イラク派遣の航空自衛隊の空輸活動は違憲との判断を示した名古屋高裁の青山邦夫裁判長(異動のため高田健一裁判長代読)は17日の判決理由で「現代戦で輸送の補給活動も戦闘行為の重要な要素。武装兵員の輸送は自らも武力の行使を行ったと評価を受けざるを得ない」として、武力行使を禁じたイラク特措法にも違反するとした。
原告側は実質勝訴と受け止め上告しない方針。請求自体は1審に続き退けられたため国も上告できず、自衛隊のイラク派遣に対する初の違憲判断は確定するとみられる。
町村信孝官房長官は同日午後、「バグダッド飛行場などは非戦闘地域の要件を満たしており、納得できない。自衛隊の活動は継続する」との見解を示した。
青山裁判長は判決で、空自の空輸活動は「多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援を行っている」とし、空輸が行われているバグダッドについて、「戦闘地域」とした。