(cache) 本当は興味のあるアナタへ捧ぐ (2)　－ Google App Engine

サラリーマンの「大人の事情」により帰宅が遅くなったが、宣言通り続きをポストしてから寝る事にしようと思う。何かの間違いで初回を確認せずに本エントリーに来てしまった方は、まずはコチラをご確認されたし。それでは、引き続き本エントリーをお楽しみあれ。（独り言：前のエントリーのブクマは増えてるのに、意外と誰も新しい記事に気付いていないッぽい。前回はたまたま梅田望夫さんに気付いてもらったから見てもらえたダケなんだろうか？「見つけられなければ無いのと一緒」ってのはこの事だなぁ･･･）

【4月12日：17時（JST)　最後まで仕上がったので追記しました】

準備は良いか？

来たか。前回は中断してスマなかったな。だが、今回は土日を使って勉強出来るように、たっぷりメニューを用意してあるから安心しろ。おそらく今回の訓練はハードな持久戦になるだろう。だがお前なら出来る！途中で絶対に諦めるなよ。

水は用意したか？それから食料持参でも構わんが、菓子食った手でキーボードにさわるなよ。そういう時にはちゃんと割り箸使え。

よし。準備は出来たみたいだな。

ついてこい！

webapp フレームワークを使ってみる

いきなりなんだが、標準のCGIはシンプルとは言え全部のコードを手入力で書くのは面倒だと思わんか？実はWebアプリケーションフレームワークは、そういう細かい所を受け持ってくれる可愛いヤツだ。おかげで我々はアプリケーション開発の本質的な部分に集中出来るってワケだな。

Google App Engine では、pure Pythonで書かれたフレームワークなら何でも使える。当たり前だがCGIが喋れるヤツだけだぞ。webapp以外の例だとDjangoとかCherryPy、Pylons、web.py なんかがあるな。好きなフレームワークをアプリケーションにバンドルしたけりゃ、選んだフレームワークのコードをコピーして該当アプリのディレクトリに置けばOKだ。

ちなみにApp Engine は自前の簡単なWebアプリケーションフレームワークを持ってる。そいつの名前がwebappっていうワケだ。これまでお前がその名前を知らなかったのも当然だな。これは既にApp Engine 環境にもSDKにもインストールされてる。つまり、上で言ったような作業（ディレクトリへのファイルのコピー）は必要ない。よかったな。じゃあ、webappを実際に使いながら進めていくぞ。

出たな webapp

webapp アプリケーションには以下の3つのパーツがある。

1つ以上のリクエストハンドラクラス（リクエストの処理とレスポンスの生成を担当）
WSGI アプリケーションのインスタンス（URLに従ってリクエストをルーティングする）
メインルーチン

じゃあ、先ずは前回作ったhelloworld をwebappアプリケーションとして作り直すぞ。helloworld/helloworld.py を以下のように書き換えろ。

import wsgiref.handlers

from google.appengine.ext import webapp

class MainPage(webapp.RequestHandler):
  def get(self):
    self.response.headers['Content-Type'] = 'text/plain'
    self.response.out.write('Hello, webapp World!')

def main():
  application = webapp.WSGIApplication(
                                       [('/', MainPage)],
                                       debug=True)
  wsgiref.handlers.CGIHandler().run(application)

if __name__ == "__main__":
  main()

そして前回同様「http://localhost:8080/」をリロードしてみろ。Webサーバを止めてしまってるなら、前回説明した方法で再起動すればいいぞ。どうだ？結果は見れたか？

webapp は何をやっているのか？

webapp モジュールは google.appengine.ext パッケージの中にある。コイツはランタイム環境と同様SDKでも使えるものだ。

まず、上で示したコードではメインページ（ルートURL)に対してマップされた1つのリクエストハンドラを規定している。メソッドの中身は、webappがルートURLにHTTPのGETリクエストを受けた場合に何を返すか？だ。分かるな？インスタンスがどうのって話は、ここでは敢えてしないぞ。Pythonがまだ良く分からんヤツは、ひとまず流しておけ。

アプリケーションのメインルーチンの中で「debug=True」とあるのは、エラー等の際にスタックトレースを吐き出させる機能を使うかどうかだ。一般に公開する段階ではOFFにしたいかも知れんな。その次の行は、CGIハンドラを使って実際にメインルーチンを実行させてる部分だ。

