通天閣が虎に牙「くいだおれ渡さへん」
大阪文化の象徴の1つ、通天閣が15日、飲食店「くいだおれ」(7月8日閉店)の人形「くいだおれ太郎」を新世界へ誘致しようと、署名活動をスタートさせた。前日14日に阪神タイガースの南信男球団社長(53)が、買い取り検討を明かしたことで、通天閣を経営する通天閣観光は「大阪から太郎を出したらあかん」と燃え、実行に移した。目標は「ツーテンにちなみ210千人(21万人)」。同観光ホームページ、携帯電話サイトでも受け付けている。
大阪の文化は大阪で守る-。昨年度、大阪万博のあった70年以降初めて来場者数が100万人を超えた通天閣が、くいだおれ太郎の誘致に熱くなっている。この日から通天閣内で署名活動をスタートさせた。
通天閣観光の西上雅章社長(58)は「服の色と同じ紅白の家を建てる計画がある」と打ち明け、展望台に鎮座するビリケンさんとのコンビ誕生をもくろむ。高井隆光副社長(33)は「なんで太郎が兵庫県とか、よそ行かなあかんねん。新世界に通天閣があるのも、道頓堀に太郎がおんのも空気と同じ。道頓堀の会社が手ぇ上げへんなら、うちに来てもらいたい」。
昭和50年代初め、年間入場者数は20万人を切り、身売り同然で、西上氏、高井氏の親の世代が引き受けた通天閣。その後の地道な努力で人気を取り戻してきた。失墜しかけたなにわの灯を再び取り戻したという自負が、太郎の大阪残留への強い意志につながっている。
新世界には現在、串カツ店が40件以上あり、道頓堀に負けない食文化を誇る。「太郎にはビリケンさんと一緒に、大阪の観光客を見守ってもらいたい」とも話す。ヒートアップする高井氏の怒りは、阪神の南社長にも向いた。「軽い気持ちで言ったなら、迷惑千万。責任ある立場の人なんだから、発言には注意してもらわんと困る。阪神は大阪ちゃう、兵庫県ですよ! 絶対に渡したくない」。
ただ、ライバルは阪神だけではなく、すでに100社以上が買い取りに名乗りを上げる。高井氏は「うちは年商4億円やから、マネーゲームはできへん。1億円も出せへんから、ベタやけど署名集めて気持ち、誠意を伝えていきたい」と民意に訴える。
くいだおれは、太郎や商標権の売却先を検討するプロジェクトチームを立ち上げており、裁定を下すのは同チーム。7月の売却まで、通天閣は実質2カ月足らずで21万人の署名を目指し、裁定を待つ。
[2008年4月16日7時57分 紙面から]
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