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安心・安全ナビ:働く女性の通勤時や自宅での防犯対策は。

 ◆働く女性の通勤時や自宅での防犯対策は。

 ◇犯罪者の目線でチェック 「入りやすく見えにくい」場所、注意

 ◇1人暮らし、悟られぬよう

 働く女性による働く女性のための防犯ハンドブック「ライフスタイルWoman360°」(本の泉社)が3月に出版された。著者は警備会社「セコム」の女性5人でつくる「働く女性の安全委員会」。委員会メンバーや犯罪社会学の専門家らに防犯対策を聞いた。

 ■通勤

 深夜、駅からの帰り道に歩きながら夢中で携帯電話でメール。犯罪者から狙われやすいシチュエーションだ。まず、ひったくり。警察庁によると、06年の認知件数2万6828件の被害者の9割超が女性だ。時間帯は午後6時~午前0時が半数を占める。バッグは車道側には持たず、体にぴったりつける。自転車ならかごにネットをかけておくと良い。強姦(ごうかん)や強制わいせつの被害も夜間に集中している。

 立正大の小宮信夫教授(犯罪社会学)は「犯罪者の目線に立ち、犯罪をしやすいのはどこかを普段から考えておくだけでも被害は減らせる」と話す。ポイントは「入りやすい」「見えにくい」だ。

 07年8月24日午後11時10分ごろ、名古屋市で帰宅途中の女性派遣社員(当時31歳)が携帯電話サイトで知り合った3人組の男に車に連れ込まれ殺害された。襲われたのはバス通りに近い路上で、学校とマンションの壁に挟まれた場所。車を使う犯人には「入りやすく」、周囲から「見えにくかった」。

 植え込みなどで車道と区切られている歩道は比較的安全だが、その切れ目は「入りやすい」。犯人はそこを狙って声をかけてくる。緊急時に逃げ込める交番やコンビニエンスストア、救急病院などを把握しておくことも大切だ。

 ■自宅

 「部屋の窓の鍵が開いているのを確かめて侵入した」。07年10月30日午後7時ごろ、埼玉県川口市で1人暮らしの女性会社員(当時26歳)が帰宅直後に襲われ、キャッシュカードを奪われ殺された事件。強盗殺人容疑で逮捕された配管作業員の男(40)は県警の調べにこう供述した。

 女性の自宅はアパート2階。男は隣接するアパートの廊下からベランダに飛び移り、無施錠の窓から侵入したという。警察庁によると、一戸建て住宅と3階建て以下の共同住宅の侵入窃盗の経路で最も多いのが「窓」。夏には窓を少し開けて施錠できる補助錠がお薦めだ。

 この男は他にも強盗や強盗未遂、窃盗罪計4件で起訴されたが、うち3件は1人暮らしの女性が被害者だった。ハンドブック執筆者の一人でセコム・コーポレート広報部の田島千恵子さんは「1人暮らしだと悟られない工夫も必要」と話す。例えば▽窓際の飾りやカーテンに注意する▽洗濯物は極力、屋外には干さない▽郵便受けの表札は地味にして名字だけ--など。

 コンビニでの公共料金の支払いにも落とし穴が潜んでいる。請求書には住所や名前などが印字されている。田島さんは「レジに並んでいる時や支払時にのぞかれないように」とアドバイスする。【三木陽介】

毎日新聞 2008年4月16日 東京朝刊

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