このコードはPython標準ライブラリにあるwsgirefモジュールを使ってる。これはCGIアダプターを使うWSGI アプリケーションを走らせるためだ。wsgirefモジュールについての詳しい情報はココにあるから、知りたければ確認しておけ。

ちなみに、このチュートリアルではもう少しwebappを利用する予定だが、webappについてもっと情報が必要と思うならココを確認しておけ。

で、次は…？

フレームワークを使うとwebアプリの開発が手早く簡単になるだけでなく、ミス等のエラーを低減させるコトも期待出来そうだな。ただ、繰り返しになるがwebappはあくまでPython環境で使えるフレームワークとして見れば単なる選択肢の１つだからな。絶対使う必要があるもんじゃないぞ。

さて、helloworldと比較したダケだと、何が嬉しいのかイマイチ伝わらんだろう。続いてもう少しwebappを使い込んでいくぞ。

Users Service を使ってみる

Google App Engine はGoogleのインフラをベースとした便利なサービスをイロイロと提供している。そして、これらにはSDKに含まれるライブラリを使う事でアクセス出来る、って話はここまで読み進めてきたお前なら既に理解しているだろう。

ここでは、その中の１サービスである Users サービスについて見ていくぞ。コイツはGoogle アカウントを利用するためのものだ。Usersサービスを使えば、ユーザはサービス用に新しくアカウントを作らなくても、そのままGoogleのアカウントを使ってサインイン出来るってワケだな。

それじゃあ今まで作ってきたアプリに、ユーザ識別機能を加えていくぞ。

Users サービスを使って機能追加

例によってhelloworld ディレクトリの helloworld.py を次のように書き直せ。

import wsgiref.handlers

from google.appengine.api import users
from google.appengine.ext import webapp

class MainPage(webapp.RequestHandler):
  def get(self):
    user = users.get_current_user()

    if user:
      self.response.headers['Content-Type'] = 'text/plain'
      self.response.out.write('Hello, ' + user.nickname())
    else:
      self.redirect(users.create_login_url(self.request.uri))

def main():
  application = webapp.WSGIApplication(
                                       [('/', MainPage)],
                                       debug=True)
  wsgiref.handlers.CGIHandler().run(application)

if __name__ == "__main__":
  main()

早速ブラウザでリロードしてみろ。ローカルPC内のGoogleサインインページにリダイレクトされるハズだ。何でも好きなユーザ名を入れてみろ。その（ニセ）ユーザ名をアプリケーションが認識しただろう？

実際の App Engine でアプリが動作する場合、当然だが本当のGoogle アカウントのサインイン用のページにリダイレクトされるぞ。ちゃんとサインイン（またはアカウントの作成）に成功すれば、めでたくまたアプリの方に戻ってこれるワケだ。

Users API

それじゃあ、新しくコードに追加された部分を見ていくぞ。

user = users.get_current_user()

ここで行われる処理は次の通りだ。既にユーザがアプリケーションにサインインしている場合、get_current_user() はそのユーザのUserオブジェクトを返すようになってる。そしてサインインしてない場合はNoneが返る。

if user:
  self.response.headers['Content-Type'] = 'text/plain'
  self.response.out.write('Hello, ' + user.nickname())

コイツはユーザがサインインしてる場合の処理だ。この場合、ユーザのアカウントに対応するニックネームを使って挨拶メッセージが表示される。まぁ、簡単だな？

else:
  self.redirect(users.create_login_url(self.request.uri))

こっちがサインインしてない場合の処理だ。この場合、Google アカウントのサインイン用ページにリダイレクトする。リダイレクトには自身のページのURI（self.request.uri）が含まれていて、Google アカウントのサインイン機構がサインインするかアカウントの新規作成をした後で、元のページに戻す際に利用される事になる。

Users API についてもう少し知りたい場合はココを確認してみろ。

で、次は…？

ここまでで、アプリケーションはユーザを識別する機能を持ったワケだが、まだ満足するには早すぎるな。次はユーザが入力したメッセージを受け取れるようにしてみるぞ。

どうした？　まだ疲れちゃいないよな？

よし、そのままついてこい。

webapp を使ってWeb Form を処理する

ユーザが入力したデータをPOSTさせたい場合、Web Form で入力されたデータを処理できる必要があるのは分かるな？webapp はまさにそいつを楽にしてくれる賢いヤツだ。じゃあ、詳しく見ていくぞ。

