【社説】米国から突き付けられた要求内容を見て
韓国での新政府発足後、米国が韓国に対してさまざまな要求を突き付けている。在韓米軍の防衛費分担金の増額、イラン制裁への参加、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への参加範囲の拡大、ミサイル防衛(MD)計画への参加の打診、駐韓米国大使館邸の移転、イラク派兵延長およびアフガニスタンへの追加派兵などだ。これらの要求をさまざまな経路を通じ、執拗(しつよう)に韓国側に要求してきているのだ。
韓国が現在負担している在韓米軍駐屯費用の一部は、韓国の国防費全体の40%から43%だ。米国はその比率を、一気に50%にまで引き上げるよう要求していることが明らかになった。額にすると2000億ウォン(約206億円)の追加費用が必要な計算となる。韓国側が在韓米軍の駐屯費用の一部を負担するのは当然のことだが、費用の増額は一気に行うべきものではない。PSIやMDについても、現時点から将来にかけて、北朝鮮や周辺強大国との関係に重大な影響を及ぼす問題だ。このような中で韓国が慎重に考慮すべき内容は非常に多い。
イラク派兵期間の再延長や、昨年末に撤収したアフガニスタンへの再派兵についても、韓国国内の世論は敏感に反応している。当初は今年末とされていた撤収の時期を、すでにこれまで何度も遅らせているからだ。
イランは韓国にとって主要な原油供給国の一つであり、また中東における主な輸出先でもある。中東諸国との歴史的な因縁が深いとはいえない韓国が、イランへの制裁に乗り出したとすれば、その影響が長期間に及ぶというリスクも抱えなければならない。2005年に合意したソウル竜山基地内の米国大使館邸の敷地を、今になって別のもっといい場所に移してほしいというのも、韓国の一部反米勢力に活動の口実を与えることになりかねない。
米国としては、たとえ韓国の牛肉輸入規制があまりに複雑だとしても、李明博(イ・ミョンバク)大統領の就任式に派遣した代表団に自国の肉牛牧畜協会会長を参加させたのは、決して見た目の良いものではなかった。
李明博政権は韓米同盟の修復を推進している。多くの韓国国民もそれを歓迎している。だとすれば、米国は韓国国内のこのような雰囲気を間接的にでも支援するのが、友邦同盟国として当然のことではないだろうか。ところが逆にこのような雰囲気の中で、これまで先送りされてきた要求内容を一気に提示したとすれば、そのような行為は相手側を当惑させ、ややもすると韓国国内で同盟修復に対する懐疑論や反米勢力の勢いを復活させる名分を与える恐れもある。
韓米首脳会談を行うために今日米国に向けて出発する李明博大統領も、このような韓国側の心配を実用の観点から考慮に入れ、米国の要求と韓国の考え方の双方を知恵をもって擦り合わせることができるよう、全力を傾けなければならないだろう。
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