ニュース:地方 RSS feed
「ウィニー利用者懲らしめる」 ウイルス作成の中辻被告、身勝手な動機
「ウィニーを使ってアニメや映画を違法にダウンロードしている人を懲らしめてやろうと思った」。コンピューターウイルスの作成者として全国で初めて起訴され、京都地裁で16日にあった論告求刑公判で、懲役2年を求刑された大阪電気通信大大学院生の中辻正人被告(24)。多くのネットユーザーにウイルス感染の被害を広げたネット犯罪の犯行動機はあまりにも稚拙だった。
中辻被告は被告人質問で、「ネットの掲示板を見て、ウィニーの利用者は遊び半分で映画やアニメを無断でダウンロードしていると思った」とウィニー利用者への不信感をにじませた。さらに、「映画やアニメがウィニー上で無断でダウンロードされることが続けば、(テレビ局は)映画やアニメを放送しなくなってしまうと思った」と述べた。
中辻被告はテレビで放映されたアニメや映画を録画して観賞する趣味があり、今後もこの趣味を楽しむために「ウイルスを散布して(ウィニーでの違法ダウンロードを)阻止しようと思った」と動機を話した。
しかし、中辻被告自身もウィニーを使い、ウイルス作成用にアニメ画像を取り込んだことを裁判官から指摘されると、「映画などを取り込んでいる人のほうが悪いと思っていた。今は、アニメ画像を(たとえ)1枚でも無断で使ったことを悪く思っている」と反省の弁を述べた。