Web Form の処理

例によってhelloworld ディレクトリの helloworld.py を次のように書き直せ。

import cgi
import wsgiref.handlers

from google.appengine.api import users
from google.appengine.ext import webapp

class MainPage(webapp.RequestHandler):
  def get(self):
    self.response.out.write("""
      <html>
        <body>
          <form action="/sign" method="post">
            <div><textarea name="content" rows="3" cols="60"></textarea></div>
            <div><input type="submit" value="Sign Guestbook"></div>
          </form>
        </body>
      </html>""")


class Guestbook(webapp.RequestHandler):
  def post(self):
    self.response.out.write('<html><body>You wrote:<pre>')
    self.response.out.write(cgi.escape(self.request.get('content')))
    self.response.out.write('</pre></body></html>')

def main():
  application = webapp.WSGIApplication(
                                       [('/', MainPage),
                                        ('/sign', Guestbook)],
                                       debug=True)
  wsgiref.handlers.CGIHandler().run(application)

if __name__ == "__main__":
  main()

Formを確認する為にページをリロードしろ。そして、何かメッセージを入力してみろ。

今回の変更でハンドラが2つになったのは分かるか？1つはルートのURLにマップされたメインページ、もう1つはURL「/sign」にマップされたGuestbook だ。こいつが Form に入力されたデータを表示するのに使われるコトになる。

見れば分かると思うが、GuestbookハンドラはGetメソッドの代わりにPostメソッドを持ってるな。これはFormの内容を送信するのにHTTP POST を使うからだ。ちなみに、なんらかの理由で1つのハンドラにGetもPostも対応するようにさせたい場合があるかも知れん。その場合は同一クラスの中で2つのメソッドを宣言してしまって構わんぞ。

このコードの中でpost()メソッドは self.request からForm データを取得する形になる。そしてユーザにそれを見せる前にcgi.escape()を使ってHTMLの特殊な文字をエスケープする。ちなみにcgiとあるのはPythonの標準ライブラリにあるモジュールだ。このモジュールについて詳しく知りたければココを見ておけ。

標準ライブラリの話が出たからついでに言っておくが、App Engine 環境がPython 2.5 標準ライブラリを含むからといって全ての動作が許可されてるワケじゃないからな。サンドボックスの話、覚えてるか？詳しく調べたければココをチェックしてみると良いぞ。

で、次は…？

さて、ここまででユーザからデータを取得するところまでは出来た。次は、取得したデータを保存する事を考えてみるぞ。

どうだ？　まだいけるか？

なに、お前ならいける。まだやれる！

さぁ、次に行くぞ！

Datastore を使ってみる

スケーラブルなWebアプリケーションでデータを保存するってのはトリッキーな場合がある、ってのは聞いたことあるか？まぁ簡単に言えば、リクエスト毎に物理的に異なるサーバと通信してる可能性がある、ってコトだな。だが、Google App Engine ではそんな事を意識する必要は無い。ロードバランシングその他諸々、App Engine のインフラ側がやってくれるコトになってるからな。良かったな。

送信されたデータを保存する

App Engine はPython向けのデータモデリング APIを持っているんだが、コイツはDjangoのデータモデリング APIにワリと似てる。App Engine では裏でスケーラブルなDatastoreを使ってる点は違うんだがな。何？　似てるって言われてもDjangoを知らない？　それでもまぁいい。じゃあ、今は気にするな。

さて、ゲストブックアプリでは、ユーザからPOSTされたデータを保存したいワケだ。POSTされる全てのデータは「投稿者の名前」「メッセージ自身」そして、データを時系列に並べて表示するために使う「データをPostした日付」あたりの情報を持つ事になるだろう。

それじゃあ、また例によってhelloworld ディレクトリの helloworld.py を書き直すぞ。

まずは1行目に以下のimport宣言を追加しろ。

from google.appengine.ext import db

そして次にMainPageクラスの上に以下のコードを追加しろ。

class Greeting(db.Model):
  author = db.UserProperty()
  content = db.StringProperty(multiline=True)
  date = db.DateTimeProperty(auto_now_add=True)

