属している委員は当方だけなのですがね。まぁそれはどうでもいいのですが、ICタグがブームになるとICタグのパイオニアやリーディングカンパニーと自称するベンチャー企業がいろいろ出てきたのですが、そうした企業までは当方は把握していません。

2008年2月26日

ThinkPad X300がやっと発表されましたね。発表もされていないのに海外大手ニュースサイトに詳細記事まで出ているというおかしな状況でしたが。薄型、ワイド13インチ液晶、SSDなどMacBook Airとは近いといえば近いスペックですね。でもSSDだけでHDDモデルがないというのはなかなかチャレンジング。英語キーボード版モデル、または英語キーボード部品が手にはいるのであればちょっと欲しいかも。当方はMacintoshばかりを使っていると思われているようですが、Windowsマシンも結構使っているのですがね。でもThinkPad X300の内覧会に呼んでくれませんでしたが。そういえばThinkPadからIBMのロゴはなくなったのですね。ロゴがなくなったのにはいろいろ理由があるのですが、一つは品質問題があったようですね。日本IBMの方からThinkPadの不良品率を伺ったことあるのですが。その不良品率はここでは書けませんが、一部製品シリーズはちょっとあり得ない数値でした。ということでLenovoとしてはその不良品率にあった製品系列として、高級ブランドであるThinkPadではなく(利益率が高い)、Lenovoブランド(利益率が低い)を前面に出すしかなくなったようですね。ここからは推測ですが、IBMとしても不良品率の問題からThinkPadにIBMロゴを出したくなかったのかもしれませんね。

2008年2月25日

今日は国立大学は前期日程2次試験ですね。前勤務先は国立大学でしたので、試験監督や採点にかり出されていたわけですが、学部がないのでそうした業務から開放されておりますが、このページをお読みの方は大学関係者が多いので、今日・明日はたいへんではないでしょうか。ごくろうさまです。17日のこのページにも書きましたが、今年は情報系学科は不人気(また一時人気があった生物系学科も落としてますね)。産業界は大学に情報系エンジニアの育成を求めていますが、育成以前に情報系エンジニアを志望する学生がいなくなってしまいそう。まずは情報系エンジニアの待遇を改善するなどして志望者を増やす方が優先した方がいいように思います。よくも悪くも人材はピラミッド構造になりますから、質の高い人材を増やそうと思えばビラミッドを大きくするしかない。小さいピラミッドでも逆さにたてることはできません。

2008年2月24日

11日のこのページに電子確定申告(e-tax)のことを書きましたが、その続き。情報系研究者の一人として、がんばっても電子申告をしてみようとがんばってみましたが、やはり挫折です。税務署に行く以上に手間がかかります。さて電子申告の手間ですが、パソコン(Windows PCまたはMacintosh)が必要な仕方ないとしましょう。電子証明書を入手するためには、住民基本台帳カードを入手しないといけません。住民基本台帳カードは市区町村の窓口に行ってを交付申請します。即日交付をしてくれるところもあるようですが、後日交付する市町村も多いですし、当然交付手数料(横浜市の場合、500円)がとられます。写真付きカードの場合は顔写真も必要です。住民基本台帳カードを手に入れたら、市区町村の窓口にいって電子証明書の発行を受けます。こちらは即日交付されます。でも電子証明書の発行には手数料(横浜市の場合、500円)がかかります。これでいよいよ電子申告ができるようになるのですが、住民基本台帳カードをパソコンに読み込ませる必要があるので、ICカードリーダが必要です。こちらは安価なものが3000円ぐらいからあるようです(Macintosh対応の製品もあるようです)。ということで2日はとられますし、約3000円+500円+500円なので約4000円の費用がかかります(市区町村役所に行く交通費を含まない)。ということで電子署名及び電子証明書を付して電子確定申告を5000円の所得税の税額控除が受け入れられるといっても、割に合わうのかは微妙(交通費を考えると損になるケースもありそう) 。時間のセーブという点では税務署に行って確定申告をした方がお得ということになります。それから電子申告では源泉徴収票などの添付が不要となっていますが、3年間は提出・提示義務があるそうですから、書類を保管しておかないといけません。なんか電子申告をするなといっているような手間ですよね。ところで電子証明書ではPCにルート認証が必要なのですが、このルート証明の「常に信頼」ボタンを押してもいいのでしょうか。当方は「常に信頼」ボタンが押せずに、電子申告がとまってしまいました。ところで電子確定申告のクイズに答えると壁紙(ウォールペーパー)やスクリーンセーバがもらえるそうですが、ほしい人がいるのでしょうか。

2008年2月23日

新国立劇場で山田耕筰のオペラ「黒船」。日本初のグランドオペラだそうですが、音楽的にもストーリ的にもいい作品だとは思いますが、無理して話を大げさにしている感じで、ストーリー展開が少ないはわりに長い。2回休憩を挟んだとはいえ、上演が2時から5時40分と長かく(正味3時間)、ちょっと飽きました。いちおう歴史物のストーリーなのですが、ベルディオペラのような壮大なストーリーではないので飽きてきますよね。歌は日本語なのですが、それでも使っている日本語も難しいのと、オペラ風に歌うと聞き取りにくいこともあり、日本語字幕がありました。さて歌手の出来ですが、おそらく難しいオペラだと思いますが、どの歌手もアラを出さずに歌いきったのはご立派でした。日によって歌手が違うようですが、当方がみた2日目は声質がいい歌手がそろっていたので、美しいオペラになっていました。それとやはり日本人の声質は日本語があっているわけで、イタリア語やドイツ語に向いているとは限らないということなのかもしれません。それから尺八とオーケストラの組み合わせは新鮮でした。

2008年2月22日

昨日はオフィスに戻った時間が遅く、そのままオフィスに泊まって仕事。午前中はオランダのTwente大学のご一行。10人ぐらいだと思ったら、30人ぐらいきていてびっくり。こちらの仕事はプレゼンとディスカッション。オランダ人ならわかるジョークを織り交ぜたのですが、いかがだったでしょうかね。それにしても今週は講演ばかり。

2008年2月21日

今日は虎ノ門で「児童見守りシステム」関連の講演。業界の裏事情をカミングアウトをしてしまったので、あとで怒られるかも。それにしても児童見守りシステムはひどいものがおおいですよね。アクティブタグ(バッテリを内蔵して自律電波発信型ICタグ)を使ったシステムでは、タグを児童につけさせて、そのタグの発信する電波を、街角などにおいたリーダで受信して、タグの識別子を読み取って子供の位置を特定するシステムなのですが、たとえば第3者がリーダをおいても読み取れるので、児童の位置を不正に特定することもできるし、リーダは受信するだけなのでリーダの不正設置を発見するのは不可能に近い。ということで児童見守りシステム=犯罪幇助システムという状態。もちろんタグによっては暗号化をかけて、タグの識別がわからないようにすることができますが、特定の児童ではなく、児童ならばだれでもいいというケースには電波の発信位置さえ特定すればいいので、暗号化の有無は関係ない。講演中にもいいましたが、某見本市におけるアクティブタグによる児童見守りシステムの展示説明員との会話で衝撃をうけたことがあります。その会話の概要を書いておくと、ベンダー担当者「児童につけたタグが発する電波を受信して、児童の位置や行動がわかります。」、当方「むしろ誘拐などの犯罪を幇助しませんか?」、ベンダー担当者「はい、その通りです。自分の子供にはタグをつけさせないので大丈夫です」、当方「そんな危険なものをどうして売るのですか?」、ベンダー担当者「自治体や学校には危険性を何度も説明しましたが、話題になってマスコミに取り上げられればそれでいいそうです。」。その某社の関係者の方も受講されていたようですがね。それにしても児童を危険にさらせてもメディア露出や補助金がほしいというのは世も末ですよね。児童見守りシステムに限らず、安全・安心を売りにしながら、実は危険・不安を作っているシステムは結構ありますよね。

