ACCS久保田氏が「ネット法」に異論
という記事を見た。
権利に関するところは、立場があるので特段いうべきことはない。
また、2007年度に「Winny」で流通したファイルのうち51.4%と半数以上が何らかの著作物で、うち92.5%は著作権者の許諾がないものだったとしている。
ACCSの調査でも、52.5%が著作権侵害ではないということになる。92%が著作権侵害云々言っていた人は認識を改めてもらえると幸いである。
さらに、Winny開発者の金子勇氏が逮捕された理由について、画期的なソフトを開発したから逮捕されたという論調があると指摘。これを「間違った評価」と語る久保田氏によれば、金子氏は「Winny1」シリーズを開発、それが著作権侵害を蔓延させている状況にありながら「Winny2」を作り、さらにバージョンアップして配布したとしているが、警察はこれら一連の流れを慎重に判断した上で摘発に踏み切ったと説明した。
驚いた。
いつからACCSは京都府警のスポークスマンになったのか。それだけ語るからには、詳細な経緯を知っているとでもいうのであろうか。ネットなどで伝わることとは違う事実である。
Winny判決より~
「なお,被告人は公判廷において,Winnyの開発,公開は技術的検証が目的であって,Winny2に関しても,P2P型大規模BBSの実現を目指したものである旨供述し,前記のような被告人のプログラマーとしての経歴や,Winny2の開発を開始する際の2ちゃんねるへの書き込み内容などからすれば,被告人がそのような意図を有していたとする公判廷供述はその部分に関して信用できるが」
それならば、京都府警が金子氏に著作権侵害蔓延の意図があることを立件への中核としておきながら、2ちゃんねるのスレッドをろくに確認せずに金子さんを逮捕し、判決でも中核を否定されるような判断は慎重な判断というのであろうか。
こちらの方の発言は少し不愉快である。
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Comments
「何らかの著作物」ですらないファイルっていうのはいったい何だったのでしょうか。Winnyの場合,Metafileなんかも意図せずに放流してしまうというお話なのでしょうか。
Posted by: 小倉秀夫 | April 17, 2008 at 11:20 AM
>小倉先生
著作物性の判断で実務・学説が種々あるのは、釈迦に説法ですので、申し上げません。
せっかく、その道で高名なのですから、ご自身でご確認されてはいかがでしょうか。
Posted by: Toshimitsu Dan | April 17, 2008 at 11:29 AM
私がお仕事の一環でWinMXで公開されているファイルの中身を見たときは,「裏もの」のビデオ等のコンテンツが多かったと記憶しているのですが,これは表に出てくるような業者の著作物ではないにせよ,概ね著作物性はありそうに思っています(まあ,東京地判昭和61年6月20日判タ637号209頁をどう読むのかにもよるのかもしれませんが。) 。
Posted by: 小倉秀夫 | April 17, 2008 at 11:55 AM
私は、無修正画像は表現物として保護されるとしても、著作物では無いと思っています。
Posted by: Toshimitsu Dan | April 17, 2008 at 12:09 PM