コイツは先に示した3つのプロパティを含むメッセージデータのモデルになる。まぁ、見たままだから特に説明しなくても大丈夫だな？

一部のプロパティコンストラクタは、振る舞いを決定付ける為に更にパラメータを取る。今回の場合、db.String プロパティについては「multiline=True」というパラメータを与える事で、複数行にまたがる文字を格納する事が出来る事を示している。そしてdb.DateTimeプロパティについては「auto_now_add=True」というパラメータを与える事で、アプリケーションが指定しなかった場合は、新しくオブジェクトが生成された時の時間を自動的に付与する形となる事を示している。ちなみに、プロパティの種別やオプションの一覧を全て確認したい場合はココを確認すると良いぞ。

さて、これでメッセージ用のデータモデルが完成したワケだ。これを使ってアプリは新しいメッセージオブジェクトを作ることも出来るし、Datastoreに登録することも出来る。

じゃあ、次はGuestbookハンドラを編集するぞ。

class Guestbook(webapp.RequestHandler):
  def post(self):
    greeting = Greeting()

    if users.get_current_user():
      greeting.author = users.get_current_user()

    greeting.content = self.request.get('content')
    greeting.put()
    self.redirect('/')

今回新しく作ったGuestbookハンドラは新規のメッセージオブジェクトを生成するためのものだ。当たり前だがその際、各プロパティのデータはユーザがPOSTしたものを利用する。しかし、日付プロパティはセットされてない点は注意して見ておけよ。さっき定義した通り、サーバ側で受信した日時を入れるんだからな。

最後に、greeting.put() だが、こいつはDatastoreにオブジェクトを保存する為のもんだ。put()は既存のオブジェクトの更新になる。今回の場合、コンストラクタ経由で作った新規オブジェクトがput()を使ってDatastoreに追加された、ってコトになるワケだ。･･･ついて来れてるか？

GQL で保存されてるデータを取り出してみる

App Engine のクエリエンジンは非常に洗練されてるぞ。よかったな。ちなみにApp Engine Datastore はリレーショナルデータベースじゃないから、クエリはSQLを使わない。上の見出しも別にTypoじゃないぞ。代わりにSQLライクなGQLってのが用意されてる。GQLはおなじみの構文で App Engine Datastore にアクセス出来るぞ。

それじゃぁ、MainPage ハンドラをこんな感じで書き換えてみろ。

class MainPage(webapp.RequestHandler):
  def get(self):
    self.response.out.write('<html><body>')

    greetings = db.GqlQuery("SELECT * FROM Greeting ORDER BY date DESC LIMIT 10")

    for greeting in greetings:
      if greeting.author:
        self.response.out.write('<b>%s</b> wrote:' % greeting.author.nickname())
      else:
        self.response.out.write('An anonymous person wrote:')
      self.response.out.write('<blockquote>%s</blockquote>' %
                              cgi.escape(greeting.content))

    # Write the submission form and the footer of the page
    self.response.out.write("""
          <form action="/sign" method="post">
            <div><textarea name="content" rows="3" cols="60"></textarea></div>
            <div><input type="submit" value="Sign Guestbook"></div>
          </form>
        </body>
      </html>""")

出来たか？　よし、それではリロードだ。リロードしたら、試しにいくつかメッセージをPOSTして動作を確認してみろ。ちゃんと送信データが表示されたか？

クエリはこの行で発行されてるな。

greetings = db.GqlQuery("SELECT * FROM Greeting ORDER BY date DESC LIMIT 10")

あるいは、これをチョイと変更し、gql(...) を使ってこんな形で表現しても構わん。

 greetings = Greeting.gql("ORDER BY date DESC LIMIT 10")

SQLと同じくキーワード（SELECTとかだな）は大文字小文字の区別はしない。ただし名称については大文字小文字を区別するから、その点は気をつけておけ。

それからクエリはデータオブジェクトの実体を返すから、一部のプロパティを選択するとかやっても意味無いぞ。全てのGQLクエリは「SELECT * FROM オブジェクト名」で始まる。gql()メソッドを使う場合は上記例の通りちょっと違うが、まぁそういう細かいトコはつっこむな。

GQLクエリはWHEREも使えるぞ。これは、プロパティ値を使って結果をフィルタリングするやつだな。ちなみにSQLと違ってGQLではクエリが定数を持たない場合がある。その代わり、GQLではパラメータバインディングを使ってるぞ。

