しつこいせきが続く「百日ぜき」の患者報告が増えており、今年1-3月の累計は、比較が可能な2000年以降で最多となったことが、国立感染症研究所の16日までのまとめで分かった。
特に成人患者の増加が目立ち、全体の4割近くを占めた。専門家は乳幼児期に受けたワクチンの効果が減衰したためではないかとみている。
成人は典型的な発作症状がなく、見逃される例も多いとされる。感染研は「放っておくと感染を拡大させるため、激しく治りにくいせきなどの症状が出たら早く受診を」と呼び掛けている。
3月30日までの約3カ月間に、全国約3000カ所の小児科から報告された患者数は計851人。この規模の調査が定着した2000年以降、最多だった同年の同じ時期までの累計(計689人)を上回った。都道府県別では千葉150人、福岡70人、大阪69人、広島58人、愛知56人など、大都市圏で多い。