伊豆グルメ番外編 タイ料理を作る
タイ料理なんてモノはタイの道端で食うのが一番で、値段が安いだけじゃない、味だって安いところほど良いのがタイ料理というモノだったりするんだが、そういえば昔、自分でタイ料理を作るという原稿を書いた事があったのを思い出した。この本なんだが、まだ絶版にはなってないようだ。
面白いほどよくわかるタイ裏ワザの旅 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2001-04 |
久々のタイで、さっそく道端系で本格派の味を満喫しているわけなんだが、まぁ、今回は伊豆グルメの番外編として、日本でタイ料理を作る、なんていうテーマで考えてみよう。つうか、上のAmazonリンクで紹介している本の転載なんだが、コレを書いた時は、日本在住20年というタイ人のスナックママさんに取材して、日本のスーパーで手に入る材料だけで作れるタイ料理というのを教えて貰ったのだ。苦労した人だけに、ちゃんとタイ料理の味になってくれるのに感心させられたんだが、まぁ、気軽に作れるエスニック風料理という事で。
かつて、黄金の国ジパングを夢見てやって来たタイ人たちがいた。あるいは酔った男たちのオモチャにされ、あるいは身体を削るような肉体労働に従事し、帰りたくても帰れない、そんな生活の中、食いしん坊のタイ人たちが作り上げた代用品を使った日本風タイ料理というのも、なかなかのもんだったりする。
トムヤムクンを作る
世界三大スープを自宅の台所で
日本の田舎町でタイ料理屋をやっている人を観察すると、奥さんがタイ人というケースが多い。けれど調理は日本人の旦那だったりして。
例によって可愛いタイ娘の罠にかかって女房にしたものの、奥さんはタイ人だから料理は作れない。けどタイ料理がないと生きて行けない。毎日毎日「タイのご飯食べたいよお」と泣きつかれ、旦那が懸命にタイ料理を覚えて、ついにはレストラン開店と、そうしたケースが多いのだ。
そこで、男の読者もこれでタイ料理を覚えておけば、女を口説くにも便利。……って、出会う前から尻に敷かれていてどうする。
さて、トムヤムクンといえば世界三大スープと、必ず枕詞がつく。で、いつも思うのだが、残りの二つのスープって何なんだろう。ひとつが味噌汁だっていうのはわかるが。
それはさておき、このトムヤムクンを作ってみよう。世界三大スープだからってビビることはない、簡単、今ではインスタント・トムヤムクンの素が売られている。
まずは鶏ガラ。一匹分買ってきて煮込んで出汁をとる。まっ、固形コンソメでもいいや。とりあえず一人分一カップ半。
主役の海老はスーパーでブラックタイガーを買って来よう。本場ではちっこいのが殻付きで出てきて、食べるのに苦労するが、なに、我々は金持ち日本人だ。でかいので行こう。一人分二、三匹。産地タイランドと書いてあるやつ。日本はタイから養殖海老を一杯輸入している。ここはこだわりたい。別に味に変わりはないけど。殻を剥いて背ワタを取っておく。尻尾だけは殻を残しておくのが本場のおっしゃれーな作法だね。
フクロタケ。これは中華の材料コーナーにある。缶詰だが我慢しよう。生があれば最高だが、高いんだよな。これは半分に切る。代用品としてシメジも可。好みでプチトマトを入れるのもいい。
トムヤムクンで食えるのはこれだけで、あとはすべて香辛料のたぐいとなる。
タイではマナオというカボスの一種の柑橘類を使うのだが、ここはレモンで代用。タイでは他にタマリンドの実も使って複雑な酸味をつける。
コブミカンの葉っぱ、レモングラスなどの香草。もしかすると大きなスーパーなどで入手できるかも。トムヤムクン用としてパックされていたりする。なければローリエでいいや。
