宝塚市立病院は15日、96年度から続いている赤字経営からの脱却を図る「第1次改革プラン」を発表した。経営改善化策を検討してきた市病院事業運営審議会が3月末に答申した内容を踏襲し、11年度までに単年度収支の黒字化を目指す。既に始めている形成外科の新設、病床削減などのほか、今後は総合内科新設や心療内科縮小などの組織整備が柱となっている。
同病院は4月から産婦人科が休診に追い込まれるなど、常勤医・看護師不足が続いている。06年度決算で約10億円の赤字を出し、累積赤字は同年度末決算で約100億円。このため市は、経営改善が急務として昨年11月に同審議会に改善化策を諮問していた。
同病院は今後、循環器科と心臓血管外科の統合▽後発医薬品の積極利用▽医師獲得のための給与改善--なども進める予定。病床は既に91床減らし389床となっている。民営化に関しては「収益性の高い診療科部門ばかりが残り、不採算でも必要な医療サービスの提供が困難になる可能性がある」などの理由で避け、市直営を維持するが、11年度までに黒字化が見込めない場合は地方独立行政法人化なども検討するとしている。【山田奈緒】
〔阪神版〕
毎日新聞 2008年4月17日 地方版