赤坂御苑で春の園遊会　横綱・白鵬や東国原宮崎県知事などおよそ1,900人が招かれる

春の園遊会が赤坂御苑で開かれ、各界から招かれたおよそ1,900人が天皇皇后両陛下をはじめとする皇族方と懇談した。園遊会には、大相撲の横綱・白鵬、宮崎県の東国原 英夫知事らが招かれた。
雨が降り始めた赤坂御苑で、17日午後2時から開かれた春の園遊会では、横綱・白鵬や作曲家の三枝成彰さんなど、各界から招かれたおよそ1,900人が、天皇皇后両陛下、そして皇族方と懇談した。
モンゴル出身の横綱・白鵬に、陛下が「日本の生活どうですか?」と声をかけられると、白鵬は「もう慣れて。一生懸命、努力します」と答えた。
また、陛下が「いろいろ苦労もあったでしょう」と話されると、白鵬は「そうですね」と答えた。
作曲家の三枝さんとは、陛下は「オペラは、ずいぶん大変でしょう」と声をかけられると、三枝さんは「そうですね、書くのも大変なんですけど、やっぱりするのも大変ですね。お金がかかるっていうことで、なかなか大変でございます」と答えた。
和やかに懇談される陛下だが、そんな今回の園遊会で初めて招待されたのが、宮崎県の東国原知事だった。
17日、東国原知事は園遊会の出席に先立ち、まず東京都庁に向かった。
東京都庁内のイベントスペースに現れた東国原知事の横には、都庁のあるじである石原都知事の姿もあった。
都庁に開設された「全国観光PRコーナー」の出展第1号として、宮崎県が紹介されることになり、東国原知事は、「みやざき花の女王」とともに記念式典に出席した。
東国原知事は、東京・大田市場の初競りで、1個10万円の値がついて落札されたという大人気の宮崎産高級マンゴーを、石原都知事と一緒に持つパフォーマンスも見せた。
2人が顔を合わせたのは、2007年2月11日放送のフジテレビの「報道2001」が初めてだった。
この時は、副知事の選任を考慮中だった東国原知事は、「副知事案件なんですが、石原都知事が副知事になってくれたらなと...」と発言していた。
また石原都知事は、「ビートたけしに頼めばいいんだよ」と話していた。
ところが、その後、「ふるさと納税」をめぐり、賛成派・東国原知事と反対派・石原都知事が争った。
2007年4月、石原都知事は「どこの人か知らんけどさ、あまり、田舎者が東京のことを偉そうに言わない方がいい。実態知らないのに...」と話していた。
その後、和解することとなり、17日は2人そろって共同インタビューにも応じ、マンゴートークに華を咲かせた。
石原都知事は「もったいなくて食べられないな。眺めているうちに腐っちゃう」と話すと、東国原知事は「需給バランスで、都市部の方たちの富裕層の方たちがですね、ご贈答とかでお買い求めいただいておりますね」と語った。
東国原知事に、このあと向かう園遊会について直撃すると、「お声をかけていただけるのかどうかもわかりませんし、緊張しますね。本当はですね、法被を着て行きたかったんですけども。あるいは、宮崎の『み』の(字が入った)袋ですね、周知されてる。あれで行こうかなと思ったんですけど、さすがに入るときに、たぶん、『それはやめてください』と言われるんじゃないかと思って。さすがに勝負はできなかったですね」と語ると、あわただしく車に乗り込み、園遊会の会場に向かった。
2008年の春の園遊会に初めて招待された東国原知事は雨の中、傘をたたみ、緊張した面持ちで陛下との懇談を待った。
白鵬夫妻との懇談が終わり、陛下が東国原知事の前に来ると、「ご苦労さまです。宮崎県は、ちょうど知事になられた時に、鳥インフルエンザで、ずいぶん苦労多かったんじゃないですか?」と尋ねられた。
東国原知事が「はい。県内3カ所同時に発生したものですから、例を見ないケースでございまして」と答えると、陛下は「収まってよかったですね」と、まず2007年に宮崎県で発生した鳥インフルエンザの対応をねぎらった。
また、陛下は「もう知事の方も、だいぶ慣れてこられまして」と話されると、東国原知事は「まだ、1年3カ月ですから。まだ新米ですから」と語った。
陛下とおよそ1分間、陛下と懇談した東国原知事は、このあと、皇后陛下や皇太子さまなどとも懇談された。
懇談後、東国原知事は「天皇皇后両陛下ともですね、非常にまぶしく感じられました。50年ぐらい前ですね、宮崎に来ていただいているんですよ。今の天皇皇后両陛下、それから皇太子殿下ご夫妻だったんですけど。それから、宮崎が新婚旅行ブームになったもんですから。『もう1度、ぜひお越しくださいませ』ということを申し上げましたら、『ありがとうございます。ぜひ、機会があったら』というようなご返事をいただきました」と語った。
また、横綱・白鵬は「もちろん初めてですけど、よかったです。これからも活躍をということで」と話した。