2008-04-15
■スピリチュアル嫌い ー愛は高くつく?ー
今日、「あーあ、だから、スピリチュアル業界(?)って嫌いだよ。」
と思わず一人呟いてしまった。
私のヨガ教室は、多い時では一週間に約150名ほど教えていた。
某社長夫人がご自宅にサロン的に呼んでくださっていた出張教室や、遠方の教室を閉じたりして、今は一週間に教える生徒の総数は100名前後になっている。
その中にはほんとうにごく少数派ではあるが、ネットワークビジネスを大規模にされている方やその末端の方や、あるいはヨガに通っているうちに目覚めてきたのか?高額の自己啓発セミナーに行って、「そちら」の世界にハマってやめていかれた方もある。
私は自分の所に来た人たちをなんぴとたりとも逃すまい?と抱きかかえる習性も執着もなく
私が自由が好きなように、相手にも選択の自由を認めているので、ご本人が一番納得される道に邁進されることを尊重している。
故にいつも「来るもの拒まず、去る者追わず」の姿勢を教室では一貫して通していると思う。
だが、どこかの組織に帰属せずに一人で教室をしていると時に非常に孤独感を味わうこともある。
というのも自分の知らないところで、しかも教室関係者でない人が「あの先生は頑固者」などといっている風評がたまに耳に入ってきたりもするからだ(苦笑)。だが、同時に普通に会社で働いたOL時代では得られなかった「喜び」も大きい。
で、今回、どのような時に孤独感を味わうかという一例を述べてみましょう。
先のネットワークビジネスをやってらっしゃる方の場合。
それが安心安全化粧品とか地球と人に優しい洗剤とか栄養補助食品を扱ってらっしゃるとか、その場合、「皆」とは言わないが、入会して数年後に「お話を聞いていただけませんか」とあらたまって来る。
私としては最初は「ヨガのことで何か質問かな?」と思って話を聞いているとどうもそうではない。
あにはからんや、結局「先生も一度使っていただけませんか」という話である。
彼女らは必ず「先生のところにはたくさん生徒さんが集まってこられて....」という言葉を枕言葉のように話の前に言う。
そうして「いいものだからこそ、多くの方によい影響を与えられると思うのです」と言われる。
そういう時、あぁ私個人だけでなく私の後ろにいる100名〜150名の生徒さんが彼女らにはターゲットのように映っているのかな、と思う。
そして常々「薬や補助食品に頼らず自分の本来の力を甦らせる....」ということを念頭にやっている私にとって「そういうことを教えている先生にそういう商品をススメてくるのって、結局、なにも肝心なことが伝わってないってこと?」とガクンとくるのだ。
「ヨガ」という世界での信頼関係をちゃんと築けていないのか....と己の力を知る瞬間なのである。
同じように法外な料金の自己啓発セミナー系(コーチングとか心理療法的なもの)へのお誘いや、スピリチュアル系のワークのお誘いもある(年に一度くらいですけどね^^;)。
私は別にこれらを全面否定するつもりは全くない。
だけどこっちは「主婦の方達」が通いやすいように考慮して値段抑えめのお月謝を設定しているにも関わらず、なんだこういうことにこれだけの時間とお金を割くんだと呆れるとともに、じゃ、値段を抑えている私の授業は「その程度」として評価されているのか?とかちょっぴり悔しくもなるのだ。(とはいっても周辺のあちこちのヨガ教室を見学や体験して私の所を選んで来てくれている方は、理解してくださっているので救われている)
先日もひさびさに「お話を聞いていただきたくお時間作っていただけますか」というメールが来た。
私も慣れて来た。
そういうときたいていは「勧誘」「ご紹介」「ご案内」だと構えができてくる。
だけどさ、私にそういう勧誘することって「失礼なことかもしれない」っていう発想はないのかな、ないんだな、うん、彼女らは純粋に「先生ならこの商品(セミナーやセッションや物品)の良さをご理解いただけると思って」と目をキラキラさせて言ってくるのだからして(^^;)。
