外相「大いに問題」/憲兵少年連行
米側へ抗議示唆
【東京】高村正彦外相は十六日の衆院外務委員会で、今月十三日に北谷町内の衣料品店で万引したとして、店員に捕まった在沖米海兵隊員の息子二人を、県警より先に現場に到着した米憲兵隊が拘束、基地内に連行した問題について「大いに問題があり得ると思っている」との認識を示した。その上で「現時点で断定的なことは言えないが、(米側の)照会を得た上でそれなりの対応をしていきたい」と述べ、法解釈上の問題点が明確になった時点で米側に抗議する考えを示唆した。照屋寛徳氏(社民)の質問に答えた。
日米合同委員会合意では、米軍関係被疑者の逮捕権が日米で競合する場合、米側に優先権があるが、被疑者の身柄は最寄りの警察署に連行されると規定している。基地内に連行した憲兵隊の対応が、同合意に違反する可能性が出てきた。
外務省の西宮伸一北米局長は、「『共同逮捕』の条件に当てはまるかどうか引き続き(米側に)事実関係を確認し、慎重に判断する必要がある」との立場を強調。
一方で、「そもそも(憲兵隊が)現場で県警と調整せずに施設区域(基地内)に戻した」と指摘。基地外における憲兵について「日本国の当局と連絡して使用される」と規定した日米地位協定との関係では「問題があり得る」との見解を示した。