新生活をスタートさせた人たちと同じく春の天気は落ち着かない。これを書いている時点では晴天だが、十六日にはもう崩れるとの予報だ。
大陸の高気圧が主役を演じた冬が去り、太平洋高気圧もまだおとなしい。わが天下と移動性高気圧や低気圧が列島上を駆け抜ける。今の時期、スピードを百メートル走に換算すると九秒前後というから、天気が目まぐるしく変わるのもうなずける。
寒暖の差も大きい。一日の最高、最低気温の差を日較差という。気象キャスター田代大輔さんの著書「お天気歳時記」によれば、この日較差が一〇度以上ある日数は一年で四月が一番多く、東京では例年十日以上あるという。
「春眠暁を覚えず」の説明もある。暖かくなること以外に、陽気に誘われて知らぬうちに昼間オーバーワークになり、疲れてしまうのも理由だそうだ。冬の間は寒さで熟睡できない人が多く、反動が出る面もある。
天気が移り気で一日の寒暖差も激しく、疲れも招きやすいとなれば、張り切りがちな今ごろは体調を崩しやすい時期ともいえるだろう。予報によく注意し、服や布団をこまめに調節したい。
生活環境が大きく変わった新入生や新社会人は、なおさらだ。油断して体に変調をきたし、憂うつな五月病まで併発することになってはいけない。