2008年2月20日

Microsoft Officeファイルのフォーマット仕様が公開されたそうですが、これでオフィス互換アプリケーションは作りやすくなって、Microsoft Officeの寡占化が押さえられるでしょうか。昔、市場にはワープロが数多くあったのですが、その後はMicrosoft Officeまたはその互換ソフトウェアに収斂しつつあります。その理由はインターネットが普及でしょう。電子メールなどで文書ファイルを交換するようになると、相手が作った文書ファイルが読めないと困りますし、逆に自分の作った文書ファイルが相手が読めないと困ります。そうなると文書ファイルに互換性が求められます。その一番の方法は互いに同じワープロソフトを使うことです。この結果、マイナーなワープロは淘汰されました。これをいうと各ワープロソフトがファイルフォーマットを共通化すれば解決できると反論する人がおられますが、ワープロソフトが新しい表現性を導入したくても、共通フォーマットにない表現性は導入できないことになり、結果としてワープロソフトの進化は止まってしまいます。ある意味でMicrosoft Officeは過去のバージョンとの互換性を確保するためにファイルフォーマットの変更ができなくなり、結果としてインターネット普及以降は表現的な新規性はいれられなくなりました。簡単に言うとインターネット以前のPCはガラパゴス諸島みたいなもので、個人単位や組織単位でワープロソフトをそろえていればワープロソフトはなんでもいいので、ワープロソフトは進化しますが、インターネットという大陸でつながってしまえば、強い種、つまりユーザの多いワープロに収斂してしまいます。さらにその強い種も自らを進化させたくても、ファイル互換性というコミュニティに属していないと生きていけないので、コミュニティの規定、つまりファイルフォーマットを逸脱するような進化はできなくなります。その意味では電子メールやWeb、P2Pでファイル交換の対象になるようなデータはフォーマットに関わるような進化は今後も期待できないでしょう。さて今回のフォーマット仕様の公開でかえって、数少ない独自仕様のオフィスソフトウェアもこの仕様にあわせるでしょうから、表現性の発展はますますなくなりそう。高い表現性をもった文書が作れて、Microsoft Officeとの互換性がなくても使いたくなるようなソフトウェアに登場してもらいたいものです。

2008年2月19日

東芝はDVD-HDの撤退を正式に発表したようですね。国内企業は一度始めた事業はどれだけ不振でも撤退を発表するところはすくないのですが、今回は明確に撤退発表をしましたね。実はこれは国内電機メーカではかなり画期的なことではないでしょうか。そもそも国内メーカでは事業撤退発表に社長自ら説明することもまれですからね。ところで500GB容量ハードディスクの見積をとったら1万円以下でした。単純に考えれば1GBあたり20円を切っているわけですが、一回だけ書き込みができるBlu-ray-R(25GB)が500円ぐらい、再書き込み可能なBlu-ray-RE(25GB)が1000円ぐらい。HD DVD-R(15GB)が1300円ぐらい。ということはBlu-rayもHD DVDも、ハードディスクと比べると相当割高ですよね。誰が買うのでしょうかね。次世代DVD同士であらそっているより、ネットワーク配信やハードディスクと争うべきですよね。勝者ということになっているBlu-ray陣営は、割高なBlu-ray事業を続けるために、ビデオのネットワーク配信などの新しいトレンドに乗り遅れてしまうのでしょう。MicrosoftはHD DVDに肩入れをしましたが、Appleは次世代DVDを無視して、ビデオネットワーク配信端末のApple TVを作ってビデオ配信に参入していますが、将来、大きな差になるかもしれません。

2008年2月18日

ひたすら講演資料や書類作りの日。夜は理論系の国際会議の論文査読3本。システム系論文の査読と違って、式の間違い探しもしないといけないので疲れます。それにしても計算理論系の論文は時間がゆっくり流れていますよね。論文中の参考文献もその多くが10年前のもの。ちょっとうらやましい気がしますが、変化が激しい世界の方がおもしろいです。

2008年2月17日

勤務先は大学院があっても学部がないので、大学入試はないのですが、大学は入試シーズンがまっさかりですね。理工系に限れば私立は一段落して、これから国立大学の入試が本場という時期でしょうか。さて今年度は私立大学の情報系学科は多くは志願者を減らしたようですね。いわゆる進振をする大学の場合はさらに入学後の情報系コースの希望希望者が減っているので、高校生にも大学生にも情報系は見限られたというところでしょうか。ただ、情報系産業は中国やインドなどへのオフショアが広がっていることを考えると、高校生も大学生も実は国内情報系産業の未来をよくわかっているのかもしれませんね。

2008年2月16日

東芝がDVD HDを撤退するそうですね。今回の報道は株式市場が閉まっている土曜日に記事になるあたりからして、撤退の地ならしをするために故意にリークしたのでしょうね。それにしても今後ネットワークを介したビデオを配信が普及すると、Blu-rayだろうとDVD-HDだろうと次世代DVDという市場そのものに先がない状態になります。その意味では国内他社に先駆けて次世代DVDをやめられるというのは東芝にとってものすごく大きなビジネスチャンスのはず。これでネットワークを介したビデオ配信事業に乗り出すこともできます。例えばUSENから赤字が続くGyaOを買い取るというのはいかがでしょうかね。いずれにしてもこのビジネスチャンスをうまく使って欲しいですね。まぁ無理だとは思いますけど。とはいってもBlu-rayにしてもDVD-HDにしても次世代DVDそのものがさきゆき怪しい状態ですから、どうせ沈む船ならば、船が沖から離れないうちに海に飛び込む方が助かる可能性が高い。もちろん先に海に飛び込んだ人が助かるかはわかりませんが、そのまま沈む船に乗り続けている人よりは助かる可能性が高いです。仮にその船が沈まなくても沖で漂うことになります。

2008年2月15日

またまた噂のノートPCの続きです。サイズはMacBookとほぼ同じなのでMacBookのケースを使えばいいのですが、TVCMにならって、カバンにいれるときは書類封筒にいれています。封筒形のノートPCケースがあってもいいかもと思っていたのですが、やっぱりありました封筒形の専用ケース。ちょっとほしいかもとおもいましたが、でも素材がね。吉田カバンとBEAMSのコラボで出した紙袋形のトートバックがありましたが、紙にみえるような素材を使っていてこちらは遠目ではたしかに紙袋にみえました。どうせ封筒形ケースを作るのであれば質感も紙封筒そっくりにしてほしいところ。ということでいいケースが見つかるまでは本物の書類封筒をつかうことになりそうです。

2008年2月14日

いそぎで論文執筆中。明日までに間に合いますでしょうか。今年になってから急ぎ仕事の論文執筆は何回目なのでしょうかね。さて噂のノートPCの続きです。バッテリ持ちですが、スリープ中のバッテリ消費が多いように思います。なぜなのでしょうかね。電源周りで何よりも困るのは充電が遅いことです。ACアダプターは小さいのです、電源容量もちいさいので充電がなかなかできません。ディスクはSSDにしましたが、書き込みはHDDよりも遅い感じがしますが、ランダム読み出しは早く、アプリケーション捜査中のディスクアクセスによる待ち時間は減った感じがしますね。先日、ハードディスク版を使っている人にみせてもらいましたが、大差ないといえば大差ないです。SSDの性能や特性を調べたいなどの特殊な要求がなければハードディスク版でいいかもしれませんね。いずれにしても別にMacintoshを持っている人かつ移動中や出先でノートPCを使う人には向いていますが、オフィスや家でしかPCを使わない人には向いているかは疑問かも。

2008年2月13日

先日、噂のノートPCが納品されたので、早速運用開始。いちおうA4書類用の封筒を持ち出して、お約束の写真とっておきました(写真1写真2)。この噂のノートPCですが、バッテリが取り替えられない、USBポートが一つしかない、Ethernetポートがついていないなどなど問題がいっぱいですが、それを差し引いても軽い(同じメーカ製の他のノートPCと比較した場合)。アルミボディなので剛性があり、国産の軽量ノートPCのようにグニャグニャ、ペコペコという感じがありません。また、キーボードはストロークがあり、普通に使えます。また、バッテリ持ちはカタログスペックでは5時間ですが、WindowsノートPCの測定条件だったら7時間ぐらい持つのではないでしょうか。だいたい一時間で15%強ぐらいのバッテリ減という感じ。プロセッサパワーは普段の作業であれば必要にして十分。この噂のノートは一般向けのマシンなのかはわかりませんが、サブマシンとして割り切れるのであればなかなかいい感じ。ところで現行マシンからのデータ移行には予想以上に手間取っています。現行ノートPC(MacBook)は320GBハードディスクなので、64GBしかないこのマシンにすべてのデータを移行することはできません。ということでまずは必要なデータだけを移行しはじめたのですが、無線LANだとIEEE 802.11nといえどもファイル単位で数十ギガのデータ転送するのは遅い、遅い。USBアダプターによるFast Ethernet接続でも遅い。ということで暇を見つけてはコピーをすることにします。それからシリコンディスク(SDD)だけのマシンは初めて使うことになりましたが、物理的ショックを気にしなくていいのはいいですね。数年先にはノートPCのディスクはSDDになっているのでしょう。少なくても故障率が少ないというのは法人向けでは重要ですからね。