彼女らに悪気はないことを私はよく知っているし(彼女らは私の教室を慕ってくるのと同じように自分の関わる組織や商品を愛しているから)だからいつも一応、最初から最後までちゃんとお話を聞いた上で丁寧に?お断りしている。(もし仮にある商品を気に入っても買わないと思う。教室の中で皆に平等を保ちたいから。それと一部の生徒とだけ深く接触することも意識的に避けている。これが私の孤独感に繋がっているのかもしれないけど、私なりの教室運営のバランス感覚というか理性というか美学のつもりだ。)
まぁそれでネットワークビジネス界のおもしろいところは、すぐにそのネットワーク間で情報が伝搬する(らしい)ことだ(当たり前か^^;)。
「えこま先生を誘ってみたけど、こういう対応だった。」と。
結局、某洗剤ネットワーク関係の方達は本当によい方達ばかりだったが、私が断って以来、時間をかけて徐々にその系列のメンバーは少なくなり今ではゼロ人になった。おそるべしネットワークビジネスの伝搬力!(笑)
だけど私、結局、そういうある一部のグループのエネルギーに無意識的にコントロールされるみたいの嫌だから、私が望んだ結果になったのかもしれない。
みなさんベンツやBMWに乗ってらしたりして、結構な成功を納めておられるのだろうし、私は私が応援したい主婦層を相手でいいような気がした(介護とか子育てとか地に足をつけて生きているタイプがほとんどだから)(でも別に誰でもウェルカムなんですけどね^^)
ま、そんなこんなで人の増減には執着しないけど時折「さみしさ」を味わうことは確かにあるのですよ。
で、ですねぇ、ここまでは前置きで(長っ)、本日、わたくし、またしてもある生徒さんからの「セッションのお誘い」をお断りしました。
その女性もかなり長く熱心に通っておられる方で美しく性格も優しくほんとうによい方で、そんな可愛い生徒に「断る」とき、会ってランチして一時間以上話をお伺いした上で、その後でいったい私はメールでどのような返答をしているか、ここで公開しておきます(私の生徒さんにはココのブログを基本的に紹介していません。なかには勝手に見つけて読んでいてくれる方もおられるようですが....汗)
固有団体名や個人名は伏せ字で表しますが、私の「だからスピリチュアルって嫌いなのよ」の気持ちを読者のみなさんに汲み取っていただけると幸いです。
以下、返信文
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私の気持ちをご海容くださりご理解ありがとうございます。
さて、もしNさんがよろしければ、この件に関して暫く対話が必要だと思っています。
私も全く○○に興味がないわけではありません。
ただご案内いただいたHPやブログに書かれていることなど一般的にスピリチュアル世界ではよく言われていることで私にとって特に珍しい新鮮な考えでもありませんし、体験上、内容に私も同感していますが、こういうセッションやワークで法外な料金を設定している組織や指導者や主宰者にはいつも批判的な眼差しでみています。
ハイヤーセルフとかマスターとかサムシンググレートとか、それぞれの業界でそれぞれの言い方がありますが要するに「神の力」「宇宙の力」「神の(宇宙の)意識」のことだと思います。
それで○○に関してですが、○○でいう、その巨大なエネルギーのダムからエネルギーの水門を開くメソッドを編み出されたその創始者の方は、末端の人から頂いた法外な料金を「神」に支払われているのでしょうか?
人を癒したり運命を変えたのはメソッドですか?エネルギーそのものですか?
(Nさんはすでに愛や祈りでも出来る、とご自身が本当は知っている答えを書いてらっしゃいます)
そしてそのメソッドを習得したと認められたはずのミーディアム(資格者)は、どうして創始者に連絡をとらないと水門が開けられないのでしょう?
創始者はどうして自分の弟子(資格者)に水門の開け方を「中途半端」にしか教えないのでしょう?
創始者経由でしか水門が開かないのですか?
