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2008年4月16日

 「老いては子に従え」ということわざがあるが、もはや死語のようだ。子どもは面倒を見てくれないし、年をとっても自分で何もかもしなければならない時代だからである

後期高齢者医療制度で、初回となる保険料の年金天引きが始まった。これまで新しい保険証が届かなかったり、制度の仕組みが分かりにくく各市町村の窓口に相談者が押しかけるなど、てんやわんやとなっている。お年寄りが窓口の担当者から必死に話を聞いている姿を見ると哀れに感じる

保険料は取りはぐれのないところから、きちっと取るが、年金は未解決のまま。おまけに、税務署員などを装って税金や医療費の返還をかたる、振り込め詐欺も急増しているようだ。老後をゆっくり楽しむどころではない

福田康夫首相は所信表明演説で「若者に希望、お年寄りに安心」の国づくりをうたった。お年寄りの安心はどこにあるのだろう。「なんとか風」に吹き飛ばされるのを待っているのだろうか。だれもがいずれ行く道は先が見えず心細い

「果報は寝て待て」というが、果報は期待薄のようだ。枕を高くして寝られる日はいつ?


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