2008年2月12日

Yahoo!の取締役会は正式にMicrosoftの買収提案の拒否を発表。拒否する理由は株の買取り額が少ないというもの。でも買取り価格の安さを拒否理由にしてしまうとYahoo!取締役会はむしろ追い込まれるだけですよね。Microsoftの買収条件は1月31日の株価の62%上乗せと破格の条件。買収を拒否する場合、Yahoo!株価が買収条件の水準を大きく下回る場合、Yahoo!の取締役会はYahoo!株主から訴訟を起こされる可能性がでてきます。一方でYahoo!はGoogleの前には存在感が薄らぎ株価も下がっています。自力再建だけではMicrosoftの株買取価格を超えるほど株価を上げることは不可能に近い。このためMicrosoftによる買収を拒否した場合は別のファンドに援助をもとめることになるでしょうが、投資会社の多くはサブプライム問題で手持ち資金がない。5兆円近い買収金額を考えるとMicrosoftよりもいい条件で買収できるのはGoogleぐらい。しかしGoogleとの資本提携は独占禁止法で縛られてYahoo!との資本関係は難しいし、Googleの場合はYahoo!の業務と重なるのでMicrosoftより合併効果が低いのです。このため仮にGoogleがYahoo!を買収できてもMicrosoftと同額またはそれ以上の買い取り価格を提示するとGoogle経営陣がGoogleの株主から訴訟を起こされる危険性はゼロではない。いずれにしてもYahoo!はGoogleを含む他のファンドの援助を受けても株価があがらなければYahoo!株主から訴訟を起こされるリスクはかわらない。いいかえるとYahoo!の取締役会は訴訟を防ぐために、Microsoftが買収をあきらめてしまうような事態だけは、なにがなんでも避けなければいけない状況ということ。一方のMicrosoft は、Yahoo!株主をおだててYahoo!経営陣に対して、買収話を断ったことで株の価値を不当にさげたとして訴訟を起こさせればいいだけ。少なくてもYahoo!の取締役会は株価の買取り価格が問題ならば、価格の安さによる買収拒否を発表するよりは、裏でマイクロソフトと交渉した方がいい。今回のYahoo!取締役会の発表は、先日も書いたように従業員をつなぎとめるために買収拒否のポーズをしているだけではないでしょうかね。最近のYahoo!の動きを見ていると、5兆円近くもかけて買収をしようとするMicrosoftも?ですが、Yahoo!経営陣はさらに?ですね。ところで米国の技術ベンチャー企業の買収では、買収する企業は、買収される企業の従業員を引き留めるために従業員に一定期間企業に残れば特別なボーナスやストックオプションを支給することが多いのですが(その期間がおわると一斉に辞めるのだけどね)、MicrosoftはYahoo!の従業員にはどのような条件を出すつもりでしょうか。その条件によってはYahoo!の従業員がMicrosoftによる買収に賛成にまわって、Yahoo!経営陣が孤立化する局面が考えられます。当方がMicrosoftの経営陣だったら、いまは(Yahoo!取締役会よりむしろ)Yahoo!従業員に向けて、内部リークという形で優遇条件に関するメッセージを送りますけどね。Microsoftはどう動くでしょうかね。

2008年2月11日

確定申告の時期になると給与明細がいろいろ届くのですが、今朝、郵政事業を所轄する某省から支払調書が配達確認郵便で届きました。配達確認付きにすると通常郵便よりも210円余分にかかるのですが、某省による日本郵便への経営支援の一環なのでしょうか、それとも某省は日本郵便の配達能力を信じていないのでしょうか。いろいろな省庁から郵便が届きますが、某省に限るとダンボール類も郵便で届きます(他の省庁は宅配便が多いけどね)。まぁ午後の委員会の資料をバイク便でその日の朝に送ってくる某省もこまりますがね。それにしても支払調書は物理的に送らないといけないのでしょうか。電子メールでも十分だと思うのですがね。いろいろなところから物理的に送られてくる支払い調書を集めて貼って確定申告する側も大変だし、支払調書を送る側もその印刷・郵送に伴うコストは相当大きいはず。例えば支払調書を受領者に電子メールに送るときに、同時に国税庁にも電子メールで支払明細書を送るようにすればいい。そうすれば国税庁も支払いの流れが容易に捕捉できるようになるし、税務事務も簡単化される。というわけで電子メールにしても納税側も支払い側も税務署も困らないと思うのですがね。もっとも税務署出身者の比率が高い税理士さんの仕事は減るでしょうから、税務署としては問題があるのでしょうがね。いずれにしても確定申告が完全電子化されれば日本全体における事務コストの削減は相当大きいと思います。

2008年2月10日

ヤフーはマイクロソフトによる買収を拒否するという報道がでているようですね。ただこれは解釈が難しいですよね。ヤフー経営陣が買収額を上げたいのであればまずは拒否するポーズをしてみますし、仮にヤフー経営陣がマイクロソフトによる買収に実はすでに同意していても社内向けの都合から買収拒否を表明するだろうからです。マイクロソフトにしてもヤフーにしてもが一番おそれていることは、ヤフーの社員の流出のはず。情報系企業は立派な生産設備も店舗もないので、一番重要な資産は人材。買収しても人材がいなくなっていたら価値はないですからね。一方のヤフーの経営陣は買収拒否を決めていたとしても、一連のリストラ騒動や今回の買収話により優秀な社員が流出することだけは避けたいはず。というわけで買収を受諾するにしても拒否するにしても、まずは拒否を発表するのではないでしょうか。それにしてもマイクロソフトは企業買収に5兆円もかけるのであれば、新版Windowsの開発に力を入れて欲しいですよね。

2008年2月9日

このページの1月10日にKDDI(au)の次期OS・ミドルウェアのKCP+の開発遅れのことをかきましたが、やっとKCP+の搭載端末が発売になったと思ったら、早速、ソフトウェアの不具合が出て回収にしていようですね。まぁKCP+搭載機種は遅れに遅れて春機種を発表したあとに、冬機種を発売するような事態になったのにね。今回の問題がソフトウェアどの部分で起きたのかは公表されていませんが、KCP+に関わるトラブルだとしたらこの機種だけでなく、今後KDDIが発売する多く機種にも影響することになり、ソフトウェア品質問題という爆弾を抱えながらのドコモとソフトバンクと戦うことになります。

2008年2月8日

経産省もたいへんですね。事務次官の発言が話題を集めていますが、この方はこれまでにも外資排除発言などいろいろありましたが、経産省トップが株主軽視を啓蒙しているようでは、海外投資家が日本売りにうごくのも当然ですよね。この方は一昨年の6月に事務次官になったはずなので、任期は今年の6月までだとは思いますが、6月までもちますでしょうかね。当方は学部生の頃に経産省(当時は通産省ですが)でアルバイトをしていたりと経産省とはいろいろ関わりがありましたが、最近の経産省はどうしてしまったのでしょうね。ところでこの方は競輪場に行く人のことを、「堕落した」人としているようですが、競輪って経産省の所轄だし、競輪の収益金は経産省OBの雇用に役立っているはずですがね。

2008年2月7日

溜まった仕事の後始末中。

2008年2月6日

急遽、チケットを入手して雪の中を新国立劇場でオペラ「サロメ」。1幕オペラなので9時15分頃には終了。歌手は全体としてはなかなかよかったです。特に王様役の歌手ははまり役というかぴったし。この演目はサロメ役が問題なのですが、踊り以外はまぁまぁだったのではないでしょうか(妖艶さはゼロですが)。ところで前半はオーケストラの演奏が前に出すぎて歌が聞き取れないという場面が多くは閉口気味。指揮者の問題なのか、オーケストラの問題なのかは謎ですが。新国立劇場の演奏は東京フィルハーモニー交響楽団または東京交響楽団が担当するのでするのですが、両楽団の差が出てきていますよね。残念ながらサロメは東京交響楽団。

2008年2月5日

今日は入試。当方は面接担当ではないので、午前中は新横浜で打ち合わせ。それからオフィス。その途中、某量販店でMacBook Airが展示されているのを発見。ちょっとだけさわってみました。たしかに薄い。薄いのでへにょへにょかなぁと思っていたのですが、筐体をちょっとねじってみるとかなり剛性感はあります。バッテリがはずせないなどいろいろ不満はありますが、軽さは魅力ですよね。それにしてもふっきれたノートPCですよね。機能を絞り込んで、他社の高機能化路線とは違いますし、薄さを強調する割にキーボードはMacBookや最近のApple純正デスクトップキーボードとはほぼ同じストロークを確保しているので、もう一段薄くできたのでしょう。おもったより使えるかもというのが印象でした。でも問題はバッテリですよね。