創始者にかぎって水門が開けられるのは、創始者に限って「ハイ」スイピリットだからですか?(ここがもっとも落としどころです)
創始者は、つまり自分のセミナーやワーク等たくさんお金を払った人に中途半端に教えることで
もっとも合理的な集金方法を習得実践されているわけです。
私がスピ業界を毛嫌いしているのはこの辺にあります。(ヨガと精神世界は似て非なるものです。リンクしそうで実は最も遠い所にいます)。Nさんが○○セラピーを実際に地元で普及し始めるにあたりその初期で私を選ばれたことには本当に意味があると思います。Nさんは最も落とすのが困難な人をそうとは知らずに最初のクライアント候補に無意識に選んでおられるからです。
それもNさんの潜在意識の欲求であり良心と理性なのでしょう。
>意識のスライドって 容易なことではないですものね。
当たり前です。そんなことが簡単に行われるのは法外な値段をとるセッションの組織か(失礼)、カルト教団です。
自分の人生の中で苦しんだりもがいたり喜んだり歓喜に満ち足りまた落ち込んだり、そういう吸って吐いて泣いて笑って本来手にするはずのものをそういう行程をすっとばして、高い値段で短い時間で仮に理想的な状況が手に入ったとして、それは「副作用の強い薬」と同じなんです。強い依存症を生み出すか、または逆に理想の結果を得られない場合、「自分のやっていることを肯定、正当化」する、合理化するためにどんどん泥縄的に「理想の結果」が出るまで投資します。(ですからどちらの結果になろうが、関わったが最後、管理者の思うつぼです)
こういう組織の創始者(やり方)は、だからもっとも資本主義社会の原理主義的存在なのです。(ご主人に一度私の見解を伺ってみられるとよいでしょう。お商売をされている方ならすぐに理解されるはずです)
「男」(資本主義社会)は、「女」(自然)からもっとも搾取できる構造というのを(ほぼ無意識的にといってもいいでしょう)熟知しているのです。
ですから本当に生きて行く上で一番必要なものほど安い(タダ)でしょう。
空気とか水とか、女性が子どもを産み育てることとか。
そういう世界観を知って、男性中心主義社会(男に搾取される女)から脱却することこそ、私が本当に目指しているものかもしれません。
だから仮にもそういう組織のやり方に「加担」するだけで、もう嫌なのですね、私は。(一度だけでも体験してみる、とはそういうことでしょう)
そしてそこ(スピリチュアル・ワールド)で発される「きれいな言葉」「耳障りのよい言葉」で騙されやすいのは、たいてい世間知らずな主婦か女です。
私は現実逃避だと思います。
本気で現実社会を観て、現実に向き合って何かを変えていこうとすると「ドキドキわくわく」とか「プラス思考」とかそんな生やさしいだけのことでは変わっていきません。
>先生はとても自由を求めていらっしゃいますよね。
私だけでなく誰でもそうでしょう。
だけど自由とは「気楽」や「現実逃避」のこととは違います。
自由には大きな支払いがあります。
「覚悟」とか「痛み」とか「孤独」とか光があるところには必ず影がある自然現象と同じです。
けれども「スピ」の世界はいつも「光」だけです。
ちゃんと闇を観ようとしない弱さと鈍さと無神経さと短絡さ(プラス思考ワールドでは「シンプル」と言い換えられますかね?)があります。
東洋思想の陰陽のマークをご存知ですね?(円の中の黒白)
私はあれこそがほんとうの現実の「世界観」だと思います。
シンプルは確かにけっこうです。しかし私は「あわい」のない言葉や「一貫した世界」には虚を感じ本気の興味を持ちません。そしてスピの世界はいつもシンプルです。統一されて一貫されていて矛盾がありません。このしわ寄せはみな「めくら信者」によってつじつまがあわされます。
ねずみ講の末端者と同じです。末端者になりたくなければ普及しないといけません。
○○がそうだとは言いきりませんが、私が思うにNさんが誰かに自分と同様に幸福になってもらう為にセッションするのに際して創始者に連絡をとって日を設定して遠隔方法とやらでエネルギーを送ってもらわないとできない時点で「嘘」だなと思いました(しかもおそらくその高額料金の殆どが「あちら」に納められるのでしょうね、たぶん)。
これらの私の中から自然に湧き出て来る○○セラピーなるものへの疑問をNさんがすべてクリアして私を納得させられるのでしたら、私はNさんからセッションを受けてみてもかまわないなと思っています。
長文を失礼しました。
追伸
私は少なくともその創始者さんや○○セラピーよりもずっとNさん個人の人間性を信頼し敬い慕っています。自分の教室にご縁があって来ていただけたことを一番最初の時から今も変わらず感謝しています。まだ○○に出会っていないあの時も今もNさんには美しいオーラがあり華があります。それは○○に出会っていなくてもそうだと思います。Nさんは、そのことの重要性にももっと気づかれて行動されていいと思います。
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以上が彼女に送ったメールです。
詳細やバックグラウンドが不明でなんのことか分りにくかったかもしれませんが、「この問題」の核のところを感じとって頂ければ幸いです。
私はバランス感覚を大事にします。
スピ関係の方は不快に感じられたかもしれませんが、「法外な料金を」徴収したがる「その手」の組織、割とあちこちにある気がします。
スピリチュアルな考えや世界を全否定するものではなく、あくまでも「それを商品にした組織のやり方」に対する批判だと思っていただいたらいいかと思います。
ほんと、
ほんとうに生きて行く上で必要なものほど、世の中では安く売り買いされていると思います。
あるいはただで。
もともと愛は無料だし。
あ、逆に高くつくこともあるか。(苦笑)