南極海での調査捕鯨中に米環境保護団体、シー・シェパードから妨害行為を受け、15日に東京港に入港した調査母船「日新丸」の小川知之船長ら捕鯨調査団は同日、農林水産省で記者会見。小川船長は「3―4メートルの距離まで近づいてきた。衝突すれば人命が失われる危険があった」と緊迫した状況を振り返り、「シーマンシップを守ってほしい」と訴えた。
小川船長によると、同団体は薬品を投げる際、船同士が接触する寸前の距離まで近づいてきた。「回避しようとかじを切ると衝突する可能性があり、真っすぐ走るしかなかった」と証言し、「船体や人命を危険にさらす行為はすべきでない。国際的な場で(妨害行為を)取り上げてほしい」と、シー・シェパードを批判した。
捕鯨調査団の石川創団長は、妨害行為の影響で850頭前後を予定していた鯨の捕獲数が551頭にとどまったことについて「安全を考え、31日間調査を中断せざるを得なかったが、妨害に屈せず調査を続行できた」と話した。
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