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大阪人権博物館:補助金削減で危機 手弁当で人権サロン

 大阪府の改革プロジェクトチームが発表した財政再建試案で、特別展示などに充てる補助金カットが示された大阪人権博物館(大阪市浪速区)のピンチを救おうと、同館にゆかりのある高齢者グループや伝統芸能の演者らが手弁当でイベントに出演することになった。第1回の今月19日に出演する同市西成区の紙芝居グループ「むすび」の浅田浩代表(80)は「若者にとって貴重な学びの場なのに、補助金をカットするなんて。今こそ応援して盛り上げてあげたい」と話している。

 同館は85年12月、国内唯一の人権問題の総合博物館として開館し、延べ約120万人が訪れた。府と市が補助金を支出し、年2回の特別展などに使う事業費は、07年度当初予算で、入館料や図録の売り上げなどの自主財源と補助金を合わせて計6500万円だった。

 財政再建試案は、人件費と施設管理運営費を10~20%程度削減し、事業費補助を廃止する内容。大阪市はまだ方針を決めていないが、府に歩調を合わせると事業費は自主財源だけになり、07年度当初予算ベースでは3600万円に減額となる。

 このため、5~6月の特別展「自由民権-歴史のなかの憲法」は、チラシを作るなど準備を進めていたが、白紙に戻した。代わりに、収蔵展や低予算のイベントに切り替えることにし、同館の活動にかかわったことのあるグループなどに助けを求めた。

 イベントは「リバティ中庭サロン」と題し、毎月第3土曜に実施する。2回目以降は、猿回しなど伝統芸能を予定している。

 昨年秋の特別展で出演した伝統芸能万歳(まんざい)の太夫、村田清光さん(73)=三重県鈴鹿市=も、一肌脱ぐと決めた1人。「人権の問題を全国に発信し続けてきた役割を、これからも果たし続けてほしい」とエールを送る。

 19日は午後2時から。定員100人。入館料は一般250円、大学高校生150円、中学生以下と65歳以上無料。問い合わせは同館(06・6561・5891)。【堀江拓哉】

毎日新聞 2008年4月16日 大阪夕刊

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