2008年2月4日

朝、満員の田園都市線で目の前に立った人は、ポケットにノートPC(VAIO T)をいれている人を目撃。その方はM65系のブルゾンを着られていましたが、M65のようにミリタリー系ブルゾンのポケットにはノートPCが入るのですね。しかもそのノートPCは稼働中。PCにヘッドホーンに接続して何か(音楽?)を聞いている御様子。これって昔流行ったウェアラブルコンピューティングの一つなのでしょうかね。以前、満員電車で、背の高い外人の方が、ノートPCを(座席上の)荷物おきにおいて、立ったままキーボードをたたいているのを見て以来の驚き。実はウェアラブルコンピューティングが話題になる直前(98年頃)、メーカから試作品のヘッドマウントディスプレー(HMD)などをお借りして、ウェアラブルコンピューティングをいろいろ試した時期があったのです。ただ、実際に使ってみると数多くの問題があり、ウェアラブルコンピューティングの研究には手を出しませんでした。例えばHMDでもファッションとして身につけるのと、HMDで仕事をするのでは大きな差があるのです。当時に疑問に思っていたのは、仮にウェアラブルコンピューティングが普及するとしてたときにその発展過程がどうなるかです。いきなりウェアラブルコンピューティング専用デバイスが開発されてそれらが普及するのか、それとも一般のノートPCや携帯電話をウェアラブルコンピューティング的な使い方をして徐々にウェアラブルコンピューティング専用デバイスが開発されていくのかということでした。ミリタリー需要のようにユーザがPCや携帯電話を使わないような特殊用途は場合は別ですが、(業務系を含めて)一般的な用途ではユーザは一般のPCや携帯電話も利用するわけで、そうなるとPCや携帯電話の延長線上にウェアラブルコンピューティングが出てくると予想したのです。そうなった場合は、ウェアラブルコンピューティングの研究をするにしても、ウェアラブルコンピューティングに特化した研究をするよりも、PCや携帯電話を想定した研究の方がいいことになります。ウェアラブルコンピューティングも実際に使って仕事をしてみると当方と同じ結論になると思うのですがね。いずれにしてもファッションとかウケ狙いで研究をすると失敗しますよね。ウェアラブルコンピューティングはそもそもミリタリー需要からうまれたものなので、米国のようにミリタリー需要がある国だと明確な目的があって、その手段としてのウェアラブルコンピューティングの研究がすすみますが、日本のように需要もないのに研究をすると、ウケ狙いでウェアラブルコンピューティングそのものをデモすることが研究目的になってしまって道を踏み外します。今朝、ノートPCをポケットにいれながら使っている人をみてわかったことは、ウェアラブルコンピューティングは専用デバイスをつくるよりは、大きなポケットの服を着て、小型ノートPCをポケットに入れた方が早道のようです。

2008年2月3日

昨日の続きですが、マイクロソフトがヤフーを買収することになったら、日本のヤフーはどうするのですかね。名前こそヤフーですが、株主は44%を保持するソフトバンクが筆頭株主で、米ヤフーは33%と2番目。米ヤフー買収により日ヤフーは微妙な立場になりますが、ソフトバンクもたいへんかも。マイクロソフトがソフトバンクから日ヤフー株を買い取ってくれればいいのですが、中途半端に現状の状態を続けたり、逆に売られるとするとたいへんそう。ソフトバンクは2兆円近い借入金があり、その際に日ヤフー株を信用担保にして資金をあつめていますから、日ヤフー株の価値が下がることだけは避けたいでしょう。一方、米ヤフーのマイクロソフト化が進むと、日ヤフーは米ヤフーのブランド力を借りた戦略は取りにくくなり、日ヤフーの株価はさがるとソフトバンクの資金調達能力が陰りがでてきます。当方がソフトバンク及び米ヤフーの幹部だったら、買収受諾発表の直後にでもマイクロソフトととの技術提携などを発表して株価維持に走ります。いまごろはソフトバンクと米マイクロソフトのあいだで交渉が進んでいるのでしょうか。さて日ヤフーですが、マイクロソフトによる買収期待で株価は一時的には上がるとは思いますが、マイクロソフトはわざわざ市場から株を買い集めなくても、大株主のソフトバンクから買えばいいので、長期的にはヤフー株はあまりあがらないのではないでしょうか。マイクロソフトがソフトバンクから日ヤフーの主導権をとるには、市場から買う場合は12%分を買わないといけませんが、ソフトバンクから買う場合は6%分を買い取れば十分(ソフトバンクは38%、マイクロソフトは39%になる)。逆に株価があがるとしたらマイクロソフトがソフトバンクから米ヤフー株を買い取る場合で、その場合は買い取り値段をあげるためにソフトバンクが株価をあげるための工作をした場合でしょう。ただ、当方の場合は、日ヤフー株が高騰する前に某銀行の役員の方に日ヤフー株を買うことを強く勧められながら、絶対に株価はあがらないと断言して買わなかったので、あてにはなりません。買っていたら億万長者でしたけどね。

2008年2月2日

マイクロソフトがヤフーに買収を申し込んだそうですね。ヤフーはグーグルに差をつけられていてこのままではじり貧。ヤフーは買収を断る理由はないでしょうが、マイクロソフトにはどんなメリットがあるのでしょうかね。よくわかりません。個人的にはヤフーはすっかり忘れられた会社名だったりしますが、特許などでどうしてもほしいものがあるのでしょうかね。一方のマイクロソフトも、Windows Live!などインターネットサービス事業に力をいれたものの、うまくいかない状況。個人的にはヤフーの買収よりも、豊富な資金力を持ちながら、自社のネット事業がうまく行かない理由の方が気になります。さてその理由ですが、例えば(1)マイクロソフトの社内体制がインターネットサービス事業、特に広告収入モデルに向かない。(2)Googleがすでに多数のサービスやユーザを握っていて、マイクロソフトはクリティカルマスに達せられない。(3)コア技術の特許をGoogleなどの他社がもっていてマイクロソフトは手を出せない。(4)Googleのようなインフラ事業に出遅れた。などなどが考えられますが、何が問題だったのでしょうね。Bill GatesやRay Oggieの講演やインタービューをみる限り、ここ3年間ぐらいはマイクロソフトは未来予測を的確にしていると思いますが、その予測にあわせて、それ自身を変えられないということが、マイクロソフトという会社の限界だったのかもしれません。

2008年2月1日

Googleの成長が鈍化してきているというニュースがありました。すでにGoogleは新サービスによる成長企業からインフラ提供企業にかわっているので当然といえば当然かも(といっても他の産業と比べたら十分高いですが)。それにしてもWebまわりのサービスはどこにいくのでしょうかね。Web 2.0を標榜するベンチャー企業がいっぱいありますが、結局、Google などの巨大インフラ提供企業の手の中で転がされているだけ。APIとかいうと聞こえはいいですが、自前でインフラを作るお金も時間もないベンチャー企業は巨大インフラ提供企業が提供するインフラを使うしかない。そうすれば手っ取り早くサービスが展開できますが、同じインフラを使う他のベンチャーとの差別化はますます難しいし、結局、活きるか死ぬかはインフラ提供企業しだい。インフラ提供企業側がサービスの提供方法を変えるだけでも、成り行かなくなる企業がいっぱい出るような始末。ここまではWeb 2.0では当たり前の議論なのですが(Web 2.0は地主と小作人の再現というそうですが)、問題はこの先なんですよね。当方の予測をいうと、おそらく今後、Googleに代表されるインフラ提供企業は、サービスの高度化などの聞こえのいいうたい文句とともに、無料で使えるインフラサービスの仕様を頻繁にかえる一方で、継続してサービスを提供してほしい場合や利用料を徴収するのではないでしょうか。サービスを展開するベンチャー企業は当然、継続して同じ仕様API でサービスを受けたいわけですが、サービスをうまく軌道に乗せられたベンチャー企業は収益もあるでしょうから、多少の支払いは許容できるはずです。無茶苦茶に聞こえますが、進化論的にいうと、環境変化を強制的にして進化速度をあげるのと同じ。環境変化をすることで、現在の環境にうまく適応していない種(儲からないサービス)は淘汰させると同時に、変化に適応する強い種(開発力のあるサービス)や新しい種(新しいサービス)の登場を促す。また、現在の環境に適応してしまった種(いま儲かっているサービス)のために、有料とはいえ現在の環境に住み続けられるようにユートピアを用意してあげればいい。また、一つの種(サービス)の寿命を何年ぐらいに設定すると、Webのサービス全体が一番発展するのでしょうかね。いずれにしてもWebの世界が今後も発展させるためには、強制的に進化させるメカニズムは必要になるのではないでしょうか。もちろん、これはWebの世界に限ったことではありませんが。

