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社説

新医療制度 厚労省の怠慢は問題だ(4月16日)

 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で、いよいよ年金からの保険料天引きが始まった。

 今月一日の新制度開始以来、全国で混乱が続いている。その原因は厚生労働省のずさんな対応にある。厚労省には、この混乱で増大したお年寄りたちの不安を解消する責任がある。

 ずさんな対応は、保険証の未着問題で浮き彫りになった。三月中に本人に届かなければならないのに、四月中旬になっても約六万四千人の手元に届いていなかった。

 舛添要一厚労相は「早急に改善するよう努力する」と述べたが、事前に具体的な郵送方法を都道府県ごとの広域連合や市町村に指示しておけば防げたミスだろう。厚労省の怠慢と言われても仕方ない。

 未着問題に加え、保険証を紛失したお年寄りも少なくなく、医療機関の混乱を招いた。紛失や破損は当初からある程度予測できたはずだ。国民の目線に立って準備を進めてきたのか、疑問が残る。

 お年寄りの最大の不安は、自分たちの保険料が将来、引き上げられるのではないかということだ。三月に発行した政府広報では、小さな字で「二年ごとに見直される」と書いているだけだ。

 ところが、今月になって厚労省は民主党の会合で、二〇一五年度には保険料が現行より平均で一万三千円程度上がるとの試算を示した。増額の可能性が高いことをなぜ、国民にはっきり説明しなかったのか。

 新制度で、三月までの保険料より「低所得者は負担減、高所得者は負担増の傾向」と強調していたが、あながちその通りにはいかないことも分かった。

 国民健康保険で自治体が独自に行ってきた高齢者の負担軽減策がなくなり、低所得者でも負担増になるケースが少なからずあるためだ。都合のいいことばかりアピールしていないかとの疑いが消えない。

 厚労省は制度の仕組みを正しく国民に伝えなければならない。

 新制度が弱者へのしわ寄せにならないかの点検も必要だ。

 受診抑制を引き起こさないか、実態を調べていかなければならないだろう。所得に応じた負担軽減策も、場合によっては、柔軟に運用していくべきではないか。

 この制度は、一昨年に与党が強行採決した医療制度改革関連法で創設が決まった。もともと問題点を議論し尽くしていたとは言い難い。

 制度が始まってからも各地から反発の声が上がっている。厚労省はまず、こうした声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。改めるべき点はきちんと改めなければならない。

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