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医師が危ない
第4部 驚きの「防波堤」 高知赤十字病院
2008年04月14日付・夕刊

 (3)麻酔医=救急医の訳

平成6年11月にできた高知赤十字病院の救命救急センター。47都道府県で最後だった(高知市新本町2丁目)

 名前は同じ「救命救急センター」でも、高知医療センターと高知赤十字病院の中身は違っていた。

 医療センターの救急救命科の専従医師は四人。内訳は循環器科、消化器外科、総合診療科の出身。それに対し高知赤十字病院救急部は七人全員が麻酔科出身。なぜ、麻酔科医が救急医なのか。高知赤十字病院の西山謹吾部長(50)は、こう語った。

 「救急は何科出身でもいいんです。中四国の救急学会の六、七割は麻酔科医。関東は外科や脳外科が多いんです」

 麻酔科は救急に違和感がないのだという。

 「外科の手術には全部一緒に入るでしょ。心臓も肺も、胃腸も整形も。未熟児からお年寄りまで老若男女すべてが対象。だから、ある程度分かっているんです」

 そしてこうも言った。

 「救急は脳疾患にしろ交通事故にしろ、呼吸器と循環器をまず正常に保つのが大切。麻酔科医は手術室でいつもそういう仕事をしているから、非常にとっつきやすいんです」

 つまり、救急医への近道らしい。

 「こんなこと言ったらしかられるかもしれないけど、救急医は患者さんを診断するのが楽しみでもあるんです。腹痛一つとっても、原因はいろいろ。尿路結石かもしれんし、腹部大動脈瘤(りゅう)破裂や、腸閉塞(へいそく)もある。それを各科の先生に相談して、そこでまた、うんちくを聞けるでしょ。これが勉強になるんです。麻酔科だけやっていては経験できない魅力ですよね」

 他科の医師に教わって広く浅く、時には深く力を付けていく。その点、医療センターの場合、救急車担当の当直医は各科の持ち回り。急患が自分の得意分野なら診るが、それ以外は専門科に委ねる。分業制と専門制が進んでいる半面、それは視野を広げるチャンスを失うことも意味する。

 また、官舎が病院のそばにあるため、医師が呼ばれやすい環境にある。

 こちらの話を聞いて、西山部長はうなずいた。

 「なるほどね。お互い持ちつ持たれつか。だから、呼び出しに対してあまり遠慮がないのかも。その点、うちは逆。なるべく当直医で頑張ろうというスタンスですから」

 そしてもう一つ、医療センターには気の毒な事情があった。昨夏、救急の柱だった二人の救急指導医(医師を育てる立場のベテラン医師)が、相次いで辞めたのだ。

 秋から循環器科の医師が科長を継いで立て直しを図っているが、発展途上。それも、各専門科の医師の負担増につながっていた。

 そんな違いをICUで西山部長と話した後、救急外来に顔を出したところで見た光景が、この章の冒頭の場面。午後十時半、脳外科医三人のランプが消えていたのだ。

 その夜は比較的静かだった。午前二時すぎに腹膜炎の急患が入り、消化器外科医が呼ばれて緊急手術となったが、その後は平穏。外科の当直当番だった脳外科、泉谷智彦医師(45)は午前六時ごろまで五時間ほどの仮眠を取ることができた。

 そして午前七時すぎ。小脳梗塞(こうそく)の急患が来た時、医療センターとはあまりに違う対応にまた、驚かされた。

 【写真】平成6年11月にできた高知赤十字病院の救命救急センター。47都道府県で最後だった(高知市新本町2丁目)

 
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