さて、まずは鶏ガラのスープに香草を入れて煮立てる。五分ほど煮たらトムヤムクンの素を入れる。辛さはお好みだが、ほとんど遠慮なしに辛くしないとタイ料理にならない。あとはナムプラーと味の素。これで旨味を出す。
次にフクロタケを入れ、酸味の素、レモン汁をたっぷり搾り込む。海老、半割りに切ったプチトマトを入れ、唐辛子とニンニクのミックス調味料を小匙一杯。ついでに牛乳をちょっぴり。これは隠し味なんかじゃない、牛乳を入れると海老が柔らかく煮えるという生活の知恵だ。
材料を用意しておけば十分で完成だ。あまり煮込むと海老が固くなってしまう。海老がピンクに染まったら取り分けてもいいだろう。そうそう、例のパクチーを乗せるのを忘れずに。なかったらアサツキでも良し。
タイのレストランではまん中に炭を置いた鍋ごと持って来る。グツグツ煮立っているのをそのままスプーンでしゃくって、パサパサのタイご飯にかけて食べるのがおいしいのだ。
そして、完成したトムヤムクンだが、この料理の特徴は屑がいっぱい残る、ということ。
単なる葉っぱとか固い茎とか海老の尻尾とか食ったら死ぬぞ的な青唐辛子丸ごととか。そう、本場では贅沢にもプリック・キーヌーを丸ごと放り込むんだよね。日本では材料が貴重だから、そんな真似は出来ないが。
クン、つまり海老ではなく白身の魚を使う方法もある。トムヤムプラーだ。またミックス・シーフードで海老、魚、イカ、貝などを入れることも出来る。豪華版トムヤムタレーだ。
このトムヤムクンは元気の出る料理と呼ばれていて、ちょっとした御馳走だ。日本でカレーというと「わあい、今夜はカレーだね」と子供が大喜びするように、タイでは国民食とでも言っていいような存在なのだ。
ヤムウンセンを作る
そして自宅でタイ料理パーティーを
スープを覚えたら次はサラダ。タイ風の春雨サラダ、ヤムウンセンだ。
爽やかな外観に似合わず恐ろしく辛い、というのがこの料理の特徴で、というのもサラダとは言いつつ、日本のサラダみたいにバクバク食べられるものではないのだ。
チビチビつまみながらビールでも飲む、というのが正しいスタイルで、酒が旨くなること間違いなし。したがって、辛い。
用意するのは中華食材の緑豆春雨。日本の春雨より細い。キクラゲは通常黒いが、色彩的には白キクラゲもいい。白キクラゲは伊豆の名物だ。ついでにチェンライの名物でもある。薄くて、はかなげで、そのくせプリプリと食感がいい。白キクラゲをたくさん入れるとチェンライ名物「チェンライ娘のサラダ」になる。
玉葱はタイではニンニクほどのサイズの小さな玉葱を使う。ペコロスみたいなの。これは日本では入手不可能なので紫玉葱を使おう。その方が癖が強くて味に馴染む。
海老は例によってタイの養殖ブラックタイガー。下準備の際、尻尾の殻だけは残しておくのがタイ式ってもんだ。他に豚ひき肉一人分五十グラム。レモンが三人で一個、好みでプチトマト。パクチーまたはアサツキ、調味料として生唐辛子とニンニクのミックス。
手順は、まず春雨、キクラゲを水に漬けて戻しておく。せいぜい十分くらい。次に沸騰したお湯でサッと湯がき、すぐザルに取る。
次に海老と豚ひき肉を少量の沸騰したお湯で手早く茹で、おたまですくい取って春雨、キクラゲと合わせる。多少水っぽくてもいいので、水切りなどはしなくていい。
大きなボールにスライスした玉葱、プチトマト、ニンニク生唐辛子ミックス調味料、、パクチー、またはアサツキなども一緒くたに入れ、ナムプラーと味の素少々を加え、レモン汁をたっぷり絞り、手でぐちゃぐちゃと混ぜ合わせる。
これもまた遠慮なく辛くしないとおいしくない。なんといってもタイ料理だ。
さて、メインディッシュが足りないような気もするが、ガイヤーンなどはどうだろう。
これは鶏を単純に焼いただけのもの。秘伝のタレを塗りながら焼くそうだが、タイに秘伝のタレなんてもんがあるわけない。ナムプラーでも塗って焼けばいいだろう。炭火なら最高。つまりはロースト・チキンだ。