例えば「現在のユーザから送信されたデータのみ」なんて条件を指定したいと思った場合はこんな感じにすると良い。

 if users.get_current_user():
      greetings = Greeting.gql("WHERE author = :1 ORDER BY date DESC",
                               users.get_current_user())

これは以下のように表現するのでも構わん。

      greetings = Greeting.gql("WHERE author = :author ORDER BY date DESC",
                               author=users.get_current_user())

実は、GQLに加えてDatastore API ではメソッドを使って以下のようにクエリを組み立てる事も出来るぞ。

      greetings = Greeting.all()
      greetings.filter("author =", users.get_current_user())
      greetings.order("-date")

何？　最初からそれを教えろだと？　そういう根性では先が持たんぞ。腕立て20回だ！

現実的な数にしといたから、ちゃんとやれよ。

それから、GQLや Datastore API の詳細が知りたければココを見ておけ。

　開発用サーバのDatastoreをクリアする

開発用サーバではアプリテスト用にローカル版のDatastoreをテンポラリなファイルとして持ってるワケだが、コイツはユーザが指定しない限りサーバが勝手に消したりはしない。

で、その消したい場合の操作は以下の通りだ。サーバ起動の時に--clear_datastoreオプションをつけろ。

dev_appserver.py --clear_datastore helloworld/

さて、これでGoogleのアカウントを利用したゲストブックアプリが出来上がったワケだな。App Engine 側で勝手にスケーリングをやってくれるから、このアプリが仮に人気が出たとしても、何かコードをいじったりする必要も無い。どうだ？思ったより早く出来たー、なんて驚いてるんじゃないか？思う存分使って試して感動に浸れ。

しかし、だ。お前にはこんなところで満足してもらっては困る。もう一度コードを見てみろ。MainPageハンドラにHTMLが入ってるだろう？　これはアプリの見栄えを変えたい！って時に、ちょいとメンテナンスが面倒そうだとは思わんか？　いや、むしろ思え。思わんようではイカン。

と、いうワケで次はテンプレートを学ぶぞ！

何？　お腹一杯です、だと？

まだだ。まだお前ならやれる。

さあ、あと少しだ！　もう少しだけ踏ん張りを見せろ！

テンプレートを使ってみる

コードの中にHTMLを埋め込むってのは、見栄えも悪いし、どうにもメンテナンスが大変だと思わんか？そんな時にはテンプレートを使った方が良いぞ。コイツはHTMLを別ファイルとして管理してくれる賢いヤツだ。Pythonにはイロイロなテンプレートがある（EZT、Cheetah、ClearSilver、Quixote、で、Djangoな）ワケだが、好きなのを選んでバンドルして良いぞ。

といって突き放すのもアレだからな。とりあえずwebappモジュールにあるDjangoのテンプレートエンジンを使ってみるのが良いんじゃないか？コイツはSDKにも入ってるし、勿論App Engine でもサポートしてる。コイツを使う限りは、何も意識する必要は無いってコトだな。

で、Django テンプレートを使ってみる

それでは、いつものhelloworld ディレクトリにある helloworld.py を開け。そして先頭に以下のコードを追加しろ。

import os
from google.appengine.ext.webapp import template

そしてMainPageハンドラを次のように書き直せ。

class MainPage(webapp.RequestHandler):
  def get(self):
    greetings = Greeting.all().order('-date')

    if users.get_current_user():
      url = users.create_logout_url(self.request.uri)
      url_linktext = 'Logout'
    else:
      url = users.create_login_url(self.request.uri)
      url_linktext = 'Login'

    template_values = {
      'greetings': greetings,
      'url': url,
      'url_linktext': url_linktext,
      }

    path = os.path.join(os.path.dirname(__file__), 'index.html')
    self.response.out.write(template.render(path, template_values))

そして仕上げだ。helloworld ディレクトリに新しく「index.html」ってファイルを作成しろ。中身はこうだ。

<html>
  <body>
    {% for greeting in greetings %}
      {% if greeting.author %}
        <b>{{ greeting.author.nickname }}</b> wrote:
      {% else %}
       An anonymous person wrote:
      {% endif %}
      <blockquote>{{ greeting.content|escape }}</blockquote>
    {% endfor %}

