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赤ちゃんの抱き方、科学的解明へ ロボット工学の専門家ら (1/2ページ)
このニュースのトピックス:ロボット
赤ちゃんの抱き方を科学的に解明する世界初の研究が、日本のロボット工学の専門家らによって行われている。体にかかる圧力などを測定するセンサーを内蔵した特殊なスーツを赤ちゃんや母親が着用し、「抱っこ」の際のさまざまなデータを収集、解析する試み。まだ初期の実験段階だが、研究者らは「将来は抱き方のコツを提案するなど育児支援につなげたい」としている。
研究は、大阪大学大学院工学研究科の浅田稔教授が研究総括する科学技術振興機構の共創知能プロジェクトの一環として実施。研究チームの東京大学情報理工学系研究科の國吉康夫教授らが、抱っこの際に赤ちゃんと母親の体のどの部分にどの程度の圧力がかかるかを調べるため、接触部位と圧力情報を感知する触覚センサーを内蔵したスーツを開発した。スーツは安全性を考慮した上、着心地も悪くないように重さや通気性、動きやすさなども工夫した。
実験は、月齢5〜10カ月の赤ちゃんと母親22組に加え、赤ちゃんを抱いた経験がほとんどない女子学生ら20人も参加し、昨年秋から今年初めにかけて大阪大学(大阪府吹田市)で実施。母親と学生にスーツを着て赤ちゃんを抱いてもらい、触覚センサーの測定値や抱いているときの動画の記録をコンピューター解析したところ、母親の場合は主に腹に圧力が集中し、赤ちゃんを胴体に乗せて腰を前腕でしっかりと支えていることが分かった。このため、赤ちゃんは抱かれていてもある程度自由に動くことができ、母親も赤ちゃんの動きに合わせて姿勢をとることができた。
一方、学生らの場合はこうした安定した抱き方ができず、赤ちゃんがずり落ちてしまいそうになるなど、ぎこちない抱き方になっていた。