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仕事も遊びも、とことん楽しむOLが登場

 当時は今のように恋愛に対して低体温ではなく、テレビドラマ「男女7人夏物語」のように、働く男女が活発に恋愛していた時代でもある。キャリアに憧れつつも、いい企業に入社し、仕事を楽しみ、「三高男」をゲットして、婚約指輪を手に花束をもらって結婚退職という王道もまだまだ健在だった。

 なにしろ当時の女性たちは、「結婚相手を探す」というモチベーションのもとに会社に行っていた人も多かったのだから。企業側も、男性社員の「お嫁さん候補」として一般職女性を大量採用するだけの余裕があったのだ。当然のことながら社内恋愛も活発で、「いい会社に就職すれば、自動的に結婚できるシステム」がまだ生きていたのである。

 男性たちは恋愛マニュアルを駆使し、モテるためにBMWを買い、クリスマスイブには彼女のためにシティーホテルの部屋を確保することに奔走した。ディスコに繰り出すためにヒョウ柄のボディコンで出社する商社OLもいたにはいたが、やはり合コンなどで手堅くカレシをゲットするのは、白のブラウスに丸襟のスーツ、またはワンピースで出社するような清楚なOLたち。尽くし型の「ぶりっ子」が勝利する恋愛法則があった。

 しかしこの頃は、未婚化、晩婚化の黎明期でもある。バブル時代の女性たちは「結婚は、いつか必ずできる」と思い込んで先延ばしし、留学や転職などやりたいことを優先。結婚したらやりたいことができないと思われていたので、「結婚」vs.「自分」なら、まだまだ「自分」を取りたい。

 好景気が永遠に続き、自分を磨けば磨くほどいい男がやってくると無邪気に信じることができた。しかし90年を頂点に、バブルは崩壊へと向かう。やがて「20代で結婚が当たり前」ではなくなる時代が到来するとは、誰に予想できただろうか。


(※次回は4月28日更新です)

筆者

白河桃子

フリージャーナリスト

61年東京生まれ、慶應義塾大学文学部卒業。恋愛、結婚など女性のライフスタイルをテーマとした取材や少子化に関する講演などを行う。「日経ビジネス オンライン」「白河桃子の"キャリモテ"の時代」「跡取り娘の経営戦略」を連載中。主な著書に『結婚したくてもできない男 結婚できてもしない女』(サンマーク出版)、『「婚活」時代』(共著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。前述の連載も書籍になった。『「キャリモテ」の時代』(日本経済新聞出版社)、『跡取り娘の経営学』(日経BP社)。

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