任天堂「Wii」が韓国進出、業界から不満の声も
ポータブルゲーム機「ニンテンドーDS」で知られる任天堂が、今度はテレビ用ゲーム機「Wii」を韓国で発売します。14日にソウル市竜山区漢南洞のグランド・ハイアット・ホテルで行われた記者会見には、予定になかった任天堂の岩田聡社長が急きょ参加するなど、話題を呼びました。
任天堂は2007年に、すでにニンテンドーDSを韓国で発売し、140万台の販売を記録しました。ソフトウエア関連の販売実績まで合わせれば、これまでの売り上げは2000億ウォン(約206億円)に上っています。そんな任天堂が今度はテレビ用ゲーム機を掲げ、再び韓国ゲーム市場で旋風を巻き起こそうとしているのです。
しかし、華々しい販売実績に比べると、任天堂の韓国市場へのアプローチには多くの問題が内在しています。
代表的なケースが不法コピーへの対応問題です。今年2月に任天堂米国法人は、米国政府に働き掛け、韓国で販売されているニンテンドーDS用ソフトウエアの不法コピーに対し、貿易制裁を下すよう要請しました。
これに対し、韓国のユーザーは当時、「不法コピーを阻もうとするのは理解できるが、米国政府まで引きずり込もうというのはやり過ぎだ」と反発しました。また、父兄たちも「子どもたちが使用するソフトウエアの値段が1個3万ウォン(約3090円)を超えているのは紛れもない暴利」と主張しています。
また、韓国ゲームメーカーの任天堂に対する感情も、あまり良くないようです。ニンテンドーDS用のソフトウエアを見ると、70%以上が任天堂で直接開発されたもので、韓国の中小ゲームメーカーに対する支援は至って消極的です。ライバルのソニーやマイクロソフトは韓国現地法人で別途のゲームタイトルを開発し、これを海外にまで輸出するほど積極的に協力しています。一方、任天堂は主に独自開発したソフトウエアを韓国語に単純に翻訳し、売り込むのにあくせくしている、というのが韓国ゲーム業界の見方となっています。
任天堂はこうした反発を意識し、同日の記者会見で一足遅れの技術およびマーケティングレベルの協力支援策を打ち出しましたが、韓国ゲーム業界の反応は相変らず冷めています。これについて、ゲーム業界の関係者は「支援策に具体的な内容が見られなかった」と話しています。
白承宰(ペク・スンジェ)記者
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