♀乙女メモリアル♀

いまから１年前　大切なお人形さんが居ました
ゆらはそのお人形さんの　寝顔がだいすきだった
どうせ不眠症で眠れないから　ベッドの端っこに座ってずっと眺めていたよ

何も話さない　怒らない　傷つけない　困らせない
透き通るような白い肌はまるで本物の蝋人形みたいで　きれいで
このまま動かなくなって　ずっと此処に置いておけたらいいのにと願った


だけど　お人形さんは　人間の時はゆらを泣かせてばかり

淋しいけれど　とても淋しいけれど　手放した　その白い手を
たくさん嫌いになっちゃったけれど　奇麗な寝顔だけはすきでした




淋しさに耐えられなくなった頃　ゆらは理想のお人形さんと出逢った

何時間見ても飽きない　可愛い寝顔
ぷにぷにしたほっぺ　長い睫毛　無邪気というコトバがぴったり当てはまった

人間のときは　わがままでおこりっぽくて　ゆらを困らせる
だけど　その天使みたいな寝顔を眺めていると　幸せで満ち溢れた
剥製にして　このままずっと置いておきたいと思った



結局ゆらは、人間のお人形が欲しいだけなのかな
お人形は傷つけないから
お人形は永遠だから

かわいい　かわいい　かわいい


ほんとの恋が出来る日はくるのかな
歪んだ愛しかたしか出来ない

睫毛の影が美しいんだ

動かないまま　しんだお人形
また安心して死んで　死んで　死んで　死んで

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