    <form action="/sign" method="post">
      <div><textarea name="content" rows="3" cols="60"></textarea></div>
      <div><input type="submit" value="Sign Guestbook"></div>
    </form>

    <a href="{{ url }}">{{ url_linktext }}</a>

  </body>
</html>

出来たか？

それじゃあ早速リロードしてみろ。動作に問題はないか？

template.render(path, template_values)はテンプレートファイルまでのパスと、template_valuesとして宣言してる各種変数を処理し、実際に必要なHTML画面を返す形になる。Djangoのテンプレート構文を使うテンプレートは、各変数のプロパティにアクセス可能だ。かなりの場合において、Datastoreモデルオブジェクトを直接投げてしまい、それを受け取ったテンプレート側でプロパティにアクセスするような形が使えるぞ。

ちなみに、App Engine ではプロジェクトだろうがライブラリモジュールだろうが、アップロードされたものは読み込み専用ファイルとして取り扱われるぞ。それから、カレントの作業ディレクトリがhelloworld ディレクトリになってるから、テンプレートファイルのパスの指定はシンプルに「index.html」で構わん。

で、次は。。？

これで動的に生成したHTMLを返すところまでアプリが成長したワケだな。しかし、これではまだ十分じゃない。画像だのCSS スタイルシートだの、JavaScriptだの、そういうのが普通のWebコンテンツなら普通に入ってるだろう？今度はそういうものを使えるようにしてしまうぞ！　

どうだ？　またヤル気が出てきたか？

もうお前は疲れてるだろうとは思う。しかし、だ。まだ限界じゃないだろう？

なーに。お前ならまだやれる。ゴールまではもう少しだ。

さぁ、次に行くぞ！　CSS スタイルシートを食ってやれ！

静的なファイルを使えるようにする

Google App Engine は普通のWebサーバとは仕組みが違うからな。前回、index.htmlなんてファイルも作ったが、実際に「/index.html」が出来てるワケじゃない。基本的には静的なファイルとしては扱わないってコトだな。

だが、JavaScriptなりCSSなり画像なり、やはり静的なファイルを使いたいケースはイロイロあるだろう。ここでは、そのやり方について見ていくぞ。

静的なファイルを使う

まずは helloworld/app.yaml を次の通りに修正しろ。

application: helloworld
version: 1
runtime: python
api_version: 1

handlers:
- url: /stylesheets
  static_dir: stylesheets

- url: /.*
  script: helloworld.py

handlers セクションに2つのハンドラがあるのは分かるな？ /stylesheets で始まるURLをApp Engine が受信した場合、stylesheetsディレクトリにあるファイルを適宜レスポンスに含める形で使えるようになる。そしてこのコードの場合は、他のリクエストパターンだと今までどおりhelloworld.py の処理結果が返却されるコトになるな。

デフォルトではApp Engine サーバはMIMEタイプペースの拡張子を使う。例えば拡張子が.cssなら、MIMEタイプとしてtext/css が付与されるワケだ。オプションを使って変えるコトも出来るぞ。

ちなみにURLハンドラは、app.yaml 内での並び順にしたがってURLを評価するようになってるぞ。app.yamlを使って出来る事をもっと知りたければココを確認しておけ。

よし、それじゃあhelloworld ディレクトリ配下にstylesheetsディレクトリを作るぞ。で、その中にmain.css を作って保存しろ。中身はこうだ。

body {
  font-family: Verdana, Helvetica, sans-serif;
  background-color: #DDDDDD;
}

最後に、このcssファイルを使うindex.html を次のように編集しろ。

  <head>
    <link type="text/css" rel="stylesheet" href="/stylesheets/main.css" />
  </head>

さあ、リロードしてみろ。スタイルシートを使った新しいバージョンに生まれ変わったか？

いよいよアップロード

よし。よくここまでついて来れたな。お前は本当によく頑張った！

それでは、いよいよApp Engine にアップロードして世間にお前の頑張りを公開する時だ！

最終ステップ。用意は良いか？？

なに？　「Invitationきてないから、僕はどうせアップロードできない」だと？

それがどうした？　出来なくても見ておけ。後で見ようとすると、結構忘れるぞ。

じゃあ、いくぞ！　

アプリ、ついにアップロード

早速だが、アプリのアップロードには、appcfg.pyってコマンドラインのツールを使う事になる。管理用コンソールを経由してアプリIDを申請したら、いよいよアップロードだ。ちなみに、現時点では管理用コンソールにアップロードしたアプリを削除する機能はついていない。近日対応予定とGoogleは言ってるがな。気をつけておけ。とにかくお試し期間中に登録できるIDは3つまでだ。