2008年1月31日

論文の一本あたりのコストを文部科学省の科学技術政策研究所で調査したそうです。報告書は見あたらず、記事の方を読んでいますが、ちなみに論文誌の論文1本で東大の場合は1845万円だそうです。どのような論文なのかによりますが、コストが高すぎですよね。さて当方の場合はですが、年間4本以上は論文誌に単著論文を通していますが、費用対効果は無茶苦茶いいですね。

2008年1月30日

明日で日経金融新聞が廃刊になります。日経新聞の姉妹紙には日経流通新聞(日経MJ)、日経産業新聞、日経金融新聞の3紙があり、好調な2紙に比べて日経金融新聞は発行部数が伸びていませんでしたからね。日経金融新聞は当方が大学に入った頃に創刊だったはずで、いわゆる財テクブームが花盛りのころでした。そのころの日経金融新聞は市況データがひたすら並んでいる誌面で、データを並べて、短い解説を入れるだけで新聞になるのだと驚いた記憶があります(最近の紙面は解説が結構おもしいです)。ただ、市況データはネットワークを通じてリアルタイムに見られる時代ですから、一日一回の新聞では限界がありますね。また、日経関係者(日経新聞の方)から伺ったところでは、銀行や金融機関が統廃合されたために、広告主が減ってしまい、その結果、広告数が減ってしまったのが痛かったそうですが。それにしても新聞ビジネスはたいへんですよね。ネットワークで新聞が見られるということもありますが、いわゆる2007年問題で一番影響をうけるのは新聞業界ではないでしょうか。いわゆる団塊世代は新聞好きといわれますが、その団塊世代が退職して第一線を退くと、家でも会社でも新聞を読まなくなりますし、まして日経の業界向け新聞の場合は退職してからも購読を続ける人は少ないでしょう。また駅売りの新聞も買う人が減るわけで、駅売り主体の新聞は部数が落ち込んでいるのではないでしょうか。

2008年1月29日

懸案の論文は6時過ぎに投稿して、そのまま新幹線。8時半には名古屋に到着。さすがに一日おきに徹夜仕事はつらく、だんだん自分がどこにいるのかもわからなくなってきています。ところで行きの新幹線は新型(N700系)とわかっていたので、今回はACアダプター持参。やはり電源があるといいですね。帰りも新型新幹線となりましたが、貫徹明けということもあって集中力なしでした。ところで新幹線では社内無線LANサービスが始まるそうですが、一両ごとにアクセスポイントがあるようです。乗っている車両の他に前後、4両のアクセスポイントと思われるESS-IDを確認。どのぐらいの速度がでるのかわかりませんが、新幹線で移動中もメールが追ってくることになります。まずは利用料金、そして通信速度が重要になってきますが、メールの読み書き程度が不自由がない程度の速度として、東京-新大阪の移動中(約2時間30分)にいくらぐらいならば払うのでしょうかね。個人客よりも法人客が主体でしょうから、やはり法人向けの割引料金を知りたいところです。実は24時間いつでもどこでも常時接続を望むのは、一部のユーザ(ネット好きか学生さんなど)に限られるのではないでしょうか。ただ、そうしたユーザも実際にお金を払ってくれるとは限らない。また、法人需要、仕事でネットワークを使っている方は、接続できるときに接続できればいいと思っていますから。旅客機のインターネット接続サービスのように、サービス開始前の調査では要望は高かった割に、実際に初めてみるとユーザが少なくて、サービスが中止になることもありえますよね。ところでトンネルではどうなるのでしょうかね。

2008年1月28日

一昨日にちらっと書いた、もう一本の国際論文を執筆・投稿。昨日から書き始めて今日投稿しないといけないという、ありえない強行スケジュールです。書き上げられるかどうか、お偉い先生から問い合わせの電話を直接いただくことに。ということで一昨日に引き続き徹夜仕事。なんとか書き上げましたが、ろくに読み返すこともなく投稿となってしまいました。

2008年1月27日

オフィスで仕事をしたかったものの今日は停電の日。ただ、停電前に論文が送付ができてやれやれ。論文投稿はWebなのですが、投稿用のURLをメールで送ってくるので、停電などでメールが使えないとお手上げなのです。

2008年1月26日

急ぎで英文論文執筆。当然、今週書いた論文とは別案件。今回はまったくの新規ネタではないので多少は楽とはいえ、すぐに書けるわけもないし、今日は夕方から用事があったこともあって、その用事に出かけるまでギリギリまで書いて、未明から執筆再開。結局、朝方までかかってしまいました。それにしても仕事が雑ですね。今年は丁寧な仕事をしたいと思っていましたが、1ヶ月をたたずにして、雑な急ぎ仕事が多くなっています。実はもう一本抱えていますが、どうしましょう。

2008年1月25日

ASUSの小型ノートPC(Eee PC)が国内にも登場するようですね。4GBといえどもSSDで5万円ならばお買い得ではないでしょうかね。実は米国発売されたEee PCを見せてもらったことがあるのですが、一般のノートPCのイメージで使うとがっかりでしょうけど、割り切ればいいのかも。それにしても4GBでWindows Vistaはなかり工夫しないと動かないでしょうし、Windows XPでもつらいですよね。むしろWindowsやアプリケーションを4GBに収まるようにあれこれ工夫することに喜びを覚えるような人でないと向かないでしょう。ということで当方は感心な氏です。

2008年1月24日

二つの事故で田園都市線がとまっていましたが、他線に回避して帰宅。それにしても用賀駅は事故がよくおきますね。今回はレールの接続部分の溶接が切れたそうですが、一昨年は電車がホームに擦るという事故がありました。用賀駅を含む田園都市線の渋谷と二子玉川間は首都圏でも有数の満員路線なので、線路や車両への負担も大きいのでしょう。そういえば田園都市線といば、田園都市線・半蔵門線の渋谷駅は、いつのまにか東京メトロの表示デザインから、東急の表示デザインに変更されているのですが、どうなっているのでしょうか。駅員さんも東急の人がなっていたので、東急の管理にかわったのでしょうかね。話はかわってフランスの銀行Societe Generaleで、ディーラーによ不正取引で7600億円の損失がでたという報道がありました。世界的な株安で不正な投資が発覚したということでしょうか。ディーラー1人でこれだけ損出を出せるというのもすごいです。フランスに住んでいた頃はSociete Generaleに口座をもっていたので、当時だったら心配になるところでした。こうした不正投機は他の銀行でもありそう。株安が傾向が長引くと、株高だったら見つからなかった不正投資もみつかりますよね。

2008年1月23日

ドコモのFOMA携帯電話から.Macのメールを読めるようなサービスが発表されましが、.Macのユーザには魅力的かも。すでにKDDI(au)はGmailをつかるなど、携帯電話でもデータををサーバ側におくことが増えそう。携帯電話のソフトウェアのバグが問題になった時期に、携帯電話のThinクライアント化が検討された時期があるのですが、当時は通信速度も遅いしパケット代も従量制だったので、立ち消えになったのですが、いまならば大丈夫かも。いまは携帯電話の機能はふくれあがっていますが、今後、携帯電話の機能、例えばメールやスケジュール帳などなどはサーバ側に移っていき、空っぽになっていくのでしょうね。PCよりも先に携帯電話の方がThinクライアント化するのではないでしょうか。それでPCの方ですが、ストレージ量もプロセッサパワーもあるので、いきなりThinクライアントになることはなく、10年ぐらいはハイブリットな状態を続けるように思います。

2008年1月22日

株価がさがっていますね。今日は5.6%の下げで、すんなり1万3千円を割り込んでしまいました。昨年どころか、今年のアナリスト予想の変動レンジをすっかり超えています。今晩、FRBが利下げをしましたが、それにもかかわらずNY市場は荒れているようですね。FRBはさらに利下げをするかもしれませんね。当方は株はもっていないので株価がさがっても顔面蒼白ということはないのですが、まわりまわっていろいろ影響があるので無関係はいられないのですよね。

