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“バイオリン外交”核問題の膠着打開になるか NYフィル平壌公演 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:米国
ただ、米政府内には来年1月までの任期切れが迫るブッシュ政権との間で、北朝鮮がどこまで真剣に交渉に取り組む用意があるのか疑問視する向きも強くなっている。
米朝が対立する高濃縮ウランによる核計画と海外への拡散問題を棚上げし、プルトニウムによる核計画を優先して解決する案も出ているが、いまのところ米側は応じる構えを示していない。
ヒル次官補は一度は段階的申告に前向きな姿勢を示したものの、国家安全保障会議(NSC)を中心に反対論が強いためだ。米政府当局者によると、ブッシュ大統領は「小出し申告を認め見返りを与えることを繰り返すと、北朝鮮のペースになる」との強い危惧(きぐ)を持っているという。
ヒル次官補は日本を訪れた際、「経済状態の厳しい北朝鮮は早晩折れてくるのではないか」との見通しを示した。6カ国協議筋も、ニューヨーク・フィルハーモニックの公演が、協議再開に向けた環境整備にはなるとの見方を示す一方で、「米朝がお互いの立場を譲り合わない状態では、交渉は前に進まない」と指摘する。