そんなワケで、お前が「このチュートリアル用でIDを消費しちゃうのが勿体無い」なんて考えるヤル気に溢れたヤツならば、、、いいだろう。敢えてアップロードはせず、ただこれを読め。

アプリケーションを登録する

まずはIDの申請だ。App Engine の管理用コンソールである以下のサイトにアクセスするぞ！

http://appengine.google.com/

そしてお前のGoogle アカウントでサインインしろ。ここまで読んでおいてまだGoogle アカウントが無いってコトもないだろうが、無いなら事前に作っておけよ。

いよいよ手続きに入るぞ。まずは「Create an Application」ボタンをクリックしろ。で、あとは説明にしたがってIDを登録するだけだ。お前がappspot.comのドメイン名を使うなら、お前のアプリのURLはhttp://application-id.appspot.com/　ってコトになる。application-id の部分をアプリ用に購入する事も出来るし、お前が既に持ってるものを使う事も出来るぞ。

そうそう。アプリケーションIDを取得したら、app.yamlのファイルを編集するのを忘れるなよ。

アップロード！

アップロードには次のコマンドを使え。

appcfg.py update helloworld/

そして、次にプロンプト上でGoogle のアカウントとパスワードを入力しろ。

そうすればほら、作業は完了だ！！！！

ついにチュートリアル制覇

ここまで本当にお前は良く頑張った！　卒業おめでとう！！

これでお前もGoogle App Engine 使いだ。まだまだヒヨっ子だがな。

これからはお前の力で道を切り開いていかねばならん。

だが、なに、ここまで来れたお前ならきっと出来る！

世間を「あっ」と言わせるアプリを作って見せろ。

俺には礼は要らん。その代わり、今度はお前が他の人達を助けてやれ。知識の出し惜しみなんてするんじゃないぞ。お前の成果を目にする日を楽しみにしてるからな。

辛くなったらまたココに来い。何かまたお前に役立つ情報があるかも知れんからな。

だが、お前自身の足で歩く事を忘れちゃイカンぞ。

それでは最後になるが。。卒業おめでとう！！

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おとなり日記

2008-04-08 yojikのlog 6/73 8%
2008-04-08 dodobonの日記 5/73 6%

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暗号、数学、時々プログラミング

2008-04-12

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準備は良いか？

webapp フレームワークを使ってみる

出たな webapp

webapp は何をやっているのか？

で、次は…？

Users Service を使ってみる

Users サービスを使って機能追加

Users API

で、次は…？

webapp を使ってWeb Form を処理する

Web Form の処理

で、次は…？

Datastore を使ってみる

送信されたデータを保存する

GQL で保存されてるデータを取り出してみる

開発用サーバのDatastoreをクリアする

テンプレートを使ってみる

で、Django テンプレートを使ってみる

で、次は。。？

静的なファイルを使えるようにする

静的なファイルを使う

いよいよアップロード

アプリ、ついにアップロード

アプリケーションを登録する

アップロード！

ついにチュートリアル制覇

暗号、数学、時々プログラミング

2008-04-12

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準備は良いか？

webapp フレームワークを使ってみる

出たな webapp

webapp は何をやっているのか？

で、次は…？

Users Service を使ってみる

Users サービスを使って機能追加

Users API

で、次は…？

webapp を使ってWeb Form を処理する

Web Form の処理

で、次は…？

Datastore を使ってみる

送信されたデータを保存する

GQL で保存されてるデータを取り出してみる

開発用サーバのDatastoreをクリアする

テンプレートを使ってみる

で、Djangoテンプレートを使ってみる

で、次は。。？

静的なファイルを使えるようにする

静的なファイルを使う

いよいよアップロード

アプリ、ついにアップロード

アプリケーションを登録する

アップロード！

ついにチュートリアル制覇

本当は興味のあるアナタへ捧ぐ (2)　－ Google App Engine

　開発用サーバのDatastoreをクリアする

で、Django テンプレートを使ってみる