2008年1月21日

ソフトバンクが、学生向けとはいえ、携帯電話の基本料をゼロにする料金プランを発表。当然、売り上げは減るわけですが、、携帯電話キャリアの利益率はドコモが18%、KDDIが14%なのに対して、ソフトバンクは10%程度。それがさらにさがることになります。もちろん過去にKDDI(au)が学割料金を導入して、その後の継続契約で業績を回復させたことがあるので、収益度外視した顧客数優先策はアリなのですが、KDDIの学割キャンペーンをしたころは携帯電話の普及率も低かったし、顧客の年齢も高かったのですが、ソフトバンクはボーダフォン買収後は若年層を中心に顧客を集めていたので利益率は落ちますし、学割対象外の利用者は逆に割高感から逃げることになります。ソフトバンクの場合は基地局整備が必要なのですが、その整備費用が減ることになります。その状況で利用者が増えると、都会でもつながりにくい状況がでてきます。そうなるとビジネス客などの学割対象外の利用者が逃げることになるので、ますます若年比率が上がって利益率が下がるという悪循環になりかねません。ソフトバンクもシミュレーションしたうえでの決断なので勝算ありとみているのでしょうが、もし財務内容が悪化したとき、現在のように株式市場が悪化している状況だと増資や社債発行は難しいわけで、大賭けですよね。

2008年1月20日

緊急で論文を一本書くことになり、ひたすら執筆中。締め切りは明日。英文16ページ(LNCSフォーマット)。内容的にも新規ネタなので全部書き下ろし状態。ひとまず8ページは書きましたが、間に合うかは危ないところ。

2008年1月19日

今日からセンター試験ですね。当方の勤務先は大学院はあっても学部はないので、センター試験とは無関係。ということでゆっくりさせていただきます。前の勤務先では毎年、試験監督をさせられていましたが、試験監督は疲れます。早朝出勤だし、一日中拘束されるし、ミスは許されないし。受験生もたいへんだと思いますが、試験の監督や事務局の苦労もわかってほしいですよね。今回のセンター試験も携帯電話の着信音などなどいろいろトラブルがあったそうですが、完璧を求められてもね。でもリスニングマシンの不調は181人だったそうですが、54万人が受験ということは、54万分181ということでエラー率は0.03%ということになります。受験生は一生がかかっているので不調は許されないでしょうけど、全国規模の大規模システムで、エラー率は0.03%というのはかなり信頼性が高いです。

2008年1月18日

まわりからMacBook Airについてコメントを求められるので一言だけ(当方にきいても無駄なのに)。MacBook(2.3kg)を持ち歩いている当方としては、MacBook Airの軽さ(1.3kg)は魅力ですが、バッテリが取り外しできないので、海外出張の飛行機で、エコノミーシート(シート電源ない) では予備バッテリと取り替えながら長時間仕事ができないのはネックかも。それは個人的な事情ですが、MacBook Airはサブマシンであって、メインマシンで使うマシンではないと思います。いずれにしても万人受けするマシンではないと思います。ただ、今後のPCトレンドを占う上では重要かもしれません。(国内マーケットではなく海外マーケットにおいて)MacBook Airのような軽量マシンが登場してくるのではないでしょうか。国内ではLet's Noteに代表される軽量&フルスペックマシンが人気を集めていますが、サブマシンと割り切れば機能を絞り込むこともできます。もちろん、いままでもサブマシンは提案されてきましたが、問題はサブマシンとメインマシンとのデータのシンクロでした。当然、サブマシンで使われるSSDのデータ容量が小さいので、シンクロが難しい。しかし、いまは常時ネットワークにつながるわけですし、一般ユーザでもiPodなどでデータのシンクロはなれてきているので、その敷居は低くなっているように思えます。いずれにしても先進国ではPC市場は飽和気味、PCを売るには一人で複数台PCを持ちたくなるような仕掛が必要です。また、さらに先になるとサブマシンとメインマシンという組み合わせから、サブマシンとネットワーク上のストレージ&計算サービスの組み合わせに移行するでしょうから、10年先のPCというとMacBook Airのようなサブマシンの発展形ではないでしょうか。

2008年1月17日

SunがMy SQLを10億ドルで買収だそうです。昨日、OracleがBEAを85億ドルで買収しているので、10億ドルといっても多く感じなくなっていますが、オープンソース系ソフトウェアで、さらに大して利益を稼いでいるとも思えないMy SQLの値段が10億ドルというのは驚きです。ただ、Sunにしてみるとデータベースシステムがほしかったのでしょうね。これでエンタープライズ向けミドルウェアを手がけるOracle、IBM、Microsoft、Sunは自社データベースシステムをもつことになります。今後はファイルシステムとデータベースシステムは不可分になっていくではないでしょうか。Unix文化に染まるとファイル単位でデータ管理するクセがついてしまいますが、高度なデータ管理をするためにはファイルシステムはデータベースシステムに近づいていくしかないわけですから。

2008年1月16日

再生紙の古紙比率が問題になっていますね。再生紙は勤務先は行政機関ということもあり、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)が適用されます。ということでコピー用紙などはすべて再生紙になっています。報道されているように100%古紙とうたった製品でも、実際には10%程度しか含まれていないケースもあるそうです。でも、これって結構知られていましたよね。個人的には額面通り受け取っている人がいたことの方がおどろきかも。でも理想と現実は別で、某省などは研究所助成の報告書も所定の古紙比率以上の再生紙でないといけないですし、そのうえ提出した書類の再生率も報告書を作らないといけません(そこまで環境を気にするのならば印刷せずにファイルで提出すればいいと思うのですが)。ちなみにグリーン購入法には環境物品等として「再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料」と定義しているだけで、実は100%古紙を要求しているわけではない。なのに100%古紙という数値だけが一人歩きをしている感じがしますね。漫画雑誌のように色つきの紙にして漂白コストを下げない限りは100%再生は難しいですよね。大手の製紙会社はパルプからの製造が中心で、古紙比率の高い再生紙の製造は中小製紙会社が中心。大手製紙会社に高い古紙比率を期待する方が間違っているかも。またグリーン購入法では環境物品等の定義として上記に加えて「 環境への負荷の低減に資する原材料又は部品を利用していること、使用に伴い排出される温室効果ガス等による環境への負荷が少ないこと」もあげています。しかし、再生紙を作る過程で、古紙を漂白するコストは高く、特に石化エネルギーを使うので、温室効果ガスの影響(負荷)という点では再生紙は環境物品等といえるかは難しいところです。もちろん古紙10%で古紙100%という製紙メーカは論外ですがね。リサイクル問題は人それぞれ考え方があるわけですが、理想論ではなく現実論で考えないとね。ところでワシントンタイムズの記事によるとOracleがBEA Systemsを買収だそうですね。かねてから噂のある組み合わせでしたが、買収額85億ドル(9千億円)とは結構いいお値段ですよね。そもそもBEAってそんなに価値あるという気もしますが。いずれにしてもエンタープライズ向けミドルウェアの巨大企業ができることになり、今後のミドルウェア市場への影響は大きいですよね。

2008年1月15日

所用で三重県。帰りの新幹線はN700系、しかも窓側席。でもACアダプターを持っていかなかったので、座席に電源コンセントがあっても意味はなし。ところで東京株式市場の株安がとまりませんね。14日のNY市場はあげたので今日は戻すかとおもったのですがね。多くの株式売買プログラムは下落率が大きいときは損出拡大を防ぐために手持ちの株を売却するようにアルゴリズムが設定されていることが多いのですが、今年に入ってからの下落の仕方はその設定条件にはいっている可能性が高いですよね。15日のNY市場は大幅な下げから始まっているので、東京市場がその流れを引き継ぐと明日も急落する可能性が高く、そうなると損出拡大防止の設定条件にはいるプログラムがますます増えるわけで、プログラムの売りが売りを呼んでしまいます。投げ売り状態にならなければいいのですがね。ちょっと怖いですね。Macworld Expoも気になりますが、今晩はNY株式市場の方が要注意ですよね。

2008年1月14日

明後日からはMacworld Expo。Macintoshユーザが一喜一憂する日が近づいてきました。注目のJobsの講演(日本時間の16日未明)では軽量ノートPCタイプのMacintoshは発表されるでしょうか。会場には「There's something in the air.」というバナーがかかっているそうですが、こうした謎かけはうまい会社ですよね。Macintoshは世界的には好調だそうですが、日本市場では実はMacintoshの売り上げが落ちているそうです。日本市場向けモデルでも投入しないと盛り返しは難しいかも。