丸ごとの鶏を半分に割って開く。あとは気長にジワジワと焼くだけ。ブロイラーでも良いが、地鶏だったらもっといい。焼けたら出刃包丁でガシガシ切り分けて、皿に盛る。けっこう野蛮な料理だ。でもおいしい。食べる時にはナンプラーに生唐辛子を漬けたものを添えよう。
さて、これで夏のタイ料理パーティーのコースが出来たわけだが、……おっと、料理の前にやっておく儀式がある。
庭かベランダにテーブルを出して安い蘭の花でも飾っておこう。やはりタイ料理は戸外だ。それと、冷凍庫にビールのジョッキを入れて冷やしておく。三割ほど水を入れて凍らせるのがポイント。ここにビールを注いで、キンキンに冷やして飲むのがタイ・スタイル。
たらふく食ったあとはデザートだ。タイでは米粉から作るお菓子がいろいろあるが、けっこう面倒そうなのでパス。果物でいいや。
高級スーパーでは何でも手に入る。
果物の王様ドリアンだって、頼んでおけば仕入れてくれるけど、これは癖が強くて好き嫌いがあるのでちょっと……。無難なのはパイナップル。スイカとか。あとは、何故かマクワウリの味のするメロンなんかがタイのレストランで出てくるデザートのメニューだ。けど、これじゃ日本とかわりばえしないな。
龍眼、つまりロンガンというのが甘くて日本人好み。子供ってのは意外に保守的な舌をしているもので、以前、タイに連れていった姪がタイ料理を食べられなくって、こればかり食べていた。茘子(ライチー)に似た味だ。
マンゴーも柔らかくて甘くておいしい。ザボンもタイではポピュラーだ。
バナナはタイでは焼いたり揚げたりして食べることが多い。モンキーバナナは生でもおいしいが、そんなものを生で食うのは象か猿だけだ。
あとは当日がくそ暑い熱帯夜で、にわか雨でも降ってくれればタイ気分は最高に盛り上がることだろう。幸運を祈る。
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タイ料理で、誤解されているのは「辛い料理が多い」ことだ。
本当は、甘くてあっさりした料理が多く、それが魅力なのだ。
だいたい、あんな情熱的に暑い国で、
国民が、好き好んで毎日グリーカレーやトムヤムクンを食ってるわけが無い。
とくに、デザートのバリエーションの豊富なことがタイ料理の魅力だ。
フルーツにココナッツミルクで味付けするものが多いのだが、あれはうまい。
タイでの永住を希望しているのだが、外国人の永住は出来ない。
たとえ、タイの女と結婚して、タイ国籍をとっても就労は許されない。
日本のように、外国人の永住を認め、就労を認め、年金を払い、参政権まであげようという国は、異常なのである。
このあたり、もっと国際感覚を知らねばならない。
外国人(旅行者を除き)を受け入れる国など、ほとんど無いのである。
投稿 冥土かふぇ | 2008/04/17 01:57
Wikipediaより
世界三大一覧
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%89%E5%A4%A7%E4%B8%80%E8%A6%A7
世界三大スープ
ブイヤベース、ボルシチ、ふかひれスープ 《トムヤムクン》
投稿 みんみん | 2008/04/17 03:15
タイの嫁、羨ましいわ~。
私も旦那に「日本のご飯食べたいよ~」って言ってみようかな。
燃えるゴミの日に捨てられそうだぜっ(汗)
タイの屋台で色々と食したいですな。
揚げバナナとかメッチャ美味いらしいですね~。
モンキーバナナ、生であんなに美味しいのにぃ??
絶対美味しいのに~!!
私は猿でも象でも構わないワン♪
投稿 椿姫 | 2008/04/17 04:32