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米メディア「閉ざされた国」から大量の情報発信 NYフィル北朝鮮公演 (2/2ページ)
今回の訪朝団は楽団員をあわせて約400人(米紙ニューヨーク・タイムズ)で、うち報道陣は約80人の記者とTV制作関係者ら。1953年に朝鮮戦争が停戦となって以降、楽団員を含めて米国からこれほど大規模な訪問団が北朝鮮入りするのは初めてだ。
「オーケストラの訪朝は半世紀にわたる(両国間の)文化断絶の雪解けのヒント」(ニューヨーク・タイムズ紙電子版)
「NYフィルはバイオリン外交を北朝鮮にもたらした」(AP)
NYフィルの訪朝について、26日の現地からの報道ぶりはおおむね前向きだった。確かに北朝鮮の歓待ぶりは「雪解け」とも取れる雰囲気を醸している。
訪朝団が平壌に到着したのは25日午後。北京からのチャーター機を迎えたのは大勢の北朝鮮メディアだった。NYフィル音楽監督で常任指揮者のロリン・マゼール氏が飛行機を降りると、集まった現地メディアと同行記者団がマゼール氏の周りに殺到し、北朝鮮当局でさえ手に負えないほどの混乱が生じた。
代表団には万寿台芸術劇場での歓待行事に続き、人民文化宮殿で豪勢な朝鮮料理だけでなく、ローストサーモンなどの洋食も振る舞われたという。一部の報道陣は26日、当局の随行付きながら平壌市内の地下鉄や学校なども取材した。
いずれの米メディアも北朝鮮が得意とする“微笑外交”と、詳しく報じたが、さすがに核問題をめぐる北朝鮮の対応もあってか、文末には米朝関係の展望の乏しさを想像させるような表現がちりばめられている記事もいくつかある。
「ホテルの窓から見る平壌市内の景色はすばらしかった。夜遅くに部屋に戻ると、首都は真っ暗。街の周りの明かりは視界から消えてしまった」(ウォールストリート・ジャーナル紙記者のブログ、電子版)
「バスが通り過ぎると次々に街灯が消え、バックミラーに1つのサインが見えた。“米国の帝国主義侵略者をぶっつぶせ”」(ロイター)