2008年1月13日

寒いですね。都立現代美術館に企画展を見に行く。連休&会期末(1月20日まで) ということもあるかもしれませんが、結構混んでいてびっくり。最近だと森美術館の「六本木クロッシング2007」と似た内容なのですが、トリエンナーレで展示されるといいようなものも多かったですね。作品は体験ものを多くしたので楽しみやすみかったのです。ただ、メディアアート系(ビデオ系だけでしたが)はクオリティがちょっと低く、森美術館の企画展の方がよかったかも。

2008年1月12日

オフィスに行こうかと思っていましたが、雨だし寒いしで自宅でプログラミング。ところでPCの熱を再利用する方法はないのでしょうか。例えば寝る間際までノートPCで仕事したら、布団にいれて湯タンポとして使うとか。温風ヒータ型PCをつくって、それを机の下においてPCの放熱で足元を暖めるとか。赤ちゃんのいる家庭だったら、PCの放熱でミルクを人肌に温めるとか。人に話すと笑われるのですが、実は結構まじめにかんがていたりします。PCの省電力に限界があるのであればせめて発熱ぐらいは有効に使いたいですね。

2008年1月11日

組み込みソフトウェア関連の記事の執筆依頼。丁重にお断り。家電向けの組み込みコンピュータの特集号だそうです。ここ数年は「組み込み」と「ものづくり」がお題目のように唱えられていましたが、個人的にはいまひとつピンときていなかったりします。もちろん、組み込みにもいろいろあって、医療や生産設備などの非コモディティ分野は重要だと思うのですが、家電製品のようなコモディティ製品は利幅が小さいので、日本のように人件費の高い国でやっても、中国などの新興国との競争に勝てるとは限らない。もちろん草案単に業態をかえられるわけではありませんが、今回の執筆依頼のように(家電分野で)「組み込みコンピュータ産業を推進してものづくり立国」といわれてもね。コモディティ製品でも研究開発は日本でやって生産を新興国に任せればいいのかもしれませんが、決まり文句のように「ものづくり」とか「国産○○」を唱える国内メーカはその一方でコモディティ製品の生産だけでなく研究開発まで海外に移していますからね。人件費の高い国の場合、金融のような利益率の高い分野に特化しないと生き残れないです。まぁアカデミアにいるものが何を言っても説得力はないのですが。英国などは金融工学とコンピュータサイエンスの融合が進んでいて、これが英国の金融産業を支えていますが、一方、日本のアカデミアは、非メーカ向けの理工系人材を養成するどころか、理工系学生が銀行や投資会社に就職するのはけしからんとおっしゃる方がいまだにおられますから。

2008年1月10日

いま使っている携帯電話KDDI(au)の機種更新を考えているのですが、当初はau端末にするつもりでしたが、特に欲しい機種が見つからず、他社を検討中。それにしてもauは大丈夫なのでしょうか。一昨日、シャープ製のKDDI(au)端末W61SHを前倒して発売することを発表しましたが、W61SHはいわゆる春モデルでそのまえに、auの標準ソフトウェアプラットフォームKCP+の初搭載機(W56TやW54S、W54SA)を昨年発売するはずだったのですが、KCP+を搭載しないW61SHを先に出すとはね。auは端末だけでなく基地局の方も問題山積で、Rev.Aもエリアが広がっていませんし、このままだとKDDIだけが純減という事態もあるかもしれません。KCP+に関しては、実質、開発をT社に任せたわけですが、噂で聞く限りはいろいろたいへんなようですね。というわけで実はKCP+が標準で搭載されるようになる前に機種更新を考えたのです。個人的事情はともかく今後は料金モデルの変更により、端末価格が高くなって、そのかわり通信・サービス料が下がることになります。そうなると端末の保有期間は伸びるわけで、2 年や3年先にも通用するようなハイスペック端末のカテゴリと、ともかく端末価格が安いロースペック端末のカテゴリに二分していくと思われます。現状のauは前者のカテゴリに対応するソフトウェアプラットフォームであるKCP+に手間取っている状況なので、後者のカテゴリに軸足をうつすしかないでしょう。それでもau自身は通信料で儲かるのでいいかもしれませんが、端末メーカからみるとau用端末は価格が安くなる、つまり利益が少なくなり、いまのように開発してくれないでしょう。ちなみにドコモの場合、90xシリーズは前者のカテゴリ、70xシリーズが後者のカテゴリになります。ただ、70xシリーズは後者のカテゴリにしては端末価格が高いので、今後は機能的向上はおさえて、むしろ端末価格を下げる方向に開発方針を変更しないといけないでしょうね。いずれにしても通信料が下がる代わりに端末価格があがる料金モデルになると、ユーザは端末価格を意識するようになります。機能を維持しながら端末価格を下げるには、携帯通信キャリアを超えて出荷台数をあげる必要があります。そのためにはドコモとソフトバンクは通信方式が類似しており、共通化ができるので端末の数は増やせますが、auはQUALCOMMのCDMA2000という特殊な通信方式なのでau専用となり数が出ない、つまり端末価格を下げるのは難しい。さらに海外メーカ製の端末もどちらかというとドコモとソフトバンク方式に近く、ドコモとソフトバンクは海外メーカの安い端末が使えますが、auはそうもいかない。またKCP+がまともに動くようになっても、KCP+はそのアーキテクチャからしてQUALCOMMのチップセットを使うことが前提になっているので、KCP+を前提に開発されたau端末は他の携帯通信キャリアには使えないわけで、KCP+はauの首を絞めるかもしれません。それにしてもミドルウェア/OSのアーキテクチャ設計は難しいですね、下手をすると事業そのものをつぶしかねません。

2008年1月9日

ここ一週間ほど悩んでいた問題が解決。今回もマルチスレッドの同期で失敗していました。わずかな性能をあげるために非同期IOを使ったのがまずかったです。それにしてもJava ver.6のスレッド関連のデバッグ機能は結構優秀ですね。ところでマルチスレッドを多用したソフトウェアをテストするために、各種スケジューリングを考慮したテストケースを生成してくれるフレームワークはないものですかね。相違なOS、コア数が異なるコンピュータを用意してテストはするのですが、手間がかかりすぎです。正月休み中にコア部分だけは実装する予定でしたが、いまだに部分パーツからして不具合が多すぎ。まぁ今回はテストドリブンで開発したので先に不具合が見つかっているだけなのですが、一人で研究用ソフトウェアにはテストドリブンは向かないかも。一人でコツコツ開発する場合はそれでなくてもモチベーションをたもつのがたいへんなのに、全体がみえないうちからバグつぶしに明け暮れるとへこみます。ある程度作って完成イメージをかためてからバグをつぶしと機能追加をしていった方がモチベーションが維持できるかもしれません。それと一人で設計・開発する場合、テストケースの作成も開発者本人がすることになるので、フェアなテストになっていないのですよね。いずれにしてもこのペースだとだいぶ時間かかかりそうです。

2008年1月8日

CESが開催中ですね。松下が150インチ(4096×2160)のプラズマテレビを発表したそうですね。サムソンなどの大手ディスプレーメーカは不毛な大画面競争から抜けていたのですが、まだ続けているメーカがあったといことの方がニュースかも。いい加減、不毛なスペック競争から卒業してほしいです。去年よりも数値的性能をあげるというのは研究開発の目標としてはわかりやすいかもしれませんが、それでは新しい利用形態や新しいジャンルの製品は提案できません。国内電機メーカの状況を象徴するような発表ですね。大画面テレビといえば、先日、150インチが登場するまで最大プラズマテレビだった103インチのプラズマテレビを見る機会があり、その利用ケースとして住宅のリビングルームにおいて(海辺の風景など)環境ビデオを流すなどをデモを拝見したのですが、個人的には大きなテレビよりも、そんな大きなテレビがおけるような広々とした壁がほしいです。それにしても多くの人がYouTubeなどの小画面&低品質ムービーで満足しているのですが、大画面&高解像度テレビに需要があるのでしょうかね。

