日本も米国も「困ったときは女性頼み」
中国だけではない。米国でも、国務長官であったコリン・パウエル氏の次はライス氏で、「軍事力を使えば米国は何でもできる」と言っていた人たちは、みんな辞めていなくなった。
軍事的に勝っても、そのあとの問題がある。日本との戦争のあとはうまくいったというけれど、イラクではうまくいかない。日本とイラクは全然違う国なのに、パウエル氏は悔しいから言わなかった。ただ辞めていった。そのあとは女性の国務長官が就任した。
実は、そのあたりも日本によく似ている。日本も一時期、小池百合子さんが防衛大臣を務めた。困ったときには女性に任せる。“かあちゃん、あとは頼むぞ”ということなのか。小池百合子さんとの会談を、ライス氏は喜んでいた。ところが、周りの男性は「冗談じゃない」とみんな言っていた。「日米両方、女に仕切られてたまるか」ということだろう。
そのせいかどうかは分からないが、小池さんは辞めてしまって、『女子の本懐』(文藝春秋/新書)を上梓した。その本でわたしが感心したのは、小池さんが必ず相手のことを考えて行動していることだ。
小池さんは周囲の人たちにいろいろしてもらったことを、微に入り細をうがって書いてある。「ああ、女性だな」とわたしは思ったが、さらに、いといろしてもらいながらも別のことを考えている。そのあたりがやはり、大臣に選ばれた理由だろうか。
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