2008年1月7日

日経産業新聞に当方の研究の記事がでました。それかが結構詳しく書いてあってびっくり。チーズケーキファクトリー(CCF)が倒産ですか。5日に某ショッピングモールでチーズケーキファクトリーの前を取ったばかりでした。用賀のCCFでは食べ放題コースがあったそうですが、さすがにチーズケーキばかりの食べ放題はね。チーズケーキはたまに無性に食べたくなって買うのですが、先月、横浜の某デパートでグラマシーニューヨークで1500円チーズケーキを(運良く並ばずに)買ったのですが、さすがに一人で食べるのは多すぎでした(普通はしませんよね)。それはさておきチーズケーキファクトリーの倒産原因は店舗数を急激に増やしたことだそうですが、最近はショッピングモールなどの大型商施設が増えて、そうした商施設がちょっと有名になった店を誘致するので、身の丈を忘れると資金的にも品質的にも経営規模についていけなくなるのでしょうね。ところで米国のチーズケーキファクトリーはハンバーガーからステーキまでやっているファミレスみたいなレストランなのですが、今日倒産したチーズケーキファクトリーとは関係あるのでしょうかね。スイーツ屋は店舗数が増えるとともに味が落ちますよね。当方が知る限りは3店舗ぐらいが限界で、それより店を増やしたスイーツ屋でおいしいところを知らないです。

2008年1月6日

Netscapeブラウザの開発&サポートが終了するそうですね(Netscapeの公式ブログの告知)。実はNetscapeにはいまさら関心もなく、年末に終了が発表になっているのに気づいていませんでした。MicrosoftのInternet Exploler (IE)と競争に負けたわけですが、個人的には自滅したというのが実情ではないかと思っています。Netscapeはver.3までは多くのPCにプリインストールされているなどメジャーWebブラウザだったわけですが、ver.4ぐらいから凝ったUIデザインや(使いもしない)機能がやたらに増えて動作が重くなりました。一方でIEはver.3からver.4にバージョンアップしたときに急激に使い勝手がよくなりました。それとNetscapeはメジャーバージョンアップのたびにスクラッチから作り直していたようです。ソフトウェアはメンテナンスするより書き直した方が早いことが多いのですが、書き直して成功した大型ソフトウェアは少ないというのも事実。Netscapeは開発マネージメントの失敗とみることができます。テクノロジーの進歩は断続的進歩と連続的進歩に大別されます。前者は大きく発展するかもしれませんが、失敗する可能性も高い。ただ、Webブラウザのように規格があってそれへの準拠が求められる製品の場合は断続的進歩がいいとは限りませんし、さらにNetscapeのように成功した製品の場合は難しいですよね。研究用ソフトウェアの場合は予定調和的な進歩では仕方ないので、スクラッチから書き直すことも多くなるのですが、(当方の場合は特に)当然失敗することも多いのですが、あえて断続的進歩を試みるのが、連続的進歩に陥りやすいオープンソース開発と研究用ソフトウェア開発をわける境界ではないでしょうかね。

2008年1月5日

次世代DVDは規格争いが続いていますが、映画会社のワーナーがHD DVDからBlu-ray単独支持にまわったことで、ハリウッド6大映画会社のうち20世紀フォックス、ソニー・ピクチャーズ、ディズニーとワーナーがBlu-ray単独支持となり、Blu-rayとHD DVDの両方支持はパラマウント映画、HD DVDの単独支持はユニバーサル映画だけとなり、Blu-rayが優勢になりました。HD DVDの2〜3割程度落ち込む計算。これで次世代DVD規格争いは決まりかもしれません。問題はHD DVD陣営の引き際ですよね。VHSとβの争いのときは、一般にはVHSの勝ち、βの負けということになっていますが、ソニーに限ればどちらがかっても負けはなかった。当時、ソニーは業務用ビデオを作っていたためにビデオに関する特許の多くはソニーが保持しており、VHSはソニーから特許ライセンスを受けずにはVHSは作れなかった。つまりVHSが売れてもソニーはライセンス収入がありました。実際、ソニーの知財担当者に伺うと当時、ソニーはVHS機器を扱っていたメーカから相当な特許収入があったそうです。ちょっと余談ですが、ソニーがVHSに参入するときに、VHS陣営はソニーに高価格帯のS-VHS 機器を扱わせなかったことが、VHS陣営の次の失敗。この結果、ソニーは高価格機器が作れないので低価格VHS機器を拡販したために、VHSは価格が暴落、なのにソニーは特許ライセンス料は下げていないので、ビクターなどのVHS陣営はむしろソニーへのライセンス支出比率だけが増えることになりました。おそらく早い段階でソニーのS-VHS参入を認めてみればソニーは高価格帯製品に特化してビクターはいまでも存続できたしょうにね。さてBlu-rayとHD DVDですが、VHSとβのときと比べて特許上のオーバーラップは少ないといわれていますし、HD DVDが劣勢挽回するのは唯一、HD DVDのライセンス料を大幅に下げて台湾・中国メーカの支持を得て、PC用機器としてシェアをとることだけでしょうね。でもその場合はライセンス収入は期待できないわけで、HD DVD陣営はこれまで開発費用を回収するのは難しいわけで、いずれにしても敗戦処理がたいへんですね。

2008年1月4日

株はたいへんなことになっていますね。当面は反発要因がないですから、来週もたいへんそう。

2008年1月3日

プログラムのメソッドや関数、制御のブロックサイズはどれぐらいいいのでしょうかね。11月から開発用マシンを17インチMacBook Proに移行したのですが、ノートPCといえども17インチ液晶(1,680×1,050)になると画面が広くなったのですが、このマシンに移行してからはメソッドのサイズが増大気味なのです。似た話題としては画面解像度の制約から一行は80文字がいいとされていた時代がありましたが、いまではそんな制限を気にする人は少なくなりましたし、80文字以下で折り返されたプログラムはかえって読みにくい。ただ、一行あたりの文字数は単に表現上の問題で、プログラムの構造は変わらなかったのですが、ブロックサイズはプログラムの構成そのものに関わる問題になります。ディスプレー(のピクセル数)が増大するとともにプログラミングスタイルやプログラム構成がかわるとしたらちょっとした発見ですよね。やはりXGA程度のディスプレーではちまちまと開発している限りは、小さなメソッドしか書かないようになってしまうかもしれません。また、ディスプレー解像度はプログラミング言語のデザインにも影響しますよね。いままでは小さな部品を集めてプログラムすることがいいということになっていましたが、多少大きな部品をつくってもメンテナンスできるのであればいいわけで、プログラミング言語も大きなブロックの可読性に優れた言語デザインが求められるかもしれません。その意味ではスクリプティング言語もコンパクトに書くことをねらった言語(どれとはいいませんが)は時代に合わなくなるかもしれませんね。この問題は下流工程だけでなく上流工程にもいえるはず。UML図も詳細化有無の基準として画面に収まるか否かがひとつのファクターになっていますから、解像度が上がればソフトウェアのデザインの仕方がかわるかもしれません。

2008年1月2日

海外のWebメディアの記事ですが、「Java is becoming the new Cobol」だそうです。たしかにこれはいえています。記事では.Net系言語やRubyなどのようにもっとモダンな言語があるから、JavaはCobolのようになったという記事なのですが、別の見方もできるかも。いままではCobolで書かれていた処理をJavaで書くことが多くなったという部分があるように思います。その意味ではJavaはCobolがこなしていた機能要求までサポートすることになり、言語としての位置づけが変わってしまったように思います。いずれにしてもJava言語の複雑化・巨大化の結果、Javaが普及し始めたときの、C++などに比べてお手軽に使えて、手っ取り早くプログラミングができるという優位性はすっかりなくなったのは事実ですね。ところでJavaの創始者であるSunはどうするのですかね、どこかに身売りすることになるとは思いますが、富士通が買収したりしてね。

2008年1月1日

新年ですね。だからといって何も変わりませんけど。今年もVienna Philharmonicのニューイヤーコンサートをみる。今年のオペラ指揮では有名なGeorges Pretreがタクトを握りました。過去最高齢でしょうかね。でも今回もあいかわらずアグレッシブな演奏でした。音の重ね方などをVienna Philharmonicの特性を上手に使った演奏で、かなりのできばえだったのではないでしょうか。それにしても選曲が国際性に重点がおいていましたし、来年のサッカーヨーロッパカップがオーストリア&スイスで開催されることを強く意識した演出ですね。また、中継ではひさしぶりにスペイン乗馬学校が登場でした。コンサートホールのロビー&通路での生のバレエはかなり冒険ですよね。今年もチケット入手に失敗しましたが、来年こそは狙いますね。

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佐藤一郎
〒101-8430 東京都 千代田区 一ツ橋 2-1-2
国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系 教授 /
国立大学法人 総合研究大学院大学 複合科学研究科 情報学専攻 教授(併任)
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